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カツオとマグロの違いをわかりやすく紹介!見た目・味・食感の比較

カツオとマグロの違いをわかりやすく紹介!見た目・味・食感の比較
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カツオとマグロ、何が違うの?」見た目は似ていても、味、食感、旬、価格は、はっきり違います。

この記事では、カツオとマグロの違いをやさしく整理しているので、カツオとマグロの違いがわからない人でもすぐに見分けられるようになります。

カツオとマグロの基本情報

カツオとマグロの基本情報

「カツオ」と「マグロ」の違いがよくわからない人のために、ここでは「カツオ」と「マグロ」の基本的な特徴を整理し、買い物や献立で迷わないように役立つ情報を紹介します。名前や種類、旬の時期や味の傾向を大まかに知っておくと、このあとに書かれた内容がわかりやすくなります。

日本で消費されているカツオとマグロの種類

カツオは数種いますが、日本で一般的に流通するのは主にカツオ(鰹)と言われる1種類で、季節によって味や脂の乗り方が変わります。

一方でマグロは複数の種類が市場に出回り、それぞれ味わい・脂の量・価格・用途に違いがあります。

カツオの種類と基本情報

カツオの種類と基本情報

カツオ科にはスマガツオやマルソウダガツオ、ヒラソウダガツオといった仲間も存在しますが、日本の食卓に並ぶカツオは基本的に「カツオ」という種類で、春から初夏の「初ガツオ」、秋の「戻りガツオ」と呼び分けられます。

種類旬の目安風味・特徴価格帯
カツオ(鰹)初ガツオ:春〜初夏
戻りガツオ:秋
初ガツオはさっぱり、戻りガツオは脂が多い中程度
スマガツオ夏〜秋に出回ることが多い小型で旨みが強いが鮮度落ちが早い中程度
マルソウダガツオ夏〜秋に多い身色が濃く血合いが多くクセがやや強い安価
ヒラソウダガツオ秋に多い脂がやや多く食べやすい安価〜中程度
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マグロの種類と基本情報

マグロの種類と基本情報

マグロはクロマグロ(本マグロ)、ミナミマグロ(インドマグロ)、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンナガなど複数の種類があり、寿司や刺身、ツナ缶など目的に合わせて使い分けられています。

種類旬の目安風味・特徴価格帯
クロマグロ
(本マグロ)
冬に脂が乗りやすい濃い旨みと強いコク高価
ミナミマグロ
(インドマグロ)
冬〜春に脂が乗りやすいまろやかで上品高価
メバチマグロ通年流通が多いしっかり赤した身中程度
キハダマグロ夏に出回わることが多いさっぱりした味わい比較的安価
ビンナガ春と秋に出回わることが多いやわらかな食感安価
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カツオとマグロの共通点

カツオとマグロの共通点は「広い海を回遊する赤身魚であること「生でおいしく食べられること」「鮮度と温度管理がとても大事であること」の三つです。

  • 広い海を回遊する赤身魚であること
  • 生でおいしく食べられること
  • 鮮度と温度管理がとても大事であること

カツオもマグロも海を大きく移動して生活する赤身魚で、身の色が赤いのは筋肉に酸素を運ぶ色素(ミオグロビン)が多いからです。この特徴が刺身としての旨みにもつながります。また、刺身や寿司、タタキ、など、生でも加熱してもおいしく食べられる共通点があります。

魚体の見た目でわかる!カツオとマグロの見分け方

魚体の見た目でわかる!カツオとマグロの見分け方

カツオとマグロの見分け方はむずかしく感じますが、体の模様やヒレの色、体つきに注目すると見分けることができます。ここではまず「どこを見ると違いがわかりやすいか」を整理してから、具体例としてカツオとクロマグロを比べます。

背びれ・小離鰭(しょうりき)の色や腹部模様で識別するポイント

背びれ・小離鰭(しょうりき)の色や腹部模様で識別するポイント

普段「カツオ」と呼ばれるカツオと高級マグロの代表であるクロマグロ(本マグロ)を比べてみましょう。

カツオとマグロを見分けるには、ヒレの色と腹部の模様に注目することがポイントです。特に小離鰭(しょうりき、三日月形の小さな突起)の色合い、およびお腹の模様に大きな違いが見られます。

