ステーキを食べるとき、「焼き加減」を聞かれて戸惑った経験はありませんか。

レアやミディアムという言葉は知っていても、実際にどんな違いがあるのか、自分の好みがどれなのかをはっきり説明できる人は多くありません。

その結果、何となく選んでしまい、「思っていた仕上がりと違った」「硬かった」「生っぽくて苦手だった」と感じてしまうこともあります。

外食の席で自信を持って注文したい、せっかくのステーキを心からおいしいと感じたい。その気持ちはとても自然なものです。

実際に、多くの人が次のような悩みや疑問を抱えています。

  • レアとミディアムレアの違いがよく分からない
  • 生っぽいのは苦手だが、硬いステーキも避けたい
  • お店で焼き加減を聞かれると毎回迷ってしまう
  • 自分の好みに合う焼き加減がどれなのか分からない
  • 人によっておすすめが違い、何を信じればいいか悩む

ステーキの焼き加減には、実は「正解」が一つあるわけではありません。焼き加減は、肉の部位や脂の量だけでなく、食べる人の価値観や安心感によって選ばれるものです。だからこそ、基本を知るだけで判断がぐっと楽になります。

この記事では、ステーキの焼き加減の種類と特徴を整理しながら、なぜ好みが分かれるのか丁寧に解説します。読み終えた頃には、焼き加減を聞かれても迷わず、自分の言葉で選べるようになるはずです。

この記事の内容
  1. ステーキの焼き加減は何種類?まずは基本の4種類を比べよう
  2. レアからウェルダンまで!4種類の焼き加減はどう違う?
  3. 焼き加減は10種類もある?さらに細かな呼び方を知っておこう
  4. ステーキの焼き加減は見た目でわかる?断面の色と中心温度の目安
  5. ステーキの焼き加減はどれがおすすめ?好みと肉の特徴から選ぼう
  6. レアのステーキは安全?食べる前に知っておきたい注意点
  7. お店ではどう頼む?ステーキの焼き加減の上手な伝え方
  8. まとめ|焼き加減の違いを知って好みのステーキを選ぼう

ステーキの焼き加減は何種類?まずは基本の4種類を比べよう

ステーキの焼き加減は何種類?まずは基本の4種類を比べよう

ステーキの焼き加減は、「レア」「ミディアムレア」「ミディアム」「ウェルダン」の4種類を基本として覚えるとわかりやすいです。

実際には、さらに細かく分けた呼び方もありますが、まずは代表的な4種類を知っておけば、レストランでステーキを注文するときにも役立ちます。

ステーキの焼き加減が分かれるのは、肉の中心までどのくらい火が通っているかによって、断面の色や食感が変わるためです。

日本食肉消費総合センターの「肉を焼く/焼き加減と内部温度」でも、レア・ミディアム・ウェルダンの3種類を基本に、その中間にあたるミディアムレアを加えて紹介しています。

代表的な4種類を、火の通り具合が弱い順に比べてみましょう。

焼き加減肉の中心の状態焼き上がりの特徴
レア赤みが強く残る中心部分は火の通りが浅い
ミディアムレア赤みを残したピンク色レアより少し火が通っている
ミディアム淡いピンク色中心まである程度火が通っている
ウェルダン赤みがほとんどない中心までしっかり火が通っている

※断面の色は一般的な目安です。肉の種類や調理条件によって見た目は変わります。

例えば、同じ牛肉でも、レアとウェルダンでは焼き上がりが大きく異なります。レアは中心に赤みが残る一方、ウェルダンは中心まで火を通すため、赤みがほとんど見られません。

つまり、ステーキの焼き加減は、中心の火の通り具合によって分けられているというわけです。

まずは基本の4種類と順番を覚えておけば十分でしょう。ただし、焼き加減の名前や肉の色だけで、食べても安全かどうかは判断できないため、加熱状態には注意が必要です。

焼き加減とは、肉の表面だけでなく、中心部分までどのくらい火が通っているかを表す言葉です。表面に濃い焼き色がついていても、中心まで十分に加熱されているとは限りません。

レアからウェルダンまで!4種類の焼き加減はどう違う?

レアからウェルダンまで!4種類の焼き加減はどう違う?

