ナチュラルチーズとプロセスチーズの違いは?見分け方・使い分け・選び方を簡単解説
チーズ売り場で「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の違いに戸惑ったことはありませんか?見た目は似ていても、実はその中身や使い方、風味、保存性まで大きく異なります。
この記事では、料理初心者の方でもわかりやすく、ナチュラルチーズとプロセスチーズの違いを丁寧に解説します。どちらを選べばいいか迷っている方に向けて、選び方のポイントや料理での使い分け、よくある疑問にも触れながら、あなたに合ったチーズが見つかるヒントをご紹介します。
この記事を読むことで、以下のようなことが得られます。
- ナチュラルチーズとプロセスチーズの違いがわかる
- 用途やライフスタイルに合ったチーズの選び方がわかる
- スーパーで迷わずチーズを選べるようになる
チーズ選びに迷ったら、まずはこの記事で基本を知ることから始めてみてください。あなたにぴったりなチーズがきっと見つかります。
ナチュラルチーズとプロセスチーズの違いを一覧で比較

ナチュラルチーズとプロセスチーズの大きな違いは、チーズになるまでの作り方にあります。ナチュラルチーズは乳などを固めて作るのに対し、プロセスチーズはナチュラルチーズを原料にして、加熱して溶かし、乳化して作ります。
スーパーではどちらも「チーズ」として並んでいるため、見た目だけでは違いがわかりにくいかもしれません。まずは大まかな特徴を比べてみましょう。
| 比較するポイント | ナチュラルチーズ | プロセスチーズ |
|---|---|---|
| 基本的な作り方 | 乳などを固め、乳清の一部を取り除いて作る | ナチュラルチーズを加熱して溶かし、乳化して作る |
| 熟成 | 熟成させるものと、ほとんど熟成させないものがある | 加熱・乳化して作るため、製造後にナチュラルチーズと同じような熟成は進まない |
| 味や香り | 種類による違いが大きい | 商品ごとの味が安定しやすい |
| 食感 | やわらかいものから硬いものまで幅広い | 商品に合わせて食感を整えやすい |
| 身近な例 | モッツァレラ、カマンベール、クリームチーズなど | 市販の6Pタイプやベビータイプなどに多い |
| 見分ける基本 | パッケージの「種類別ナチュラルチーズ」を確認 | パッケージの「種類別プロセスチーズ」を確認 |
見た目や形よりも、どのように作られているかによって分類が決まると考えると覚えやすくなります。
- ナチュラルチーズとは
- プロセスチーズとは
ナチュラルチーズとは

ナチュラルチーズは、乳などのたんぱく質を固め、液体部分である乳清の一部を取り除いて作るチーズです。作ったあとに熟成させるタイプだけでなく、熟成させずに比較的早く食べるタイプも含まれます。
厚生労働省の「乳及び乳製品の成分規格等に関する命令」では、乳やクリームなどのたんぱく質を凝固させ、凝乳から乳清の一部を除いたもの、または熟成したものなどをナチュラルチーズと定めています。
つまり、ナチュラルチーズのポイントは「必ず長期間熟成させること」ではありません。乳を固めてチーズにするところから直接作られていることが、プロセスチーズとの基本的な違いになります。
身近なナチュラルチーズには、次のようなものがあります。
- モッツァレラ
- クリームチーズ
- カマンベール
- ゴーダ
- チェダー
- パルミジャーノ・レッジャーノ
たとえば、モッツァレラとカマンベールは同じナチュラルチーズでも、見た目も味もかなり違います。モッツァレラは比較的あっさりした味わいですが、カマンベールには特有の香りとコクがあります。
ナチュラルチーズは種類がとても多いため、「ナチュラルチーズだから味が濃い」「ナチュラルチーズはクセが強い」と一括りにはできません。料理に使いやすい穏やかな味のチーズもあれば、香りを楽しむタイプもあります。
ナチュラルチーズを選ぶときは、分類名だけを見るより、「どんな種類のチーズなのか」まで確認すると料理に合わせやすくなります。
乳清(ホエイ)とは、乳を固めたときに分かれる液体部分です。ヨーグルトの表面にたまる透明感のある液体もホエイの一例になります。
凝乳とは、乳のたんぱく質を酵素などの働きで固めたものです。チーズ作りでは、この固まった部分から乳清を取り除いていきます。
熟成とは、チーズを一定期間置き、微生物や酵素などの働きによって味・香り・食感を変化させる工程です。ナチュラルチーズには熟成させるタイプだけでなく、モッツァレラやクリームチーズのように熟成させないタイプもあります。
プロセスチーズとは

