ニジマスは、手軽に手に入る淡水魚として人気がありますが、「ニジマスって、なんか臭くてまずいよね…」と諦めていませんか?
- せっかく釣ったニジマスがまずくて困っている
- 市販のニジマスを調理しても、美味しくない
- ニジマス特有の臭みを消したい
ニジマスがまずいと感じてしまう原因は、主に「鮮度」と「下処理」と「調理」に原因があります。鮮度抜群のニジマスを選ぶ方法を学び、適切な下処の理方法をマスターし、適切に調理すればニジマス本来の旨味を引き出せるようになります。
この記事で紹介する解決策を実践すれば、あなたもきっとニジマスを美味しく調理できるようになります。ニジマスを無駄なく、美味しく味わいたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
ニジマスについて

ニジマスは、サケ科サケ属に属する魚です。ニジマスは冷たく酸素豊富な川や湖の淡水に生息し、全世界に広く生息しています。
ニジマスはその美しい体色から「レインボートラウト」とも呼ばれており、体側には特徴的な虹色の帯があります。
和名 | ニジマス |
---|---|
漢字 | 虹鱒 |
英名 | Rainbow Trout |
学名 | Oncorhynchus mykiss |
食用としても重要で、養殖が盛んに行われています。肉質は柔らかく、独特の風味があり、さまざまな料理に利用されます。
参考:許される共存?ニジマスは外来種なのに日本で認知されている理由とは

ニジマスが「まずい」と感じる理由

ニジマスを含む淡水魚を苦手としている人がいます。淡水魚を避ける理由として「独特の臭いや風味が苦手」と答える人が多数を占めています。
淡水魚は河川や湖など、閉じられた水系で生活しており、これらの環境で発生する藻類やその他の微生物が魚の体内に蓄積されることが原因で、特有の風味が生じます。
ニジマスの独特の臭みが「まずい」と感じる

ニジマスは淡水魚特有の泥臭さや生臭さを持つため、人によっては「まずい」と感じることがあります。しかし、適切な処理を行えば本来のニジマスの味わいを楽しむことができます。
まず重要なのは鮮度です。ニジマスは鮮度が落ちると臭みが強まるだけでなく、身が柔らかくなり調理しても美味しさが損なわれます。そのため、できるだけ新鮮なものを選ぶことが基本です。
また、餌の影響も大きく、人工飼料で育った養殖ニジマスは天然ものに比べて臭みが出やすい傾向があります。
ニジマスの臭みを抑えるためには、下処理が欠かせません。血抜きを丁寧に行い、内臓を素早く取り除くことで泥臭さを減らすことができます。さらに、塩を振って余分な水分や臭みを抜いたり、酢や酒を使って臭いを和らげる方法も効果的です。
このように、鮮度の良い個体を選び、下処理をしっかり行い、調理法に工夫を加えることで、ニジマスの独特な臭みを抑えて美味しく食べることができます。。

淡水魚が苦手な人は、ニジマスだけでなく、鰻(うなぎ)や鯉(こい)などの他の淡水魚にも苦手意識を持つことが多いです。これらの魚にも特有の泥臭さや生臭さがあり、共通して「淡水魚(川魚)独特のにおい」として敬遠されがちです。
また、淡水魚が苦手な人の共通点として、魚の皮や内臓の食感が苦手だったり、過去に臭みの強い調理方法で食べた経験があることが挙げられます。そうした経験が、淡水魚全般に対する苦手意識につながっているケースも少なくありません。
塩を振って臭みを抜く
塩を振って20〜30分ほど置くと、ニジマスの身から水分と臭みが抽出されます。その後、キッチンペーパーで余分な水分を拭き取りましょう。
薬味やハーブを使う
レモンやハーブ、生姜、にんにくなどの香味野菜やハーブを使うことで、臭みを消し、風味豊かに仕上げることができます。
日本酒を使う
魚の臭み消しで日本酒を使う方法は、日本料理の手法です。日本酒を全体にかけ、10分ほど置きます。その後、キッチンペーパーで余分な水分を拭き取りましょう。
水っぽいニジマスの身が「まずい」と感じる
水っぽい身の魚は、水分が多く、旨味や脂質が少ない傾向があります。そのため、身がベチョっとしたり味が薄いと感じたりすることがあります。
ニジマスの身が水っぽく感じられる理由は、多くの場合、養殖ニジマスの養殖環境の条件に関連しています。養殖ニジマスは、水温や餌の質、水質などの条件によって肉質が大きく影響を受けるためです。
また、氷水での急速冷却が不十分だと、体内の水分が適切に排出されず、水っぽい肉質になります。
塩を振って水分を抜く
塩を振って20〜30分ほど置くと、ニジマスの身から水分と臭みが抽出されます。その後、キッチンペーパーで余分な水分を拭き取りましょう。
ニジマスの美味しい食べ方と調理法