小離鰭(しょうりき)は、マグロやカツオなどの魚の背びれや腹びれの後ろに並んでいる三日月形の小さな突起のことです

  • ヒレの色
    カツオの背びれ・腹びれは黒っぽい一色ですが、マグロの同じヒレには先端や三日月形の小さな突起(小離鰭(しょうりき)、フィンレット)に黄色味がかった部分が見られます。
  • 腹部の模様
    カツオの腹部には数本の黒い横縞(よこじま)模様が入っています。一方、マグロの腹部には目立つ線や模様がなく、全体が明るい銀白色です。
カツオの腹部には数本の黒い横縞(よこじま)模様が入っています。
部位カツオマグロ
ヒレの色背びれ・腹びれが黒っぽいひれの先端・小さなヒレが黄色
腹部の模様黒い横縞(よこじま)模様目立つ線や模様がない

このように、ヒレの色と腹部の模様の違いを知っていれば、見た目だけでカツオかマグロかを判別することが可能です。魚を見かけた際にはぜひ背びれ・腹びれの色合いやお腹の模様に注目してみてください。

サイズ感や体型の比較:見た目からわかる特徴

サイズ感や体型の比較:見た目からわかる特徴

カツオとマグロは、全体のサイズ感や体型にも大きな違いがあります。マグロは非常に大型でずっしりとした体つきをしていますが、カツオは比較的小型で細長い流線型の体型です。

具体的なサイズの例を挙げると、クロマグロ(本マグロ)とカツオでは以下のような差があります。

  • マグロの大きさ
    成魚の体長は2~3mにも達し、体重も数百kg(最大で600kg以上)になる非常に大きな魚です。
  • カツオの大きさ
    成魚の体長は50~60cm程度で、重さも数kg(大きくても10kg未満)とマグロに比べて格段に小型です。

また体つきにも違いがあり、マグロの胴体は丸太のように太く厚みがあります。一方、カツオの体は全体的に細長く先細りする紡錘形(ぼうすいけい)で、引き締まった印象を受けます。

紡錘形(ぼうすいけい)」とは、真ん中がふくらんでいて、両端が細くとがった形のことです。イメージとしては、ラグビーボールような形と考えるとわかりやすいです。

このように全長や体つきの差が明確なので、見た目の大きさを比較すればカツオかマグロかは一目で判断できるでしょう。特にマグロは桁違いの巨体になるため、遠目に見てもそのサイズから判別できます。

カツオとマグロの刺身や柵の状態での違い

カツオとマグロの刺身や柵の状態での違い

刺身や柵で比べると、色味・脂の見え方・形の整い方に違いが出ます。売場では照明の影響もありますが、ポイントを押さえれば見分けることができます。

見分けポイントカツオマグロ
色(身色)濃い赤。時間経過で表面がやや茶色にくすみやすい部位で変化。赤身=深紅〜鮮紅、中トロ・大トロ=ピンク系
脂の見え方白い脂の筋は少なめ。霜降り感は控えめトロほど白い脂が網目状に入りやすい
柵の形断面が三角〜台形になることがある厚みがある板状
血合い太めに見えやすいマグロの柵には血合いはない

判断は「色」「脂の白い筋」「柵の形」の三点を見るとわかりやすいです。濃い赤で太い血合いが目立てばカツオ寄り。四角い柵で赤〜ピンクの段階差と白い脂の筋が見えればマグロ寄りです。

  • 柵(さく)=刺身用に切り出した厚みがある板状の身。
  • 血合い=血液を多く含む赤黒い帯状の部分。

売場ではまずラベルを見る。そのうえで色、脂の白い筋、柵の形の三点を確認します。

カツオとマグロの味と食感の違い

カツオとマグロの味と食感の違い

赤身の質と脂の乗り方がもたらす味わいの差

カツオはさっぱりと力強い赤身の旨みが前に出ます。マグロは脂の量によってコクと甘みが広がり、口どけが変わります。

  • 赤身の質の違い
    カツオは筋肉のきめがやや粗く、香りが立ちやすい赤身中心。鉄分を思わせる風味がアクセントになります。マグロの赤身はきめが細かく、しっとりとなめらかな舌ざわり。鉄分を思わせる風味もあり旨みはすっきりで後味はクリーン。
  • 脂の乗りの差
    マグロは部位や個体で脂が増え、舌の上でとろりと溶ける感覚が出ます。脂が多いほど口どけはなめらかになります。
  • 口当たりの違い
    カツオは歯切れが軽く後味がさっぱり。マグロは脂が多いほど粘りとしっとり感が増します。