プロセスチーズは、ナチュラルチーズを原料として、加熱して溶かし、乳化して作るチーズです。乳から直接プロセスチーズを作るのではなく、一度作られたナチュラルチーズが材料になる点が大きな特徴になります。
厚生労働省の「乳及び乳製品の成分規格等に関する命令」では、プロセスチーズを「ナチュラルチーズを粉砕し、加熱溶融し、乳化したもの」と定めています。
作り方を簡単な流れにすると、次のように考えるとわかりやすいでしょう。
乳など→ナチュラルチーズ→加熱・溶融・乳化→プロセスチーズ
ナチュラルチーズをそのまま包装したものと、プロセスチーズではスタート地点が違うわけではありません。プロセスチーズも、もとをたどればナチュラルチーズから作られています。
たとえば、スーパーでよく見かける6Pタイプやベビータイプには、プロセスチーズとして販売されている商品が多くあります。複数のナチュラルチーズを組み合わせたり、商品に合った味や食感に整えたりできるため、日常的に食べやすい商品も豊富です。
ただし、「6Pなら必ずプロセスチーズ」「スライスなら必ずプロセスチーズ」という意味ではありません。商品の形だけでは正確に分類できないため、実際に買うときはパッケージに書かれた「種類別」を確認するのが確実です。
厚生労働省の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令に基づく表示について」でも、ナチュラルチーズとプロセスチーズは、それぞれ種類別を表示することとされています。
プロセスチーズは「チーズではない加工食品」という意味ではありません。ナチュラルチーズを原料に、加熱・乳化という工程を加えて作られた別の種類のチーズと覚えておくと、2つの違いを整理しやすくなります。
乳化とは、本来は混ざりにくい水分と脂肪分などを、均一な状態に混ぜ合わせることです。プロセスチーズでは、加熱して溶かしたナチュラルチーズをなめらかで均一な状態に整える工程で使われます。
加熱溶融とは、チーズを加熱して溶かすことです。プロセスチーズでは、原料となるナチュラルチーズを細かくしたあと、加熱して溶かしてから乳化します。
ナチュラルチーズとプロセスチーズの5つの違い

ナチュラルチーズとプロセスチーズは、作り方だけでなく、熟成のしかたや味、食感、保存性などにも違いがあります。ただし、ナチュラルチーズは種類がとても多いため、「ナチュラルチーズなら全部同じ特徴」ではありません。
違いを知っておくと、「ピザにはどちらがいい?」「おつまみなら?」「長く保存しやすいのは?」と迷ったときにも選びやすくなります。
まずは5つの違いを大まかに比べてみましょう。
| 比較するポイント | ナチュラルチーズ | プロセスチーズ |
|---|---|---|
| 原料・製造方法 | 乳などを固めて作る | ナチュラルチーズを加熱・乳化して作る |
| 熟成・味・香り | 種類による差が大きい | 商品ごとの味を安定させやすい |
| 食感・加熱 | 種類によって大きく異なる | 商品の目的に合わせて調整されている |
| 保存性 | 種類によって差が大きい | 一般に品質を安定させやすい |
| 栄養・カロリー | チーズの種類によって大きく異なる | 商品によって異なる |
- 原料と製造方法の違い
- 熟成・味・香りの違い
- 食感と加熱したときの違い
- 保存性と賞味期限の違い
- 栄養やカロリーは種類・商品によって異なる
原料と製造方法の違い

ナチュラルチーズとプロセスチーズを分ける最も基本的なポイントは、チーズを作る工程です。
ナチュラルチーズは乳などを固めて作るのに対し、プロセスチーズは完成したナチュラルチーズを原料として、さらに加工して作ります。
厚生労働省の「乳及び乳製品の成分規格等に関する命令」でも、ナチュラルチーズとプロセスチーズでは製造方法が別々に定められています。ナチュラルチーズは乳などのたんぱく質を固めて乳清の一部を除いたものなど、プロセスチーズはナチュラルチーズを粉砕し、加熱して溶かし、乳化したものとされています。
作り方の流れを比べると、違いがわかりやすくなります。
| ナチュラルチーズ | プロセスチーズ |
|---|---|
| 乳など | ナチュラルチーズ |
| ↓凝固 | ↓細かくする |
| 凝乳を作る | ↓加熱して溶かす |
| ↓乳清の一部を除く | ↓乳化する |
| ナチュラルチーズ | プロセスチーズ |
つまり、プロセスチーズは「ナチュラルチーズとは別の原料から作られたチーズ」ではありません。もとになる材料はナチュラルチーズなので、一度できたチーズを、食べやすさや品質などを考えてもう一度加工していると考えるとイメージしやすいでしょう。
たとえば、料理でたとえるなら、牛乳から作ったチーズがナチュラルチーズ、そのナチュラルチーズを材料として別の商品に仕上げたものがプロセスチーズ、という関係です。
作り方の違いを押さえておくと、後から出てくる味や保存性の違いも理解しやすくなります。
凝固とは、液体状の乳に凝固剤などを加え、たんぱく質を固めることです。チーズ作りでは、固まった部分と液体部分に分ける工程につながります。
乳化とは、水分と脂肪分など、通常は分かれやすい成分を均一に混ぜ合わせることです。プロセスチーズでは、加熱して溶かしたチーズをなめらかな状態に整えるために行われます。
熟成・味・香りの違い

