「トラウトサーモン」と「ニジマス」って同じ魚?
スーパーで見かける「トラウトサーモン」って、実は海で養殖された「ニジマス」なんです。
でも、ニジマスとトラウトサーモンって、見た目も味も全然違いますよね?
この記事では、そんな「トラウトサーモン」と「ニジマス」の違いについて、詳しく解説します。
この記事でわかること
- トラウトサーモンとニジマスの違い
- トラウトサーモンの特徴
- トラウトサーモンの美味しい食べ方
- トラウトサーモンとアトランティックサーモンの違い
トラウトサーモンは海で養殖したニジマス
トラウトサーモンは、海で養殖したニジマスです。
ニジマスは一般的に淡水で養殖されますが、トラウトサーモンは海で養殖されます。
トラウトサーモンは主にチリやノルウェーなど、冷たい海水が豊富な地域で養殖されますが、日本でも養殖されています。
日本の主なトラウトサーモン
海は淡水よりも豊富な栄養とミネラル、そして適度な塩分を含んでいます。
トラウトサーモンは、こうした恵まれた環境で育つことで、身が引き締まり、脂の乗りが良くなります。
海で育ったトラウトサーモンは、淡水で育つニジマスよりも身色が鮮やかになり、脂の乗りが良くなります。
また、味も淡水ニジマスよりも濃厚で、サーモンに近い味わいになります。
項目 | ニジマス(淡水) | トラウトサーモン(海水) |
---|---|---|
生育環境 | 淡水 | 海水 |
身の見た目 | 身色が地味 | 身色が鮮やか |
脂の乗り | 少ない | 多い |
味 | 繊細 | 濃厚 |
ニジマスの基本情報
ニジマスは、サケ目サケ科の淡水魚です。
原産は北米大陸西部で、美しい虹色の斑紋を持つことからその名が付けられました。
和名 | ニジマス |
---|---|
漢字 | 虹鱒 |
英名 | Rainbow Trout |
学名 | Oncorhynchus mykiss |
ニジマスは、冷たい淡水に生息する魚で、湖や川に多く見られます。
食性は肉食で、水生昆虫や水面に落ち等た陸生昆虫、小魚、甲殻類などを捕食します。
ニジマスは米国(カリフォルニア州)から導入された「外来種」です。
参考:許される共存?ニジマスは外来種なのに日本で認知されている理由とは
なぜ淡水魚のニジマスが海で養殖できるの?
ニジマスには、海に下りて成長する「降海型」と、一生淡水で過ごす「陸封型」の2種類が存在します。
- 陸封型
- 海降型
陸封型ニジマスは、川や湖などの淡水域で生まれ、一生淡水域で過ごします。
一方、降海型ニジマスは、川で生まれ、稚魚の頃に海に下り、その後再び川に戻って産卵します。
自然界で海に下りて成長する「降海型」のニジマスを「スチールヘッド」といいます。
降海型ニジマスは、海で豊富な栄養を吸収することで、より大きく、脂が乗った魚へと成長します。
そのため淡水のニジマスを海で養殖することが可能だということです。
淡水のニジマスを海で養殖する前に淡水で一定期間養殖し、海水馴致という海水にならす作業を数日行ない、海水養殖へ移行します。
ニジマスの他にも、海に下りて成長する「降海型」と、一生淡水で過ごす「陸封型」が存在する魚がいます。
陸封型 | 降海型 |
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ヤマメ | サクラマス |
アマゴ | サツキマス |
エゾイワナ | アメマス |
よくわからないサーモンと鮭とマス
サーモンと鮭の違い
「鮭」は英語で「サーモン(Salmon)」ですが、
魚屋さんやお寿司屋さん、スーパーで売っている「鮭」と「サーモン」は別の魚だと思ってください。
一般的に「鮭」というと、「白鮭」や「銀鮭」「紅鮭」を指します。
日本で穫れる鮭はほとんど「白鮭」です。
一方、魚屋さんやお寿司屋さん、スーパーで売っている「サーモン」は、養殖されたものを「サーモン」と呼びます。
サーモンの特徴として、生食できることが挙げられます。
生食できることで、お寿司(回転寿司)やお刺身として幅広く利用されます。
- トラウトサーモン
- アトランティックサーモン
- ノルウェーサーモン
トラウトサーモンは、「サーモン」ですが、名前が「トラウトサーモン」なので、直訳すると、「マス・サーモン」なのでややこしいですね。
しかも、もともとニジマスですからね。
日本でマス(鱒)と言われる魚
日本でマス(ホンマス)といえば、「サクラマス(桜鱒)」です。
サクラマスはヤマメの降海型です。
海で育つことで、体長70cm、体重7Kgまで成長することもあります。
日本のその他のマスは
- ニジマス
- ヒメマス
- ブラウントラウト
- アメマス
などがいます。
トラウトサーモンとアトランティックサーモンはどこが違う?