部位によって味が変わるマグロ

部位によって味が変わるマグロ

同じマグロでも部位で味と食感が大きく変わります。赤身はきりっと、トロはまろやかという味わいです。

お腹側は脂が多く、背中側は脂が少ない特徴。腹側の中トロや大トロは脂が多く口どけが良好。背側の赤身は爽やかな旨みが前に出ます。脂の量で味の印象が変化。脂が増えるほど甘みとコクが増し、口当たりはなめらかになります。

部位脂の量食感味の印象
赤身少ないきりっとした歯切れすっきり。旨みが素直
中トロ中くらいしっとり旨みと甘みのバランス
大トロ多めとろける口どけ濃厚でまろやか

「初鰹」と「戻り鰹」季節による味の違い

「初鰹」と「戻り鰹」季節による味の違い

初鰹はさっぱり爽。戻り鰹は脂が乗って濃厚。季節で味わいが入れ替わります。

カツオは回遊のタイミングで春から初夏に北上してくる初鰹は脂が少なく、身が締まって軽やかな味わいになります。秋に南下する戻り鰹はエネルギーを蓄えて脂が増え、コクが出ます。

初鰹は香りがすっと立ち上がる清々しい印象。戻り鰹は香りに厚みが出て満足感が高まります。

  • 初鰹=春〜初夏に水揚げされるカツオ。
  • 戻り鰹=秋に南下する時期に水揚げされるカツオ。

初鰹は薬味たっぷりで軽く。戻り鰹は厚めに切って旨みを楽しむ。季節に合わせた食べ方にすると良さが際立ちます。

初鰹と戻り鰹の違いとは?旬の味覚を最大限に楽しむコツを紹介
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カツオとマグロは「刺身」と「たたき」がおすすめ

カツオとマグロは「刺身」と「たたき」がおすすめ

家庭でカツオとマグロを楽しむなら、まずは「刺身」と「たたき」を基本に選ぶと失敗が少ないです。カツオは香りと爽やかさを活かすと良さが引き立ちます。マグロは口どけとコクを活かすと満足度が上がります。

魚・部位料理合う理由
カツオ(初鰹)たたきさっぱり赤身に香ばしさが足せる
カツオ(戻り鰹)たたき/刺身脂が乗って満足感が高い
マグロ赤身刺身/漬け旨みがすっきりでご飯に合う
マグロ中トロ刺身脂と赤身のバランスが良い
マグロ大トロ刺身/軽い炙りとろける脂を直球で楽しめる

値段と旬で選ぶ!カツオとマグロの買い物術

値段と旬で選ぶ!カツオとマグロの買い物術

買い物でカツオとマグロで迷ったときは「値段のつき方」と「旬の動き」を知っておくと安心です。ざっくりした相場感と、安くなるタイミングをつかめば、同じ予算でも満足度が大きく変わります。

高級魚マグロと大衆魚カツオ:価格帯から見る市場価値の差

マグロは“部位と種類で価格が大きく変わる高級魚”。カツオは“季節でおいしさが変わる大衆魚”。

  • 種類:本マグロ・ミナミマグロは高値、メバチ・キハダ・ビンナガは中価格帯が中心。
  • 部位:大トロ 中トロ 赤身の順で高くなりやすい(脂が多いほど希少で人気)。
  • 初鰹はさっぱり、戻り鰹は脂が乗って需要が増えます。水揚げ量と需要のバランスで価格が動きます。
  • 生(冷蔵) 解凍の順で高くなりやすい。
  • 天然 養殖が高値になりやすい(マグロ)。

大トロを少量買うより、赤身や中トロを上手に選ぶと費用対効果が高くなります。カツオは旬の時季に狙うと少ない予算でも満足しやすいです。

スーパーで安く買えるタイミングは?

スーパーで安く買えるタイミングは?