味や香りの幅が広いのは、ナチュラルチーズの大きな特徴です。
ナチュラルチーズには、熟成させずに食べるタイプと、時間をかけて熟成させるタイプがあります。熟成タイプでは、微生物や酵素などの働きによって、時間とともに味や香り、食感が変化していきます。
代表的な違いを比べてみましょう。
| チーズの例 | 分類 | 味や香りの特徴 |
|---|---|---|
| モッツァレラ | ナチュラルチーズ | クセが比較的少なく、ミルク感を楽しみやすい |
| クリームチーズ | ナチュラルチーズ | まろやかでクリーミー |
| カマンベール | ナチュラルチーズ | 熟成によるコクや香りを感じやすい |
| チェダー | ナチュラルチーズ | 熟成期間などによって風味が変わる |
| プロセスチーズ | プロセスチーズ | 商品ごとに味や香りを整えやすい |
ナチュラルチーズは種類による違いが大きいため、「ナチュラルチーズはクセが強い」と覚えてしまうと選びにくくなります。
たとえば、チーズ特有の香りが苦手な人でも、比較的穏やかなモッツァレラなら食べやすいことがあります。一方、しっかりした香りやコクを楽しみたい場合は、熟成タイプを選ぶという方法もあります。
プロセスチーズは製造時に加熱・乳化して仕上げるため、ナチュラルチーズのように製品になったあと熟成による変化を楽しむタイプではありません。複数のナチュラルチーズを組み合わせることもできるため、メーカーが狙った味や香りに整えやすいのが特徴です。
「味の個性を楽しみたいならナチュラルチーズ、いつもの食べやすい味を選びたいならプロセスチーズ」という考え方は、売り場で迷ったときのひとつの目安になるでしょう。
熟成とは、チーズを一定の条件で置き、微生物や酵素などの働きによって味・香り・食感を変化させる工程です。ナチュラルチーズには、熟成させるタイプと熟成させないタイプがあります。
食感と加熱したときの違い

ナチュラルチーズとプロセスチーズは食感にも違いがありますが、「どちらの方がやわらかい」「どちらの方がよく溶ける」と一律には決められません。
ナチュラルチーズは種類ごとの差が非常に大きく、ふわっとやわらかいもの、弾力があるもの、ほろほろ崩れるもの、硬く締まったものまであります。
たとえば、同じナチュラルチーズでも食感はかなり違います。
- モッツァレラは弾力を感じやすい
- クリームチーズはなめらかでやわらかい
- カマンベールは外側と内側で食感が異なる
- パルミジャーノ・レッジャーノは硬く、すりおろして使うことも多い
プロセスチーズは原料となるチーズを加熱・乳化して作るため、用途に合わせて硬さや口あたりを整えやすくなります。スライスしやすいタイプ、ひと口で食べやすいタイプ、パンに塗りやすいタイプなど、商品による違いもあります。
加熱した場合も、「ナチュラルチーズなら必ず糸を引く」というわけではありません。
| チーズの例 | 加熱したときの特徴の一例 |
|---|---|
| モッツァレラ | 溶けて伸びやすい |
| チェダー | 溶けてコクを出しやすい |
| カッテージチーズ | モッツァレラのようには伸びにくい |
| 一般的なプロセスチーズ | 商品によって溶け方が異なる |
| 加熱用に作られたチーズ | 商品の用途に合わせて溶けやすさが調整されている |
料理をするときは「ナチュラルかプロセスか」だけで選ぶより、パッケージに書かれた用途や、使われているチーズの種類を確認する方が失敗しにくいでしょう。
ピザで伸びるチーズが欲しい、トーストにのせて手軽に使いたい、そのまま切って食べたいなど、料理の目的から逆算して選ぶのがおすすめです。
保存性と賞味期限の違い