- ニジマスの旬
- シンプルで美味しい塩焼き
- ニジマスのムニエル
ニジマスの旬
天然ニジマスの旬
天然ニジマスの旬は、 水温や生息環境、餌によって成長が大きく影響される魚です。旬の時期はその活動性と脂の乗りによって決まります。
春と秋に水温が適温となるため、この時期に脂がのり、 味が良くなります。
地域 | 旬 |
---|---|
北海道 | 5月~6月、9月~10月 |
東北地方 | 4月~5月、9月~10月 |
関東地方 | 3月~5月、9月~11月 |
中部地方 | 4月~5月、9月~10月 |
近畿地方 | 3月~5月、9月~10月 |
中国地方 | 3月~5月、9月~10月 |
四国地方 | 3月~5月、9月~10月 |
九州地方 | 3月~5月、9月~10月 |
養殖ニジマスの旬

養殖ニジマスは、一年を通して旬に近い味わいを楽しめるのが大きな特徴です。養殖環境では水温や餌が人工的に管理されるため、天然もののように季節変動の影響を強く受けず、常に安定した品質が保たれます。
例えば、季節ごとに餌の種類を調整したり、水温を適切に管理することで、脂の乗りや風味を旬に近づける工夫がされています。そのため、スーパーなどで販売されている養殖ニジマスは、一年を通じて安定した美味しさを味わうことができます。
ただし、屋外で養殖されている場合は自然環境の影響も受けるため、特に美味しい時期は秋(9月〜11月)とされます。この時期は水温が安定し、身に程よく脂がのるため、より豊かな味わいを楽しめます。
また、日本における養殖ニジマスの収獲量は静岡県が全国一位であり、長い養殖の歴史と技術が安定供給を支えています。これにより、私たちは季節を問わず高品質なニジマスを手軽に楽しめるのです。
令和3年における全国の「にじます」の養殖収獲量は4,161トンで、そのうち静岡県の収獲量は897トンで日本一です。
引用元:静岡県
シンプルで美味しい塩焼き
ニジマスは様々な調理方法で美味しく味わうことができますが、 シンプルな塩焼きが特に人気です。ニジマスは、シンプルな塩焼きが美味しい理由は、以下の3つが挙げられます。
- ニジマスの旨味と香りを引き出すことができる
- 調理方法が簡単
- 素材の味を楽しめる
ニジマスは、本来 旨味が強く、香りも豊かな魚 です。塩焼きにすることで、余計な味付けをせず、ニジマス本来の旨味と香りをシンプルに引き出すことができます。
塩焼きは、調理方法が非常に簡単です。塩を振って焼くだけなので、料理初心者でも簡単に美味しく調理することができます。
塩焼きは、味付けがシンプルなので、ニジマス本来の素材の味を楽しむことができます。
塩焼きに使う塩は「海水塩」がオススメです。
参考:塩の種類と使い分けを完全解説!家庭料理がもっと美味しくなる

