トマトピューレとトマトペーストはどう違う?料理に合う使い分けと代用方法
「トマトピューレ」と「トマトペースト」どちらもトマトが凝縮された真っ赤な姿をしていますが、トマトピューレとトマトペーストの違いがわからず「どっちを買えばいいの?」「片方で代わりはできないの?」と迷ってしまうものです。
見た目が似ているからといって、適当に選んでしまうのは少しもったいないです。トマトピューレとトマトペーストは、トマトの「濃さ」や「役割」が全く異なり、使い分け一つで料理の完成度がプロの味に近づくかどうかが変わります。
料理初心者の方が抱きがちな以下のような疑問をスッキリと解決します。
- トマトピューレとトマトペーストは何がどう違うの?
- ピューレとペースト、どっちが味が濃いの?
- それぞれの特徴を活かした使い道が知りたい!
- レシピに書いてある方が手元にない時、もう片方で代用しても大丈夫?
- 一度に使い切れないけれど、余った分はどうやって保存すればいい?
「なんとなく赤ければ同じだろう」と思っていた方も、この記事を読み終える頃には、自信を持って使い分けができるようになります。
トマトピューレとトマトペーストは何が違う?まずは早見表で比較

トマトピューレとトマトペーストは、どちらもトマトをなめらかにして濃くした加工品です。大きな違いは、トマトの濃さと水分の多さにあります。
トマトピューレはやわらかく、ソースやスープなど料理全体に混ぜやすいのが特徴です。一方、トマトペーストはさらに濃く、少量でもトマトの味をしっかり加えやすくなっています。
まずは、違いを簡単に比べてみましょう。
| 比較するポイント | トマトピューレ | トマトペースト |
|---|---|---|
| トマトの濃さ | ペーストより控えめ | ピューレより濃い |
| 見た目・かたさ | なめらかでややゆるい | ねっとりしてかため |
| 使い方 | 料理全体に混ぜやすい | 少量ずつ加えやすい |
| 使う量のイメージ | ある程度まとまった量を使う | 少量でもトマト感を出しやすい |
| JASでの分け方 | トマトの成分が8%以上24%未満 | トマトの成分が24%以上 |
簡単にいうと、トマトピューレは料理全体にトマトの風味を広げたいとき、トマトペーストは少量でコクを足したいときに向いています。

ここからは、次の3つに分けて違いを確認していきます。
- トマトピューレが料理のベースに使いやすい理由
- トマトペーストが少量でも使いやすい理由
- JASでは何を基準にピューレとペーストを分けているのか
名前や見た目が似ていても、特徴を知っておけば、スーパーで商品を選ぶときにも迷いにくくなります。
トマトピューレはなめらかで料理のベースに使いやすい

トマトピューレは、トマトの皮や種などを取り除いてなめらかにし、水分を少し減らして濃くしたものです。トマトペーストほどかたくないため、ソースやスープなどに混ぜやすく、料理全体にトマトの味を広げたいときに向いています。
たとえば、カゴメのトマトピューレーは完熟トマトを裏ごしして約3倍に濃くした商品で、ミートソースやスープなどに使われています。ただし、「約3倍」は商品の一例で、すべてのトマトピューレが同じ濃さというわけではありません。
たとえばミートソースを作るとき、生のトマトを使うと水分を飛ばすまでに時間がかかります。トマトピューレなら最初からある程度濃くなっているため、トマトの味をソース全体になじませやすくなります。
スーパーで選ぶときは、「トマトを料理全体にしっかり使いたい」と考えているなら、まずトマトピューレを候補にすると選びやすいでしょう。
トマトペーストは濃厚で少量ずつ使いやすい