保存性では、一般的にプロセスチーズの方が品質を安定させやすい傾向があります。ただし、「プロセスチーズなら長期間保存できる」「ナチュラルチーズは日持ちしない」と一括りにすることはできません。
ナチュラルチーズは種類によって水分量や熟成方法が異なるため、保存できる期間にも大きな差があります。水分の多いフレッシュタイプと、水分が少ない硬質タイプでは保存性が同じではありません。
保存については、次のように考えるとわかりやすいでしょう。
| 比較ポイント | ナチュラルチーズ | プロセスチーズ |
|---|---|---|
| 保存性 | 種類による差が大きい | 比較的品質を安定させやすい |
| 賞味期限 | 商品ごとに異なる | 商品ごとに異なる |
| 開封後 | 表示に従って保存し、早めに食べる | 表示に従って保存し、早めに食べる |
| 保存方法 | 商品の表示を確認 | 商品の表示を確認 |
プロセスチーズは製造時に加熱され、均一な状態に整えられているため、ナチュラルチーズより品質を一定に保ちやすい商品が多くあります。一方、ナチュラルチーズでも種類や包装方法によって保存性は大きく変わります。
ここで注意したいのが、パッケージに書かれている「賞味期限」です。
消費者庁の「食品表示基準Q&A」では、賞味期限は表示された方法で保存した場合に、期待される品質を十分に保てる期限とされています。また、期限表示は未開封の状態を前提としているため、開封後まで同じ期限が保証されるわけではありません。
そのため、「プロセスチーズだから○日持つ」と覚えるのではなく、実際に購入した商品の保存方法と賞味期限を確認することが基本です。開封後についても、パッケージに記載された方法に従いましょう。
賞味期限とは、表示された保存方法を守り、未開封で保存した場合に、おいしさなどの品質を十分に保てる期限です。賞味期限と開封後に食べられる期間は同じではありません。
栄養やカロリーは種類・商品によって異なる

ナチュラルチーズとプロセスチーズは、どちらも商品によって栄養成分が異なります。「ナチュラルチーズの方が低カロリー」「プロセスチーズの方が脂質や塩分が多い」と分類だけで判断するのは適切ではありません。
特にナチュラルチーズは種類が幅広く、水分量や脂質、たんぱく質などが大きく違います。
文部科学省の「食品成分データベース」モッツァレラ、チェダーチーズ、プロセスチーズを見ると、100g当たりの成分にも違いがあることがわかります。
| 種類 | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | カルシウム | 食塩相当量 |
|---|---|---|---|---|---|
| モッツァレラ | 269kcal | 18.4g | 19.9g | 330mg | 0.2g |
| チェダー | 390kcal | 25.7g | 33.8g | 740mg | 2.0g |
| プロセスチーズ | 313kcal | 22.7g | 26.0g | 630mg | 2.8g |
※文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に掲載された可食部100g当たりの値です。市販商品の栄養成分は原材料や配合などによって異なります。
表を見ると、ナチュラルチーズ同士のモッツァレラとチェダーでも、エネルギーや脂質、カルシウム、食塩相当量にかなり差があります。
たとえば、エネルギーだけを見ると、モッツァレラは100g当たり269kcal、チェダーは390kcalです。プロセスチーズは313kcalなので、「ナチュラルチーズ対プロセスチーズ」という2分類だけでは、高い・低いを決められないことがわかります。
栄養面を気にしてチーズを選ぶ場合は、以下のように気になる項目を商品の栄養成分表示で比べると選びやすくなります。
- エネルギー
- たんぱく質
- 脂質
- カルシウム
- 食塩相当量
ナチュラルチーズとプロセスチーズのどちらかを「健康によいチーズ」と決めるのではなく、チーズの種類や商品、食べる量まで含めて考えることが大切です。普段の料理では、味や使い方も含めて、自分に合った商品を選ぶとよいでしょう。
スーパーでナチュラルチーズとプロセスチーズを見分ける方法

スーパーでナチュラルチーズとプロセスチーズを見分けたい場合は、見た目や商品名ではなく、パッケージに書かれた「種類別」を確認するのが基本です。
スライス状や6Pタイプといった形だけで決めると間違える可能性があります。原材料名も参考になりますが、最初に見る場所は「種類別」と覚えておくと迷いにくいでしょう。
- パッケージの「種類別」を確認する
- スライス・6P・ベビーチーズだけでは判断しない
- 原材料表示は補助的に確認する
パッケージの「種類別」を確認する

ナチュラルチーズとプロセスチーズを確実に見分けたい場合は、パッケージにある「種類別」の表示を確認しましょう。
チーズのパッケージには、商品の分類がわかるように種類別が表示されています。消費者庁の「食品表示法等」でも、種類別が明らかに判断できるよう表示することが示されています。チーズの場合も、ナチュラルチーズとプロセスチーズを区別して確認できます。
売り場では、パッケージの一括表示欄などを探してみてください。
| パッケージの表示例 | 分類 |
|---|---|
| 種類別:ナチュラルチーズ | ナチュラルチーズ |
| 種類別ナチュラルチーズ | ナチュラルチーズ |
| 種類別:プロセスチーズ | プロセスチーズ |
| 種類別プロセスチーズ | プロセスチーズ |
たとえば、「モッツァレラ」「カマンベール」と大きく商品名が書かれていても、分類を確認したいときは商品名だけを見るのではなく、パッケージの裏面や側面にある表示を見て、「種類別:ナチュラルチーズ」と書かれていればナチュラルチーズと判断できます。
同じ考え方で、「種類別:プロセスチーズ」と表示されていればプロセスチーズです。
細かな原材料を読み解く前に、まず「種類別」を探すだけでも十分でしょう。買い物中に迷ったときは、商品名や見た目よりも種類別表示を確認するのが一番わかりやすい方法です。
スライス・6P・ベビーチーズだけでは判断しない