ニジマスは炭火で塩焼きにすると最高です。
参考:ニジマスの塩焼きを炭火でふっくらジューシーに!おいしく仕上げるコツ

釣り堀で釣ったニジマスは美味い

釣り堀で釣ったニジマスを その場で串に刺して塩焼きで食べると格別な味わいを体験できます。釣ったばかりの新鮮なニジマスは、 特有の臭みが少なく、旨味と香りが凝縮されています。さらに、自分で釣り上げたという達成感も、味覚をより一層豊かにします。
- 鮮度抜群のニジマスを味わえる
- 自分で釣り上げたという達成感を得られる
- アウトドアで食べる楽しさを味わえる
釣り堀で釣ったニジマスは、釣り上げてすぐに調理できるため、鮮度の良さが際立ちます。新鮮なニジマスは身が引き締まり、臭みがほとんどなく、旨味と香りが凝縮されているのが特徴です。
自分の手で釣り上げた魚を食べる体験は、ただ美味しいだけでなく特別な達成感を与えてくれます。釣れた瞬間の喜びから調理、実際に口にするまでの一連の流れが一つの思い出となり、食事の価値をより高めてくれます。
特に人気なのが、釣ったばかりのニジマスを串に刺して塩焼きにする方法です。シンプルながら魚本来の旨味を最大限に引き出し、自然の中で味わうことで格別な美味しさを楽しめます。
アウトドアで食べる料理には特有の魅力があり、非日常的な体験と組み合わさることで一層印象深い食体験となります。
ニジマスのムニエル
ニジマスのムニエルは、粉をまぶしたニジマスをバターでソテーしたシンプルなフランス料理です。バターの香りとニジマスの旨味が絶妙に絡み合い、上品な味わいが楽しめます。
ムニエル(Meunière)は、フランス語で「粉をまぶして焼く」という意味です。
魚介類や鶏肉などをバターでソテーした料理を指します。ムニエルのポイントは、バターの香りを活かすために、弱火でじっくりと焼くことです。
また、仕上げにレモン汁を加えると、爽やかな風味を加えることができます。
以下がニジマスのムニエルのポイントです。
- バターは焦がさないように弱火でじっくりと焼きましょう。
- レモン汁は、仕上げに加えると爽やかな風味になります。
- 付け合わせには、じゃがいもやソテー野菜などがおすすめです。
ニジマスのムニエルは、白ワインやシャンパンなど、軽めのワインと相性抜群です。シンプルな料理ですが、上品な味わいで、特別な日にぴったりの一品です。ぜひ、ご自宅で作ってみてはいかがでしょうか。
ニジマスのお刺身
ニジマスはお刺身でたべることできますが、注意が必要です。
天然のニジマスや野生化したニジマスには、寄生虫が含まれている可能性があり、これが原因で食中毒を引き起こすリスクがあります。
ニジマスを生で食べる場合は養殖のニジマスを食べるようにしましょう。
参考:ニジマスは刺身で食べると危険なの?天然と養殖では違いがあるのか

ニジマス料理の失敗を避けるための下処理

ニジマスを美味しく調理するためには、適切な下処理を行うことが重要です。
ウロコを取り除く
ニジマスは小さな鱗を持っていますが、これをきれいに取り除くことが重要です。ウロコには、魚の臭みや苦味のもととなる粘液が付着しています。
ウロコを取り除くことで、これらの臭みを軽減することができます。ウロコは魚の尾から頭に向かって、逆方向にナイフや専用のスケーラーを使って鱗を削ぎ取ります。
この際、水をかけながら行うと鱗が飛び散りにくくなります。
内臓を取り除く
魚の腹部に沿って軽く切り込みを入れ、内臓を取り出します。内臓には、魚の臭みや苦味のもととなる血や汚れが付着しています。内臓を取り除くことで、これらの臭みや苦味を軽減することができます。
ニジマスの内臓は比較的簡単に取り除けますが、胆のうを破らないように注意が必要です。胆のうが破れると苦味が肉に染み出し、味が損なわれます。内臓を取り除いた後は、腹内を水でよく洗い流してきれいにします。
ニジマスは、鮮度が落ちやすい魚です。下処理は早めに済ませ、調理するまで冷蔵庫で保存しておきましょう。
ニジマス選びの4つのポイント