トマトペーストは、トマトピューレよりもさらに水分を減らして濃くしたものです。そのため、少ない量でもトマトの味をしっかり加えやすく、ねっとりとかための商品が多くなっています。
カゴメの商品では、トマトペーストを生のトマトに比べて約7倍まで濃くしており、シチューやカレーなどに少量加える使い方が紹介されています。こちらも「約7倍」は商品の一例で、すべてのトマトペーストが同じ濃さとは限りません。
使い方のイメージを簡単にすると、次のようになります。
- トマトピューレ:料理全体に混ぜて使いやすい
- トマトペースト:少しずつ足して味を調整しやすい
なるほどポイント:トマトペーストは「ピューレを少しかためにしたもの」というより、さらに水分を減らしてギュッと濃くしたものと考えるとわかりやすくなります。
そのため、レシピに「トマトペースト大さじ1」と書かれていても、量が少なすぎるわけではありません。少量でもトマトの味を加えやすいからです。
カレーや煮込み料理を作っていて「もう少しトマトの味を足したい」というときにも使いやすいでしょう。料理に水分を増やしたくないときにも便利です。
JASでは「トマトの濃さ」でピューレとペーストが分けられている

トマトピューレとトマトペーストは、メーカーが見た目だけで名前を付けているわけではありません。JAS(日本農林規格)では、トマトの成分がどのくらい濃く含まれているかを基準に分けています。
農林水産省の「トマト加工品の日本農林規格」では、トマトピューレーは「無塩可溶性固形分」が8%以上24%未満、トマトペーストは24%以上とされています。
| JAS上の区分 | トマトの濃さの目安 |
|---|---|
| トマトピューレー | 8%以上24%未満 |
| トマトペースト | 24%以上 |
「無塩可溶性固形分」は少し難しい言葉ですが、簡単にいうと、塩分を除いたトマトの成分がどのくらい濃く含まれているかを表す数字です。数字が大きいほど、水分が少なくトマトの成分が濃いと考えるとわかりやすいでしょう。
なるほどポイント:よく見かける「ピューレは約3倍濃縮」「ペーストは約6~7倍濃縮」という数字は、JASで決められた基準そのものではありません。
JASでは「何倍まで煮詰めたか」ではなく、トマトの成分がどれくらい濃いかでピューレとペーストを分けています。
細かな数字を覚える必要はありません。家庭で使うなら、「ピューレよりペーストのほうが水分が少なく、トマトの味が濃い」と覚えておけば十分です。
どっちを使えばいい?トマトピューレとトマトペーストの料理別使い分け

トマトピューレとトマトペーストのどちらを使うか迷ったら、「トマトを料理のベースにしたいのか」「少量だけ加えたいのか」で考えると選びやすくなります。
トマトピューレはソースやスープなどに広げて使いやすく、トマトペーストは少量でも存在感を出しやすいのが特徴です。料理名だけで決めるより、作りたい仕上がりを考えるのがポイントになります。
この見出しでは、次のような使い分けを見ていきましょう。
- パスタソースやスープなど、料理のベースにするならトマトピューレ
- カレーやシチューに少量加えるならトマトペースト
- 料理の水分を増やしたくないときはトマトペースト
- 迷ったときは「使う量」と「料理の水分」で判断する
同じ料理でも作り方によって向いているものは変わります。「この料理には必ずこちら」と覚えるより、使い分けの考え方を知っておくと応用しやすくなります。
パスタソースやスープなど、トマトを料理のベースにしたいならピューレ

トマトの味を料理全体に広げたいときは、トマトピューレが使いやすいでしょう。ペーストよりも料理になじませやすいため、ある程度まとまった量を加えてソースやスープの土台にする使い方に向いています。
たとえばトマト味のパスタソースなら、玉ねぎやひき肉を炒めたあとにピューレを加えると、鍋全体へトマトをなじませやすくなります。スープや煮込み料理でも同じように、トマト味を料理の中心にしたいときに便利です。
使い方をイメージすると、次のような料理があります。
| 料理 | トマトピューレが使いやすい理由 |
|---|---|
| パスタソース | ソース全体にトマトをなじませやすい |
| ミートソース | ひき肉や野菜と混ぜ合わせやすい |
| トマトスープ | スープ全体にトマト味を広げやすい |
| 煮込み料理 | 具材を包むようなソースのベースにしやすい |
なるほどポイント:「トマト料理だからピューレを使う」のではなく、トマトを料理全体の土台にしたいときにピューレが便利と考えると使い分けやすくなります。たとえばカレーでも、トマトをたっぷり利かせたい作り方ならピューレを使うことがあります。
スーパーで選ぶときも、「今日はトマトソースを作るから、ある程度の量を使いたい」と考えれば判断しやすくなります。料理全体をトマト味に仕上げたいときは、トマトピューレから検討するとよいでしょう。
カレーやシチューなど、少量でトマト感を足したいならペースト