スライス、6P、ベビーといった名前や形だけを見て、ナチュラルチーズかプロセスチーズかを判断しない方がよいでしょう。
「スライスチーズはプロセスチーズ」「丸いチーズはナチュラルチーズ」のように、形によって分類が決まるわけではないからです。
スーパーでは、商品の使いやすさに合わせてさまざまな形のチーズが販売されています。
| 売り場で見かける呼び方・形 | 確認するときのポイント |
|---|---|
| スライスチーズ | 「種類別」を見る |
| とろけるスライス | 「種類別」を見る |
| 6Pタイプ | 「種類別」を見る |
| ベビータイプ | 「種類別」を見る |
| シュレッドタイプ | 「種類別」を見る |
| ブロックタイプ | 「種類別」を見る |
たとえば、スライスチーズ売り場には、商品によって原料や作り方が異なるものが並んでいます。「スライス」という言葉は形を表しているだけなので、チーズの分類そのものを意味するとは限りません。
「とろける」と書かれている商品についても同じです。「とろける=ナチュラルチーズ」「とろけない=プロセスチーズ」といった見分け方ではなく、パッケージの表示を確認する方が確実でしょう。
6Pタイプやベビータイプはプロセスチーズの商品をよく見かけますが、「6P」「ベビー」という呼び方そのものが食品表示上の分類ではありません。
売り場で迷ったときは、以下のような順番にすると選びやすくなります。
- 商品名を見る
- 形や用途を確認する
- 最後に「種類別」で分類を確かめる
「見た目は選ぶためのヒント、種類別は分類を確認するための表示」と分けて考えると、スーパーでチーズを探すときにも迷いにくいでしょう。
原材料表示は補助的に確認する

原材料名はチーズに何が使われているのかを知るために役立ちますが、ナチュラルチーズとプロセスチーズを見分けるときは補助的に使うのがおすすめです。
特に注意したいのが、プロセスチーズの原材料名に「ナチュラルチーズ」と書かれていることです。
プロセスチーズはナチュラルチーズを原料として作るため、「原材料名にナチュラルチーズと書いてある」→「この商品はナチュラルチーズ」とは判断できません。
たとえば、表示を見るときは次のように役割を分けるとわかりやすくなります。
| 表示する場所 | わかること |
|---|---|
| 種類別 | ナチュラルチーズかプロセスチーズか |
| 原材料名 | 商品に何が使われているか |
| 栄養成分表示 | エネルギーやたんぱく質、脂質、食塩相当量など |
| 保存方法 | どのような状態で保存するか |
消費者庁の「早わかり食品表示ガイド」では、加工食品の原材料名について、使用した原材料を重量の割合が高いものから順に表示することが示されています。
たとえば、プロセスチーズの商品では、原材料名に「ナチュラルチーズ」と表示されることがあります。商品によっては乳化剤なども確認できるでしょう。
ただし、「乳化剤が書かれているからプロセスチーズ」といった一つの原材料だけを使った見分け方もおすすめできません。商品ごとに配合や表示内容が異なるため、分類を知りたい場合は種類別表示を優先します。
消費者庁の食品表示に関する資料でも、プロセスチーズなどに使用できる乳化剤が示されていますが、原材料や添加物の有無だけで商品の良し悪しを判断する必要はありません。
スーパーでチーズを選ぶときは、「種類別で分類を確認し、原材料名で中身を確認する」という順番にするとスムーズです。
つまり、ナチュラルチーズとプロセスチーズを見分けるときに最も頼りになるのは種類別表示であり、原材料名は「どんな材料が使われている商品なのか」を詳しく知りたいときに見る、と覚えておくとよいでしょう。
ナチュラルチーズとプロセスチーズの料理での使い分け