“季節 × 時間 × 形態”の三つを意識すると賢く買えます。旬に合わせ、値引き時間帯とお得な形(切り落としや中落ち)を狙うとコスパがいいです。

  • カツオ:初鰹(春〜初夏)と戻り鰹(秋)は流通が増えやすく、特売になりやすい。
  • マグロ:年末年始は高くなりがち。大型連休やイベント前も需要増で上がりやすい。普段はメバチ・キハダなど中価格帯が狙い目。
  • 夕方〜閉店前は見切り品や値引きシールが出やすい。
  • 雨の日や悪天候の日は客足が鈍り、刺身類が値引きされることがあります。
  • 柵より“切り落とし”“中落ち”“ぶつ切り”“カマ・ほほ肉”が安く手に入りやすい(マグロ)。
  • カツオは“たたき用の大盛りパック”がコスパ良好。
  • 「解凍」「養殖」「産地未記載」などは価格が抑えられる傾向。用途に合えば十分満足できます。

新鮮なカツオとマグロの選び方

新鮮なカツオとマグロの選び方

新鮮さは「色・ツヤ・水分(ドリップ)・切り口・表示ラベル」で見分けます。まずは見た目をチェックし、次にパック底の水分量、最後にラベルの情報を確認します。触らなくても判断できます。

  • 色とツヤ
    赤身は時間がたつと表面がくすみ、茶色がかります。ツヤがあるほど新鮮なことが多いです。
  • 水分(ドリップ)
    パック内の赤い汁が多いと、旨みが流れ出て味が落ちやすいです。
  • 切り口
    切り口がなめらかで、角が立っていると加工直後に近いサイン。乾きや白濁は時間経過のサインです。
  • 血合い・脂
    血合い(赤黒い帯)が鮮やかで輪郭がくっきりしていると良好。脂は白く細かい網目のままが理想です。
  • 表示ラベル
    生(冷蔵)か解凍か、天然か養殖か、加工日時が重要。目的に合う表示を選ぶと失敗が減ります。

ドリップ=パック内に出る赤い汁。旨み成分が含まれるため多いと味が薄く感じられます。

即実践のチェック手順

  • 色とツヤを見る:濁りや茶変がないか。
  • パック底を見る:ドリップの量は少ないか。
  • 切り口の角を見る:角が立っているか、乾いていないか。
  • ラベルを確認する:生/解凍、魚種、加工日時。
チェック項目カツオのOKサインマグロのOKサインNGの例
深い赤。血合いがはっきり赤身=鮮紅〜深紅。トロ=淡いピンク表面が茶色っぽい、灰色がかる
ツヤ皮目や身に自然な光沢しっとりとした光沢乾いてマット、白濁、筋が割れる
ドリップごく少量で透明に近いごく少量で透明に近い赤い汁が多い、シートが真っ赤

色とツヤ、ドリップ、切り口、ラベルの順に見るだけで新鮮度はほぼ判断できます。迷うときは“ツヤのある方”“汁が少ない方”を選ぶ。これが失敗しない最短ルートです。

カツオとマグロの劣化を防ぐ保存方法

カツオとマグロの劣化を防ぐ保存方法

劣化を防いで保存するカギは「空気を遮る」「水分を管理する」「温度を下げて安定させる」の三つです。刺身用は当日〜翌日までの冷蔵、長めに持たせるなら柵のまま冷凍にすると品質を保ちやすくなります。

  • 空気(酸素)に触れると酸化が進み、色がくすみやすく風味が抜けます。
  • 水分(ドリップ)が多いと旨みが流れ出て、食感が水っぽくなります。
  • 温度が高いと変色や匂い移りが起きやすくなります。冷蔵庫ではチルド帯(庫内で最も低温の場所)を使うと安定します。
  • 魚種による違い:カツオは血合いが太く酸化による色変わりが目立ちやすいです。マグロはドリップが出ると表面の色が濁りやすいです。
当日〜翌日向け:冷蔵保存(柵・刺身)
  1. 柵はキッチンペーパーで軽く包む(余分な水分を吸わせる)。
  2. その上からラップでぴったり包む(空気を遮る)。
  3. 密閉容器に入れてチルドや最下段で保存する(温度を安定)。
  4. 容器の下に金属トレーを敷くと冷えが安定します。
匂い移りと乾燥対策
  • 強い匂いの食品(キムチ、チーズなど)とは離して保存します。
  • ラップ→密閉容器の二重構造にすると乾燥や匂い移りを抑えられます。
長めに持たせたい:冷凍保存(柵推奨)
長めに持たせたい:冷凍保存(柵推奨)
  1. 柵の表面を軽く拭き、キッチンペーパーは外す。
  2. ラップで二重に包む。
  3. フリーザーバッグに入れ、できるだけ空気を抜く(ストローや水圧で脱気)。
  4. 平らにして金属トレーで急冷。日付を記入する。
  5. 目安は2〜3週間。刺身の食感は落ちるため、丼やたたき風、加熱に回すと満足度が高いです。
解凍の基本
  • 冷蔵庫でゆっくり解凍(半日〜1日)。袋のまま置くと乾きにくいです。
  • 早めたいときは氷水で袋ごと解凍。常温は避けます。
  • 解凍後は表面の水分を拭き取り、なるべく早く使います。