同じサーモンとして流通しているもので「アトランティックサーモン」という魚がいます。
よくトラウトサーモンと混同されがちですが、トラウトサーモンはニジマスで、アトランティックサーモンは鮭の一種で違う魚です。
アトランティックサーモンは、北大西洋に原生するサケ科の魚で、世界中のサーモン養殖業で最も一般的に養殖されています。
近年では、養殖技術の発展により、日本でも広く流通するようになりました。
天然のアトランティックサーモンは北大西洋の冷たい水域に自然分布していますが、現在ではほとんどが養殖されているため、野生の個体は減少傾向にあります。
アトランティックサーモンは、脂の乗りが良く、肉厚で身が引き締まっています。
また、独特の風味と旨味があり、刺身やカルパッチョ、ムニエルなど、様々な料理に適しています。
トラウトサーモンは「まずい」?
「トラウトサーモンはまずい」という意見は、一部の人々の個人的な好みや特定の体験に基づいていることが多いです。
魚の味は、その養殖条件、調理方法、鮮度など多くの要因によって大きく異なります。
トラウトサーモンが「まずい」と感じるかどうかは、個人の好みや上記のような様々な条件に依存します。
一般的には、トラウトサーモンはその肉質の柔らかさや適度な脂の乗りで評価されていますが、全ての人が好むわけではありません。
試してみて自分の好みを確かめるのが一番です。
トラウトサーモンの味に影響する要因
- 養殖環境
- 鮮度
- 調理方法
養殖環境
海水で養殖されたトラウトサーモンは、一般的に脂の乗りが良くなるため、味が濃厚になります。
しかし、環境が適切でない場合、魚の味に悪影響を及ぼすことがあります。
鮮度
新鮮なトラウトサーモンは、味が良く、風味豊かですが、保存状態が悪いと味が落ちることがあります。
調理方法
調理技術や使用する調味料によっても、魚の味わいは大きく変わります。
適切に調理されたトラウトサーモンは、多くの人にとって美味しく感じられます。
トラウトサーモンを使った絶品料理
トラウトサーモンを使った料理は、その柔らかい肉質と繊細な味わいを生かして様々な方法で楽しむことができます。
ここではいくつかの絶品料理を紹介します。
- トラウトサーモンの刺身
- トラウトサーモンのマリネ
- トラウトサーモンのカルパッチョ
- トラウトサーモンのムニエル
トラウトサーモンは生食が美味しいので、生食できる料理がおすすめです。
トラウトサーモンの刺身
新鮮なトラウトサーモンは刺身としても美味しくいただけます。
わさび醤油でシンプルに楽しむのがおすすめです。
海で養殖されたトラウトサーモン(ニジマス)は生食でおいしくいただけますが、淡水にいるニジマスを生食する場合は注意が必要です。
参考:ニジマスは刺身で食べると危険なの?天然と養殖では違いがあるのか
トラウトサーモンのマリネ
材料(3〜4人分)
- トラウトサーモン 200g
- 玉ねぎ 1/2個
- ディル 適量
- オリーブオイル 100ml
- レモン汁 大さじ2
- 酢 大さじ1
- 塩 少々
- 胡椒 少々
作り方
- トラウトサーモンは薄くスライスし、冷蔵庫で冷やしておく。
- 玉ねぎは薄切りにする。