ナチュラルチーズとプロセスチーズは、どちらが料理向きと決まっているわけではありません。加熱したときの溶け方や香りを楽しみたい料理なのか、扱いやすさを優先したいのか、そのまま食べるのかによって使い分けると選びやすくなります。
料理初心者の場合は、チーズの名前をたくさん覚えるよりも、「料理でどんな仕上がりにしたいか」から考えると迷いにくいでしょう。
| 使う場面 | 選び方のポイント | 向いているチーズの例 |
|---|---|---|
| ピザ | 伸び・焼き色・風味 | モッツァレラ、ピザ用チーズなど |
| グラタン | コク・溶け方・焼き色 | シュレッドチーズ、チェダー系など |
| トースト | 手軽さ・溶け方 | スライスチーズ、シュレッドチーズなど |
| サンドイッチ | 挟みやすさ・食べやすさ | スライスチーズなど |
| お弁当 | 形の崩れにくさ・扱いやすさ | 個包装タイプ、スライスタイプなど |
| そのまま・おつまみ | 好みの味・香り | カマンベール、チェダー、プロセスチーズなど |
- ピザ・グラタン・トーストは溶け方と風味で選ぶ
- サンドイッチやお弁当は扱いやすさで選ぶ
- そのまま食べる・おつまみは好みの味で選ぶ
ピザ・グラタン・トーストは溶け方と風味で選ぶ

ピザやグラタン、トーストに使うチーズは、ナチュラルチーズかプロセスチーズかだけで決めず、加熱したときにどんな仕上がりになる商品かを確認して選ぶのがおすすめです。
加熱料理では、チーズによって「よく伸びる」「コクが出る」「焼き色がつきやすい」「なめらかに溶ける」といった違いがあります。同じナチュラルチーズでも種類ごとに特徴が異なるため、分類だけでは完成した料理の食感まで判断できません。
料理ごとの選び方を簡単に整理すると、次のようになります。
| 料理 | 欲しい仕上がり | 選び方の例 |
|---|---|---|
| ピザ | とろけて伸びる | モッツァレラやピザ用シュレッドチーズ |
| グラタン | コクと焼き色 | チェダー系を含むシュレッドチーズなど |
| トースト | 手軽に溶ける | 加熱用のスライスチーズやシュレッドチーズ |
たとえば、自宅でピザを作るときに「お店のようにチーズを伸ばしたい」と考えるなら、モッツァレラを使うと仕上がりをイメージしやすくなります。
一方、朝食のトーストでは、毎回チーズを切ったり量ったりするより、パンにのせやすいスライスチーズの方が便利な場合もあるでしょう。短時間で作りたい朝ごはんでは、味の個性より扱いやすさを優先する考え方もあります。
グラタンでは、一種類だけにこだわる必要もありません。たとえば、溶けやすいチーズを基本にして、風味のあるチーズを少量加えると、使いやすさと味の両方を調整できます。
料理初心者の場合は、「ナチュラルチーズだから本格的」「プロセスチーズだから簡単」という分け方ではなく、伸び・コク・焼き色・使いやすさのうち、何を優先するかを考えると選びやすくなります。
シュレッドチーズとは、細長く削った状態で販売されているチーズです。「シュレッド」は形を表す言葉なので、ナチュラルチーズかプロセスチーズかを意味する分類名ではありません。
サンドイッチやお弁当は扱いやすさで選ぶ

サンドイッチやお弁当に使うなら、切りやすい、挟みやすい、量を調整しやすいといった扱いやすさを優先すると便利です。
サンドイッチやお弁当は、ピザのようにチーズの伸びを楽しむ料理ではありません。料理を作る途中で形が崩れにくく、食べるときにも扱いやすい商品を選ぶ方が使い勝手がよくなります。
特に便利なのが、次のようなタイプです。
- 食パンの大きさに合わせやすいスライスタイプ
- 一回分ずつ使いやすい個包装タイプ
- 好きな厚さに切れるブロックタイプ
たとえば、朝の忙しい時間にサンドイッチを作るなら、袋から出してそのまま挟めるスライスチーズは便利です。ハムやレタスと重ねても厚みを調整しやすく、毎回ほぼ同じ量を使えます。
一方、サンドイッチにチーズらしい香りやコクをしっかり出したい場合は、チェダーなどのナチュラルチーズを薄く切って使う方法もあります。
| 重視したいこと | 選び方 |
|---|---|
| 手早く作りたい | スライスタイプ |
| 一回分ずつ使いたい | 個包装タイプ |
| 味をしっかり出したい | 好みのナチュラルチーズを薄切り |
| 厚さを自分で決めたい | ブロックタイプ |
お弁当に入れる場合は、チーズの分類よりも、商品に書かれた保存方法を守ることが大切です。プロセスチーズであっても「常温で持ち歩いてよい」と一律には判断できないため、パッケージの表示に従ってください。
サンドイッチやお弁当では、味の違いより「朝に扱いやすいか」「食べるときに困らないか」を基準にすると、毎日の料理に取り入れやすくなります。
そのまま食べる・おつまみは好みの味で選ぶ