いつもの料理へ少しだけトマトの風味を加えたいときは、トマトペーストが便利です。濃縮されているため、料理全体をトマト味に変えなくても、少量ずつ加えて味を調整できます。
たとえばカレーを作っていて「何となく味に深みが足りない」と感じたとき、トマトペーストを少し加える方法があります。シチューや煮込み料理でも、最初から大量に入れる必要がなく、味を見ながら加えられるのが使いやすいところです。
家庭で使いやすい場面には、次のようなものがあります。
- カレーに少量加えてトマトの風味をプラスしたい
- ビーフシチューなどの煮込み料理に使いたい
- ミートソースの味をもう少し濃くしたい
- 炒め物や煮込みに少しだけトマト味を足したい
なるほどポイント:トマトペーストは「ペーストだけでトマト料理を作るもの」と考える必要はありません。いつもの料理へ少量を足して味を調整する調味料に近い感覚で使えるのも、家庭では便利なところです。
初めて使うときは、一度にたくさん入れるより少量から加え、味を見ながら調整すると失敗しにくくなります。レシピに使用量が書かれている場合は、まずその分量を目安にしてください。
水分を増やしたくない料理にはトマトペーストが便利

料理の味はちょうどよいのに、「もう少しトマトの風味だけ足したい」という場面ではトマトペーストが役立ちます。水分が少ないため、料理を必要以上にゆるくしにくいからです。
たとえば煮込み料理の仕上げにトマトピューレを多く加えると、その分だけ水分も増えます。もう一度煮詰めれば調整できますが、時間がかかり、ほかの具材が煮崩れることもあります。
料理中にこんな状態になったら、トマトペーストを選ぶ目安になります。
- ソースのとろみはちょうどよい
- カレーや煮込みをこれ以上ゆるくしたくない
- 長時間煮詰める時間がない
- トマトの風味だけ少し強めたい
なるほどポイント:トマトピューレとペーストの使い分けは、味だけでなく水分量まで考えると分かりやすくなります。「トマトを足したい=ピューレ」と考えるのではなく、鍋の状態を見て選ぶのがコツです。
とくに料理初心者は、調味料を足すときに味だけを気にしがちですが、水分が変わるとソースのからみ方や煮込み具合も変わります。すでに好みの濃さに仕上がっている料理なら、少量のトマトペーストから調整すると扱いやすいでしょう。
迷ったら「使う量」と「料理の水分」で選ぶ

トマトピューレとトマトペーストのどちらを買えばよいか迷ったときは、料理名を覚えるよりも、「どのくらい使うか」「水分をどのくらい加えたいか」の2つで考えると判断しやすくなります。
料理のベースとしてある程度の量を使いたいならピューレ、少量を加えて調整したいならペーストがひとつの目安です。ただし、レシピで種類が指定されている場合は、まず指定されたものを使うほうが仕上がりを再現しやすくなります。
迷ったときは、次の表を目安にしてください。
| こんなとき | 選びやすいもの |
|---|---|
| トマトを料理のベースにしたい | トマトピューレ |
| ある程度まとまった量を使いたい | トマトピューレ |
| 少量だけ加えたい | トマトペースト |
| 水分をあまり増やしたくない | トマトペースト |
| 味を見ながら少しずつ調整したい | トマトペースト |
なるほどポイント:同じミートソースでも、最初からトマトをたっぷり使って作るならピューレ、最後に「もう少しトマト感が欲しい」と調整するならペーストという使い分けができます。料理名ではなく、料理の中でどんな役割を持たせたいかを見るのがポイントです。
スーパーで商品を選ぶときも、「何を作るか」だけでなく「たっぷり使うか、少しだけ使うか」まで考えてみてください。使い方をイメージしてから選ぶと、買ったあとに使い切れず困ることも減らしやすくなります。
トマトピューレとトマトペーストは代用できる?