空気・水分・温度の三つをコントロールすれば、カツオとマグロの持ちはぐっと良くなります。迷ったら柵のまま包んでチルド、長く保存したい場合は冷凍。

文化と歴史から紐解くカツオとマグロ

文化と歴史から紐解くカツオとマグロ

江戸時代のカツオの高級感と川柳に見る味の評価

江戸の人びとは春の初鰹を“粋の象徴”として喜び、高値でも買い求めました。香りが立つ新鮮なカツオは、季節の到来を告げるごちそうとして評価されました。

  • 江戸の食文化では“初物”が高い価値がありました。初鰹は春の到来を告げるニュースのような存在でした。
  • 冷蔵技術がない時代は新鮮なまま運ぶのが難しく、鮮度の高いカツオは限られた人しか味わえない“贅沢品”でした。
  • 川柳や俳句には初鰹をたたえる表現が多く、江戸の人びとの憧れが言葉として残っています。

江戸の人びとは季節と鮮度を何よりのごちそうとして楽しみました。初鰹の人気は、旬を大切にする日本の食文化の原点を物語ります。

マグロのトロは昔は食べていなかった?

マグロのトロは昔は食べていなかった?

江戸時代は、マグロの脂が多い“トロ”は敬遠されることがありました。保存や流通の事情から脂は扱いづらく、むしろ赤身が好まれました。その後、冷蔵・冷凍技術が進み、トロの魅力が安定して届くようになって評価が一変しました。

  • 脂は酸化しやすく、気温が高い季節は特に傷みやすかったため、扱いにくい部位でした。
  • さっぱりした味が好まれ、醤油との相性がよい赤身が寿司の主役になりました。
  • 近代以降の技術革新で低温流通や超低温冷凍の登場で、脂の多い部位も品質を保ったまま届けられるようになり、トロの価値が広く再発見されました。

赤身が主役、トロは脇役”だった時代から、“トロがごちそう”の時代へ。技術と流通の進歩が、私たちの好みを変えました

カツオとマグロの違いをわかりやすく紹介:まとめ

この記事では、カツオとマグロの違いを、見た目、味と食感、旬、価格、選び方、保存、文化の背景まで「カツオとマグロの違い」を整理しました。

最後に、要点をまとめます。

  • まず見るのは「色・脂の白い筋・形」。濃い赤と太い血合い、皮付きはカツオ寄り。赤〜ピンクの段階差と霜降り状の白い筋、四角い柵はマグロ寄り。
  • 味のは「さっぱり=カツオ」「濃厚=マグロ」。
  • マグロは部位で性格が大きく変化。赤身はきりっと、中トロはバランス、大トロはとろける。
  • カツオは季節でおいしさが入れ替わる。初鰹は爽やか、戻り鰹はコク。旬を意識して買うと外しにくい。
  • 新鮮度は「ツヤ・ドリップ・切り口・ラベル」で判断。ツヤがありドリップが少なく、角が立っている柵を選ぶと失敗が減る。
  • 家での保存は「空気・水分・温度」を管理。短期はペーパー+ラップ+密閉、長期は柵を二重包みで冷凍、解凍はゆっくり。
  • 調理は「刺身」と「たたき」が基本。赤身の漬けや大トロの軽い炙りなど、ひと工夫でぐっとおいしくなる。
  • 江戸時代は初鰹を“粋”とし、現代は技術の発達でトロがごちそうに。