そのまま食べたり、おつまみにしたりする場合は、ナチュラルチーズかプロセスチーズかより、自分が好きな味・香り・食感を基準に選ぶのがおすすめです。
加熱料理とは違い、そのまま食べる場合はチーズ本来の味や香りを直接感じます。そのため、「クセが少ない方が好き」「濃いコクが欲しい」「やわらかい食感が好き」といった好みが選び方にそのまま反映されます。
たとえば、好みに合わせると次のように選べます。
| 好み | 選択肢の例 |
|---|---|
| クセが少なく食べやすい | モッツァレラ、マイルドなプロセスチーズ |
| クリーミーな味が好き | クリームチーズ、カマンベール |
| コクのある味が好き | チェダー、ゴーダ |
| 手軽に少しだけ食べたい | 個包装のプロセスチーズ |
| 香りの個性を楽しみたい | 熟成タイプのナチュラルチーズ |
たとえば、「普段はチーズをあまり食べないけれど、おつまみに少し試してみたい」という場合は、個包装されたプロセスチーズなら量を調整しやすく、気軽に取り入れられます。
一方、ワインやパンと一緒にチーズそのものの味を楽しみたい場合は、カマンベールやゴーダなど、種類ごとの個性がわかりやすいナチュラルチーズを選ぶ楽しみもあります。
ただし、おつまみにするからナチュラルチーズ、普段のおやつならプロセスチーズと決める必要はありません。そのまま食べる場面では「何の種類か」よりも、「どんな味を食べたいか」を優先すると失敗しにくいでしょう。
チーズ選びに慣れていない場合は、最初から香りの強いものを選ぶ必要もありません。食べ慣れたマイルドな味から試し、自分の好みがわかってから少しずつ種類を広げると選ぶ楽しさも増えていきます。
ナチュラルチーズとプロセスチーズはどっちを選ぶ?

ナチュラルチーズとプロセスチーズのどちらを選ぶか迷ったら、チーズらしい味や種類ごとの違いを楽しみたいのか、手軽さや使いやすさを重視したいのかで考えると選びやすくなります。
どちらか一方が優れているわけではありません。食べる場面や好みに合わせて選ぶことが大切です。
| 重視したいこと | 選びやすいチーズ |
|---|---|
| 種類ごとの味や香りを楽しみたい | ナチュラルチーズ |
| チーズを食べ比べてみたい | ナチュラルチーズ |
| 毎回食べ慣れた味を選びたい | プロセスチーズ |
| 個包装などの手軽さを重視したい | プロセスチーズ |
| 料理や食べ方に合わせて細かく選びたい | どちらも候補 |
- 味や種類ごとの個性を楽しみたいならナチュラルチーズ
- 手軽さや品質の安定性を重視するならプロセスチーズ
味や種類ごとの個性を楽しみたいならナチュラルチーズ

チーズそのものの味や香り、食感の違いを楽しみたい人には、ナチュラルチーズが向いています。
ナチュラルチーズは種類がとても多く、同じ「チーズ」でも特徴が大きく異なるからです。ミルク感のあるもの、クリーミーなもの、しっかりしたコクがあるものなど、種類を変えるだけで味わいも変わります。
たとえば、代表的なナチュラルチーズでも特徴はさまざまです。
| チーズの例 | 味や食感のイメージ |
|---|---|
| モッツァレラ | クセが比較的少なく、やさしい味 |
| クリームチーズ | なめらかでクリーミー |
| カマンベール | まろやかなコクと独特の風味 |
| ゴーダ | 比較的食べやすく、コクも感じやすい |
| チェダー | 濃厚な風味を楽しみやすい |
たとえば、「今日は少しあっさりしたチーズを食べたい」という場合と、「パンに合わせてコクのあるチーズを食べたい」という場合では、選ぶナチュラルチーズも変わります。
チーズに慣れてくると、同じ種類でも熟成期間や商品による違いを比べる楽しみも出てきます。ナチュラルチーズの魅力は、単に種類が多いだけでなく、自分の好みに合う味を探せることにあります。
一方で、ナチュラルチーズは種類が多いため、「名前を見ても味が想像できない」と感じることもあると思います。
最初から難しく考える必要はありません。まずは、以下のような好みから選ぶと、売り場でも探しやすくなります。
- クセが少ないものがいい
- クリーミーなものが好き
- コクがあるものを食べたい
- やわらかいチーズがいい
ナチュラルチーズは、「チーズそのものを楽しみたい」「いろいろな味を試してみたい」という人に向いた選択肢です。
ナチュラルチーズには多くの種類があるため、詳しい特徴まで知りたい場合は、種類ごとの違いを確認してから選ぶと失敗しにくくなります。
手軽さや品質の安定性を重視するならプロセスチーズ