トマトピューレとトマトペーストは濃さや水分量が違いますが、料理に合わせて水分を調整すれば代用できる場合があります。「片方がないから料理をあきらめる」というほど、まったく別の食品ではありません。
ただし、同じ量をそのまま入れ替えると、料理が濃くなったり、反対に水っぽくなったりすることがあります。代用するときは、次のポイントを押さえておきましょう。
- ペーストをピューレ代わりにするときは、水でのばして濃さを調整する
- ピューレをペースト代わりにするときは、料理全体の水分を増やしすぎない
- 代用後は味やとろみを確認しながら仕上げる
きっちり同じ状態にすることより、鍋の中の濃さや水分を見ながら調整することが、家庭料理では失敗しにくい方法です。
トマトペーストをピューレの代わりにするなら水でのばす

トマトペーストしかない場合は、水でのばすとトマトピューレに近い状態で使えます。ペーストはピューレより濃縮され、水分が少ないため、そのまま同量を入れるとトマトの味が濃くなりすぎることがあるからです。
ひとつの目安として、トマトペースト大さじ1に対して水大さじ1程度からのばしてみる方法があります。
代用するときは、次のように進めると調整しやすくなります。
- トマトペーストを器に入れる
- 同量程度の水を少しずつ加える
- スプーンなどでよく混ぜる
- 料理に加え、濃ければさらに少量の水で調整する
なるほどポイント:「ペースト1に対して水1」は、どの商品にも必ず当てはまる決まりではありません。トマトペーストは商品によって濃さが異なるため、最初から大量の水を入れず、少しずつのばすほうが調整しやすいと覚えておきましょう。
たとえばレシピにトマトピューレ大さじ2と書かれていて、家にペーストしかない場合は、ペーストを水でのばして近い濃さにしてから使うと失敗しにくくなります。料理に入れたあとは、味ととろみを確認しながら仕上げてください。
トマトピューレをペーストの代わりにするなら水分量に注意

反対に、トマトピューレをペーストの代わりに使うこともできます。ただしピューレはペーストより水分が多いため、同じ量を入れただけではトマトの濃さが足りず、量を増やすと料理がゆるくなりやすい点に注意が必要です。
たとえば煮込み料理にトマトペーストを少量加えるレシピで、代わりにピューレを多めに入れると、ソースの水分まで増えてしまいます。そんなときはピューレだけを増やすのではなく、料理に加える水やスープを少し控えたり、必要に応じて煮詰めたりすると調整しやすくなります。
判断するときは、鍋の状態を見ながら次のように考えてみてください。
| 料理の状態 | 調整の考え方 |
|---|---|
| まだ水分が少ない | ピューレを加えて調整しやすい |
| すでに水分が多い | ほかの水分を控える |
| ソースがゆるくなった | 様子を見ながら煮詰める |
| トマト感が弱い | 少量ずつ追加して味を見る |
なるほどポイント:ピューレをペーストの代わりにするときは、「何倍入れればよいか」だけで考えないことが大切です。ピューレを増やせばトマトの量だけでなく水分も増えるため、料理全体を見ながら調整する必要があります。
料理初心者の場合は、一度に必要量を決めようとせず、まず少なめに加えてみてください。味を見ながら足していけば、「入れすぎて水っぽくなった」という失敗を防ぎやすくなります。
代用できても味や仕上がりはまったく同じにはならない