ニジマスは、淡水魚の中でも比較的入手しやすく、食卓に手軽に魚料理を取り入れられる食材として人気があります。
しかし、ニジマスは鮮度が落ちやすい魚でもあるため、購入の際は選び方に注意が必要です。
ニジマスを選ぶ際には、以下の4つのポイントに注目することで、鮮度と品質の高いニジマスを見つけることができます。
- 目:澄んでいて、黒目がはっきりしている。
- エラ:鮮やかな赤色をしている。
- 身:弾力があり、張りがある。
- ウロコ:しっかりとついていて、光沢がある。
目:澄んでいて、黒目がはっきりしている。
目は、魚の鮮度を判断する上で最も重要な指標の一つです。新鮮なニジマスの目は、澄んでいて、黒目がはっきりしています。目が濁っていたり、黒目が白くなっていたりするニジマスは、鮮度が落ちている可能性があります。
エラ:鮮やかな赤色をしている。
新鮮なニジマスのエラは、鮮やかな赤色をしています。エラが茶色っぽくなっていたり、粘液がついていたりするニジマスは、鮮度が落ちている可能性があります。
身:弾力があり、張りがある。
魚の弾力と張り具合を確認することで、鮮度を判断することができます。新鮮なニジマスの身は、弾力があり、指で押すとすぐに元の形に戻ります。身が柔らかかったり、水っぽかったりするニジマスは、鮮度が落ちている可能性があります。
ウロコ:しっかりとついていて、光沢がある。
ウロコは、魚の鮮度と品質を判断する上で重要な指標の一つです。新鮮なニジマスのウロコは、しっかりとついていて、光沢があります。ウロコが取れていたり、光沢がなかったりするニジマスは、鮮度が落ちている可能性があります。
また、ウロコの色も鮮やかな方が良いとされています。
ニジマスを海で養殖したトラウトサーモン
ニジマスを海で養殖したものを「トラウトサーモン」といいます。
魚屋さんやお寿司屋さん、スーパーで売っている「サーモン」は、ほとんどがニジマスを海で養殖した「トラウトサーモン」です。今では回転寿司などで身近な寿司ネタとして流通し、多くの人が食し美味しさが認知されています。
トラウトサーモンを詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
参考:トラウトサーモンは海で養殖したニジマスでサーモンと言うが鮭じゃない

ニジマスがまずいと感じる:まとめ
この記事では、ニジマスを「まずい」と感じる理由と、その解決方法について解説しました。ニジマスは淡水魚特有の臭みや、養殖環境による味の違いから苦手に感じる人もいますが、適切な処理や調理法を工夫することで美味しく味わうことができます。
重要なポイントをまとめると以下の通りです。
- ニジマスが「まずい」と感じられるのは、淡水魚特有の泥臭さや生臭さが原因となることが多い。
- 鮮度が落ちると臭みが増し、身の食感も悪くなるため、新鮮なものを選ぶことが大切。
- 餌の種類によっても味や香りが変わり、養殖のニジマスは天然に比べて臭みが強い傾向がある。
- 血抜きや内臓の処理を丁寧に行うことで、臭みを軽減できる。
- 塩や酒を使った下処理で臭みを抑える方法も効果的。
- 塩焼き、ムニエル、フライなど調理法を工夫することで本来の旨味を引き出せる。
ニジマスは鮮度や処理方法によって評価が大きく変わる魚です。新鮮な個体を選び、下処理や調理法に注意すれば、臭みを抑えて旨味を楽しむことができます。
淡水魚特有の風味を理解したうえで工夫すれば、ニジマスは決して「まずい魚」ではなく、豊かな味わいを持つ魅力的な食材になるでしょう。