- ボウルにオリーブオイル、レモン汁、酢、塩、胡椒を入れて混ぜ合わせ、マリネ液を作る。
- トラウトサーモンと玉ねぎをマリネ液に漬け込み、冷蔵庫で30分ほど寝かせる。
- ディルを散らして完成。
ポイント
- トラウトサーモンは薄くスライスすることで、マリネ液に味が染み込みやすくなります。
- 玉ねぎは、お好みで他の野菜を加えても構いません。
- ディルは、なくても構いません。
トラウトサーモンのカルパッチョ
材料(2〜3人分)
- トラウトサーモン 150g
- オリーブオイル 大さじ3
- トマトのさいの目切り30g
- レモン汁 大さじ2
- 塩 少々
- 胡椒 少々
- ケッパー 適量
- ディル 適量
作り方
- トラウトサーモンは薄くスライスし、冷蔵庫で冷やしておく。
- ボウルにオリーブオイル、レモン汁、トマト、塩、胡椒を入れて混ぜ合わせ、ドレッシングを作る。
- 皿にトラウトサーモンを並べ、ドレッシングをかける。
- ケッパーとディルを散らして完成。
ポイント
- トラウトサーモンは薄くスライスすることで、口当たりが良くなります。
- ドレッシングはお好みで味を調整してください。
- ケッパーやディルは、なくても構いません。
トラウトサーモンのムニエル
材料(2人分)
- トラウトサーモン 80g 2枚
- 小麦粉 適量
- バター 30g
- 白ワイン 大さじ2
- レモン汁 大さじ1
- 塩 少々
- 胡椒 少々
作り方
- トラウトサーモンはキッチンペーパーで水気を拭き、塩胡椒で下味をつける。
- トラウトサーモンに小麦粉をまぶす。
- フライパンにバターを熱し、トラウトサーモンを焼く。
- 両面に焼き色がついたら、白ワインを加えてアルコールを飛ばす。
- レモン汁を加えて煮詰め、塩胡椒で味を調える。
- 皿に盛り付けて完成。
ポイント
- トラウトサーモンは皮目をパリッと焼くことで、香ばしさがアップします。
- 白ワインはなくても構いません。
- レモン汁は、お好みで量を調整してください。
トラウトサーモンとニジマスの違い:まとめ
トラウトサーモンは、海で養殖されたニジマスのことを指します。
通常、ニジマスは淡水で養殖されますが、トラウトサーモンは海水で育てられます。
トラウトサーモンは、主にチリやノルウェーのような冷たい海水が豊富な地域で養殖され、日本でも養殖が行われています。
日本で養殖されているトラウトサーモンには、日本海深浦サーモン、海峡サーモン、大槌サーモントラウトなどがあります。
ニジマスには、「降海型」と「陸封型」の2種類が存在し、降海型は海で豊富な栄養を吸収してより大きく、脂が乗った魚へと成長します。
そのため、ニジマスはもともと海に順応できるため、淡水で育ったニジマスを海で養殖することが可能です。
海水は淡水よりも栄養とミネラルが豊富で、適度な塩分も含まれているため、海で育ったトラウトサーモンは身が引き締まり、脂の乗りが良くなります。
海で育ったトラウトサーモンは、淡水で育つニジマスよりも身色が鮮やかで、脂の乗りが良く、味も濃厚になります。
トラウトサーモンを使った料理は、その柔らかい肉質と繊細な味わいを生かして様々な方法で楽しむことができます。