トマトピューレとトマトペーストは代用できますが、元のレシピとまったく同じ味や仕上がりになるとは限りません。 濃縮の度合いや水分量が異なるため、とろみやトマトの感じ方にも差が出るからです。
たとえばペーストを水でのばせばピューレに近い濃さにはできますが、「水を足せば完全に同じものになる」というわけではありません。反対に、ピューレを煮詰めても、市販のトマトペーストと必ず同じ状態になるわけではない点も覚えておきましょう。
代用したときに確認したいポイントは、次の3つです。
- トマトの味が濃すぎたり薄すぎたりしていないか
- ソースやスープの水分量がちょうどよいか
- 塩などの調味料を加える前に、全体の味が整っているか
なるほどポイント:代用で大切なのは、「元の食材と同じ量にすること」ではなく「元の料理に近い状態へ調整すること」です。レシピの数字だけを見るより、鍋の中のとろみや味を確認するほうが上手に仕上げやすくなります。
トマトピューレとトマトペーストの片方しかなくても、煮込み料理やソースなど調整しやすい料理なら代用できる場合があります。最初は少なめに加え、味と水分を確認しながら仕上げるのが安心です。
トマト缶やケチャップとは何が違う?

トマトピューレやトマトペーストと同じ売り場に並ぶことが多いトマト缶やケチャップですが、同じものではありません。一般的なトマト缶は果肉を生かして使う食品、ケチャップはあらかじめ味付けされた調味料という違いがあります。
「どれもトマトが原料だから同じように使える」と考えると、料理の食感や味付けが変わることも。まずは次の2つの違いを押さえておくと、スーパーでも選びやすくなります。
- トマト缶は果肉が残っており、ピューレとは食感や水分量が違う
- ケチャップは食酢や砂糖類などで味付けされている
それぞれの特徴を知っておけば、「レシピに書いてある商品が家にない」という場面でも、仕上がりの違いを想像しやすくなります。
トマト缶は果肉や水分が多く、ピューレとは食感も使い方も違う

一般的なホールトマト缶やカットトマト缶は、トマトの果肉を残したまま使えるのが大きな特徴です。一方、トマトピューレはトマトを裏ごしするなどしてなめらかにしたうえで濃縮されているため、口当たりや料理へのなじみ方が異なります。
たとえばカットトマト缶を鍋に入れると、小さな果肉が目に見えて残ります。トマトピューレなら最初からなめらかなので、「トマトの形を残したいのか、ソースのようになじませたいのか」で選ぶとわかりやすいでしょう。
違いを簡単に整理すると、次のようになります。
| 比較するポイント | 一般的なトマト缶 | トマトピューレ |
|---|---|---|
| トマトの状態 | ホールやカットなど果肉が残る | 裏ごしなどでなめらか |
| 食感 | 果肉感を残しやすい | 均一になじみやすい |
| 水分 | 果汁や充填液を含む商品が多い | 濃縮されている |
| 向いている使い方 | 果肉を生かした煮込みなど | なめらかなソースやスープなど |
農林水産省のJASでは、「固形トマト」を、ほぼ原形のトマトや立方形などに切ったトマトに充填液を加えたり、そのまま加熱殺菌したものと定めています。つまり、トマト缶の代表的な商品は、裏ごししてなめらかにしたピューレとは作られ方も状態も異なります。
なるほどポイント:「トマト缶=トマトピューレを缶に入れたもの」ではありません。缶は容器の名前なので、中身がホールなのかカットなのか、ピューレなのかを商品名や原材料表示で確認することが大切です。
たとえばミートソースを作るとき、ゴロッとしたトマト感を残したいならトマト缶、最初からなめらかなソースにしたいならピューレという考え方ができます。スーパーでは「缶かどうか」だけでなく、中身の状態まで確認すると選び間違いを減らせます。
ケチャップは味付けされた調味料なので同じものではない