ステーキは、焼き加減によって肉のやわらかさや噛みごたえが変わります。中心まで火を通すほど肉の水分が失われやすくなり、食感にも違いが生まれるためです。

代表的な4種類について、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

代表的な4種類について、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
  • レア:中心が赤く、やわらかな食感が特徴
  • ミディアムレア:赤みと適度な弾力を楽しめる
  • ミディアム:ほどよい噛みごたえが魅力
  • ウェルダン:中までしっかり火を通した焼き加減

レアは中心が赤く、やわらかな食感が特徴

レアは中心が赤く、やわらかな食感が特徴

レアは、肉の表面を焼きながら、中心には赤みを強く残した焼き加減です。火の通り方が浅いため、肉のやわらかさを感じやすい仕上がりになります。

農林水産省の「誰かに話したくなる お肉の豆知識」でも、レアは表面が焼けていても中心部は生の状態で、肉汁が多いと紹介されています。

ステーキを加熱すると肉の水分が少しずつ失われますが、レアは中心部分への加熱が少ないため、水分が比較的残りやすい焼き加減です。

なるほどポイント: ステーキの表面にこんがり焼き色がついていても、中心まで火が通っているとは限りません。レアは、外側と内側で火の通り具合に大きな差がある焼き加減なのです。

レアは、中心に赤みが強く残る仕上がりをイメージするとわかりやすいでしょう。

ただし、レアは中心の加熱が不十分な場合があり、食中毒のリスクに注意が必要です。やわらかさだけでなく、加熱状態も考えて選びましょう。

ミディアムレアは赤みと適度な弾力を楽しめる

ミディアムレアは赤みと適度な弾力を楽しめる

ミディアムレアは、レアよりも少し火を通しながら、中心の赤みを残した焼き加減です。レアのやわらかさと、加熱によって生まれる適度な弾力の両方を感じられます。

日本食肉消費総合センターの「肉を焼く/焼き加減と内部温度」でも、ミディアムレアはレアより火が通っているものの、中心にはまだ生の部分が残る状態として紹介されています。

例えば、ステーキを注文するときに「レアほど生に近い食感ではなく、少し弾力のある仕上がりが好み」という場合は、ミディアムレアとの違いを知っておくと選びやすくなります。

なるほどポイント: ミディアムレアは、名前に「ミディアム」が入っていても、ミディアムよりレアに近い焼き加減です。中心には赤みが残るため、十分に火が通った状態を意味するわけではありません。

レアとミディアムの中間にあたる焼き加減として覚えておくと、レストランでも仕上がりをイメージしやすいでしょう。

ミディアムはほどよい噛みごたえが魅力

ミディアムはほどよい噛みごたえが魅力

ミディアムは、中心まである程度火を通し、やわらかさと噛みごたえの両方を楽しめる焼き加減です。レアやミディアムレアよりも、肉の中心部分に弾力が感じられます。

農林水産省の「誰かに話したくなる お肉の豆知識」では、ミディアムは中心部に火が通り、薄いピンク色になった状態として紹介されています。

肉は加熱が進むと水分が抜けて食感が変わるため、ミディアムではレアほどのやわらかさではなく、しっかり噛んで食べる感覚が生まれます。

なるほどポイント: ミディアムは、中心まで完全に茶色く焼いた状態ではありません。肉の中心に薄いピンク色が残ることも、ミディアムの代表的な特徴です。

レストランで「中心が真っ赤な仕上がりは苦手だけれど、適度なやわらかさも楽しみたい」と感じる場合は、ミディアムを判断の目安にするとよいでしょう。

ただし、ミディアムという名称だけで安全な加熱状態を保証できるわけではありません。

ウェルダンは中までしっかり火を通した焼き加減

ウェルダンは中までしっかり火を通した焼き加減

ウェルダンは、肉の中心までしっかり火を通し、赤みをほとんど残さない焼き加減です。ほかの3種類と比べると、肉の噛みごたえが強くなりやすい特徴があります。

日本食肉消費総合センターの「肉を焼く/焼き加減と内部温度」では、ウェルダンは表面も中心も十分に火が通り、断面が灰色がかった褐色になる状態として説明されています。

また、肉は長く加熱するほど水分が失われ、硬くなりやすくなります。そのため、ウェルダンでは肉の水分が減り、レアなどに比べてしっかりした食感になりやすいのです。

なるほどポイント: ウェルダンは、単に「焼き時間を長くすればよい」という意味ではありません。必要以上に加熱すると肉が乾燥し、硬くなりすぎる場合もあります。

レストランで中心の赤みが少ないステーキを希望するときは、ウェルダンという名前を覚えておくと注文しやすくなります。

焼き加減は10種類もある?さらに細かな呼び方を知っておこう

ステーキの焼き加減は、基本の4種類だけでなく、さらに細かく分けて10種類として紹介されることもあります。 ただし、焼き加減の数や名称が全国共通で決められているわけではありません。

例えば、レアよりも生に近い「ブルー」や、ミディアムとウェルダンの間にあたる「ミディアムウェル」などがあります。

ここでは、基本の4種類以外の呼び方を整理していきましょう。

  • ブルー・ブルーレアはレアとどう違う?
  • ミディアムウェル・ベリーウェルダンはどんな焼き加減?
  • ローは焼き加減の一種?種類の数え方に決まりはある?

ブルー・ブルーレアはレアとどう違う?

ブルー・ブルーレアはレアとどう違う?