毎日の食事に取り入れやすく、扱いやすいチーズを選びたい人には、プロセスチーズが向いています。
プロセスチーズはナチュラルチーズを加熱・乳化して作るため、商品として味や食感を整えやすいのが特徴です。個包装やスライスタイプなど、使いやすさを意識した商品も多く販売されています。
プロセスチーズを選びやすい場面を整理すると、次のようになります。
| 重視したいこと | プロセスチーズが便利な理由 |
|---|---|
| 朝食に手早く使いたい | スライスタイプなどを選びやすい |
| 少量ずつ食べたい | 個包装の商品が多い |
| 家族で食べたい | 比較的食べ慣れた味の商品を選びやすい |
| 毎回同じような味を楽しみたい | 商品ごとの味が安定しやすい |
| 料理に手軽に加えたい | 切る手間が少ない商品もある |
たとえば、朝食のトーストに毎日チーズをのせる家庭では、1枚ずつ取り出せるスライスタイプが便利です。
「夕食までに少し小腹がすいたからチーズを1個だけ食べたい」という場合も、個包装された商品なら量を調整しやすいでしょう。
プロセスチーズの「品質が安定しやすい」という特徴は、どの商品も同じ味という意味ではありません。メーカーや商品ごとに味や食感は異なりますが、同じ商品なら毎回同じような味わいになるように作りやすいという意味です。
一方で、チーズごとの熟成感や香りの違いを細かく楽しみたい場合は、ナチュラルチーズの方が選択肢を広げやすくなります。
そのため、プロセスチーズは「ナチュラルチーズより簡単なチーズ」と考えるより、日常的な食べやすさや扱いやすさを重視して作られた選択肢のひとつと考えるとわかりやすいでしょう。
毎日の食事に気軽に取り入れたい場合や、味の安定感を重視したい場合は、プロセスチーズから選ぶと使いやすくなります。
ナチュラルチーズとプロセスチーズのよくある疑問

ナチュラルチーズとプロセスチーズは、商品名や形だけでは分類がわかりにくいことがあります。ここでは、スーパーでよく見かけるチーズについて、迷いやすいポイントを簡単にまとめます。
どちらの場合もあります。「とろける」という名前だけでは判断できないため、パッケージの「種類別」を確認しましょう。
プロセスチーズの商品が多くありますが、形や商品名だけでは断定できません。「種類別:プロセスチーズ」などの表示で確認するのが確実です。
一般的なクリームチーズやカマンベールはナチュラルチーズに分類されます。商品を購入するときは、念のため種類別表示も確認すると安心です。
いいえ。カマンベールのように熟成させるタイプもあれば、モッツァレラやクリームチーズのように熟成させないタイプもあります。
プロセスチーズだから体に悪いとは一概にいえません。栄養成分はチーズの種類や商品によって異なるため、エネルギーや脂質、食塩相当量などを栄養成分表示で確認して選びましょう。
ナチュラルチーズとプロセスチーズの違い:まとめ

この記事では、ナチュラルチーズとプロセスチーズの違いについて、作り方や味、食感、保存性、栄養、料理での使い分けまでわかりやすく解説しました。
ナチュラルチーズとプロセスチーズは、どちらも身近なチーズですが、一番大きな違いは作り方です。ナチュラルチーズは乳などを固めて作り、プロセスチーズはナチュラルチーズを原料にして、加熱・乳化して作られます。
特に覚えておきたいポイントは、次のとおりです。
- ナチュラルチーズは、熟成するタイプと熟成しないタイプがある
- プロセスチーズは、ナチュラルチーズを加熱して溶かし、乳化して作る
- 味や香りの幅を楽しみたい場合は、ナチュラルチーズが選びやすい
- 手軽さや品質の安定性を重視する場合は、プロセスチーズが使いやすい
- 「スライス」「6P」「ベビー」といった形や商品名だけでは分類できない
- スーパーでは、パッケージの「種類別」を見ると見分けやすい
- 栄養やカロリーは種類や商品によって異なり、分類だけで健康上の優劣は決められない
料理で使う場合も、「ナチュラルチーズだから料理向き」「プロセスチーズだからそのまま食べるもの」と決めつける必要はありません。
ピザやグラタンなら溶け方や風味、サンドイッチやお弁当なら扱いやすさ、そのまま食べるなら好みの味や香りを基準に選ぶと失敗しにくくなります。
また、「とろけるチーズ=必ずナチュラルチーズ」「スライスチーズ=必ずプロセスチーズ」とは限りません。迷ったときは、見た目ではなくパッケージにある「種類別:ナチュラルチーズ」「種類別:プロセスチーズ」の表示を確認しましょう。
ナチュラルチーズとプロセスチーズには、それぞれ違った良さがあります。どちらが上という考え方ではなく、味の好みや料理、使いやすさに合わせて選ぶことが大切です。
違いがわかると、スーパーのチーズ売り場でも「今日は料理に使うからこちら」「そのまま楽しみたいからこちら」と、自分に合った商品を選びやすくなります。