トマトケチャップは、トマトピューレやトマトペーストとは違い、そのまま料理の味付けに使いやすいよう調味された食品です。そのため、ケチャップをピューレやペーストと同じ感覚で大量に置き換えると、甘さや酸味、塩味が強くなることがあります。
農林水産省の「トマト加工品の日本農林規格」では、トマトケチャップは濃縮トマトに食塩、香辛料、食酢、砂糖類、たまねぎまたはにんにくを加えて調味したものなどと定められています。ピューレやペーストとは、そもそもの役割が異なる食品だと考えるとわかりやすいでしょう。
違いの中心は「濃さ」だけではなく、味付けの有無です。
| 比較するポイント | トマトピューレ・ペースト | トマトケチャップ |
|---|---|---|
| 主な役割 | トマトの風味や濃さを料理に加える | 調味料として味を付ける |
| 味付け | 商品によって異なる | 食酢・砂糖類・食塩・香辛料などを使用 |
| 甘みや酸味 | 商品によって異なる | 調味された味がついている |
| 使うときの注意 | 料理に合わせて味付けする | ほかの調味料とのバランスを見る |
なるほどポイント:トマトピューレやペーストにも商品によって食塩や香辛料などが使われる場合があるため、「ピューレやペーストは必ず無味、ケチャップだけが味付き」と覚えるのは正確ではありません。 JASでもピューレやペーストには、トマト本来の香味を変えない程度の食塩や香辛料などを加えたものが含まれます。
スーパーで迷ったら、商品名だけではなく原材料表示を見る習慣をつけると安心です。ケチャップを代わりに使う場合は、砂糖や塩などをいつも通り加える前に一度味を確認すると、甘すぎたり濃すぎたりする失敗を防ぎやすくなります。
トマトそのものを料理に生かしたいならピューレやペースト、甘みや酸味を含めて味付けしたいならケチャップ、と考えると使い分けやすいでしょう。
余らせないための選び方と開封後の保存方法

トマトピューレやトマトペーストは、1回に使う量を考えて容器や容量を選ぶと余らせにくくなります。 とくにトマトペーストは少量だけ使うことも多いため、家庭での使用頻度に合った商品を選ぶことが大切です。
開封後は、未開封のときと同じようには保存できません。商品によって保存方法や使い切る目安が異なるため、パッケージに書かれた注意事項を確認しましょう。
この見出しでは、次の2点を中心に紹介します。
- 少量ずつ使う家庭に向いている商品の選び方
- 開封後に確認したい保存方法と期限の考え方
「大容量のほうがお得」と価格だけで選ぶのではなく、使い切れる量かどうかまで考えると、結果的に無駄を減らしやすくなります。
少量ずつ使うならチューブや小分けタイプが便利

トマトペーストをカレーや煮込みなどに少量ずつ使う家庭では、チューブや小分けされた商品を選ぶと使い切りやすくなります。 大きな容器を開けるたびに残りを保存する必要がなく、必要な分だけ取り出しやすいからです。
たとえば、「カレーに少しだけ入れて、次に使うのは数週間後」という家庭なら、大容量の商品より小分けタイプのほうが扱いやすいことがあります。反対に、トマトソースなどを頻繁に作り、一度にまとまった量を使う家庭なら、瓶や大きめのパックを選んだほうが便利な場合もあるでしょう。
購入するときは、価格だけでなく普段の使い方も合わせて考えてみてください。
| 普段の使い方 | 選びやすいタイプ |
|---|---|
| 料理に少量ずつ使う | チューブ・小分けタイプ |
| 使用する回数が少ない | 1回で使い切りやすい少容量 |
| トマト料理をよく作る | 瓶・パックなど容量が多いタイプ |
| 一度にたっぷり使う | 用途に合った大容量タイプ |
なるほどポイント:大容量の商品は1gあたりの価格が安いことがありますが、使い切れずに処分してしまえば、必ずしもお得とはいえません。 「安いかどうか」ではなく、「開封後に使い切れるか」で選ぶのも大切なポイントです。
スーパーでは、作る予定の料理だけでなく「残った分をいつ使うか」まで想像してみましょう。とくに初めてトマトペーストを買う場合は、少容量や小分けタイプから試すと使うペースをつかみやすくなります。
開封後はパッケージの表示を確認して早めに使い切る

トマトピューレやトマトペーストを開封したら、パッケージに書かれた保存方法に従い、早めに使い切ることが基本です。賞味期限は、表示された方法で保存した未開封の商品を前提としているため、開封後まで同じ期限が保証されているわけではありません。
消費者庁の「食品表示基準Q&A」でも、消費期限や賞味期限は開封前の状態を前提としており、開封後の品質保持を保証するものではないと説明されています。 消費者庁「食品表示基準Q&A」
開封後に確認したいポイントを整理すると、次のようになります。
- 「開封後要冷蔵」などの表示がないか確認する
- 開封日を書いておくと、いつ開けたか分かりやすい
- 清潔なスプーンなどを使って取り出す
- メーカーが開封後の使用期限を案内している場合は、その目安に従う
たとえばカゴメでは、自社のトマトピューレーとトマトペーストについて、パウチ開封後に残った場合は別の容器へ移して冷蔵し、2日以内に使うよう案内しています。また、冷凍する場合は1か月以内が目安とされています。これはカゴメ商品の例であり、すべての商品に共通する保存期間ではありません。 カゴメ「トマトペースト、トマトピューレーは、開封後どのくらい保存できますか?」
なるほどポイント:パッケージに書かれている「賞味期限がまだ先だから大丈夫」と考えるのは、開封後には当てはまりません。賞味期限は基本的に未開封の場合の目安なので、開封した時点から商品の表示やメーカーの案内を確認し直すことが大切です。
保存期間を自己判断で一律に決めるより、「冷蔵が必要か」「何日以内と案内されているか」を商品ごとに確認するほうが安心です。使い切れそうにない場合は、冷凍保存が可能かどうかもパッケージやメーカーサイトで確認してみてください。
トマトピューレとトマトペーストの違いについてよくある疑問

トマトピューレやトマトペーストは、トマトソースと見た目が似ていたり、味付けされているか分かりにくかったりすることがあります。ここでは、間違えやすいポイントを簡単に整理します。
同じものではありません。トマトピューレはトマトを裏ごしして濃縮したものが基本ですが、トマトソースは商品によって塩や香辛料、野菜などを加えて味付けされている場合があります。
商品によって異なります。食塩や香辛料などが加えられている場合もあるため、「必ず無塩・無味」と思わず、購入するときに原材料表示を確認すると安心です。
トマトピューレとトマトペーストの違いと使い分け:まとめ

この記事では、トマトピューレとトマトペーストの違いについて、濃縮度や使い方、代用するときのポイントまでわかりやすく紹介しました。
どちらもトマトを加工した食品ですが、使いやすい場面は少し異なります。トマトピューレは料理全体にトマトの味を広げたいとき、トマトペーストは少量でトマト感を加えたいときに便利です。
特に覚えておきたいポイントをまとめると、次のようになります。
- トマトピューレは比較的なめらかで、ソースやスープなど料理のベースに使いやすい
- トマトペーストはピューレより濃縮度が高く、少量ずつ加えやすい
- JASでは、濃縮の度合いを示す「無塩可溶性固形分」を基準にピューレとペーストが区分されている
- パスタソースやスープなど、トマトを料理全体に使いたい場合はピューレが便利
- カレーやシチューなどに少量加えたり、水分を増やしたくなかったりする場合はペーストが使いやすい
- ペーストをピューレ代わりにするときは水でのばし、ピューレをペースト代わりにするときは料理の水分量に注意する
- 代用はできる場合があるものの、味やとろみまで完全に同じ仕上がりになるとは限らない
- トマト缶は果肉や水分が多く、ケチャップは味付けされた調味料なので、それぞれ役割が異なる
- 開封後は賞味期限だけで判断せず、パッケージに書かれた保存方法を確認して早めに使い切る
スーパーでどちらを買うか迷ったら、「トマトを料理のベースにしたいならピューレ」「少量で味を調整したいならペースト」と考えると選びやすくなります。
料理名だけで使い分けを覚える必要はありません。使う量や料理の水分、仕上げたい味を見ながら選べるようになると、トマトピューレもトマトペーストも毎日の料理に取り入れやすくなります。


なるほどポイント:トマトピューレは「生のトマトをそのまま液体にしたもの」ではありません。あらかじめ水分を減らして濃くしてあるため、生のトマトから煮詰めるよりも手軽に料理へ使えます。