ブルーとブルーレアは、レアよりもさらに火の通り方が浅く、中心部分がほぼ生の状態に近い焼き加減として紹介されることがあります。

食肉加工会社のナカガワフーズ「10段階!ステーキの焼き加減」では、ブルーとブルーレアを次のように区別しています。

焼き加減火の通り具合
ブルー肉の表面を数秒だけ焼いた状態
ブルーレアブルーより少し長く、数十秒ほど焼いた状態
レア表面を焼き、中心にもある程度熱が伝わった状態

※焼き時間や呼び方は、肉の厚みやお店によって異なります。

ブルーとブルーレアの違いは、主に表面への火の通し方です。どちらも中心部分への加熱は非常に少ないため、見た目だけで違いを判断するのは難しいでしょう。

なるほどポイント: 「ブルー」という名前でも、肉が青く焼き上がるわけではありません。また、ブルーとブルーレアを同じような意味で扱う場合もあり、必ず別々の焼き加減として区別されるわけではないのです。

例えば、ステーキ店のメニューに「ブルー」と書かれていたら、レアよりも中心への火の通り方が浅い仕上がりを指している可能性があります。

ただし、ブルーやブルーレアは中心が十分に加熱されないため、食中毒のリスクに注意が必要です。家庭で無理に再現しようとせず、肉は適切に加熱しましょう。

ミディアムウェル・ベリーウェルダンはどんな焼き加減?

ミディアムウェル・ベリーウェルダンはどんな焼き加減?

ミディアムウェルとベリーウェルダンは、ミディアムよりも火を通した焼き加減を、さらに細かく表した呼び方です。

ミディアムウェルはミディアムとウェルダンの間にあたり、ベリーウェルダンはウェルダンよりもしっかり焼いた状態を指します。

ナカガワフーズ「10段階!ステーキの焼き加減」では、火の通り具合が強くなる順に、次のような名称を紹介しています。

焼き加減中心部分の状態
ミディアムウェル赤みがほとんどなく、薄いピンク色が残る
ウェル全体によく火が通り、赤みがほとんどない
ウェルダン中心まで十分に火が通っている
ベリーウェルダンウェルダンよりさらに火を通した状態

※「ウェル」を独立した種類として数えない場合もあります。

また、農林水産省の「誰かに話したくなる お肉の豆知識」でも、ウェルダンよりさらにしっかり焼いた状態を「ベリーウェルダン」と紹介しています。

なるほどポイント: ミディアムウェルは、ミディアムよりもウェルダンに近い焼き加減です。「ミディアム」という言葉が入っていても、中心の赤みはかなり少なくなります。

例えば、レストランで「中心の赤みは少なくしたいけれど、ウェルダンほど焼かなくてもよい」と考える場合は、ミディアムウェルという呼び方を知っておくと希望を伝えやすくなるでしょう。

一方、ベリーウェルダンは、しっかり焼いた肉をさらに加熱するため、肉の水分が減って硬くなりやすい点も覚えておきたいところです。

ロー(raw)は焼き加減の一種?種類の数え方に決まりはある?

ロー(raw)は焼き加減の一種?種類の数え方に決まりはある?

ロー(raw)は、肉をまったく加熱していない生の状態を表す言葉です。厳密には焼き加減ではありませんが、10種類の一覧では最初に含められることがあります。

例えば、ナカガワフーズ「10段階!ステーキの焼き加減」では、ローからベリーウェルダンまでを次の10種類に分けています。

  1. ロー
  2. ブルー
  3. ブルーレア
  4. レア
  5. ミディアムレア
  6. ミディアム
  7. ミディアムウェル
  8. ウェル
  9. ウェルダン
  10. ベリーウェルダン

※上の表は、焼き加減を細かく分けた一例であり、すべての飲食店に共通する分類ではありません。

一方、日本食肉消費総合センターの「肉を焼く/焼き加減と内部温度」では、レア・ミディアム・ウェルダンの3種類を基本とし、その中間にミディアムレアを加えて説明しています。

なるほどポイント: 「ステーキの焼き加減は4種類」と「10種類」という説明は、必ずしも矛盾しているわけではありません。基本的な焼き加減だけを数えるか、生の状態や細かな火の通り具合まで含めるかによって、種類の数が変わるのです。

なお、ローは加熱していない生肉を指すため、家庭でステーキとして食べる状態とは区別しましょう。農林水産省の「お肉はしっかり火を通してから食べましょう」でも、生食用ではない牛肉を生で食べないよう注意を呼びかけています。

ステーキの焼き加減を覚えるときは、まず基本の4種類を理解し、必要に応じて細かな呼び方を知っておけば十分でしょう。

ステーキの焼き加減は見た目でわかる?断面の色と中心温度の目安

ステーキの焼き加減は見た目でわかる?断面の色と中心温度の目安

ステーキの焼き加減は、切ったときの断面の色や、肉の中心温度からおおよその違いを確認できます。 焼き加減によって中心の赤みが変わるため、見た目も判断の参考になるでしょう。

ただし、肉の色だけで正確な温度や安全性まで判断することはできません。見た目と温度の違いを知っておくと、ステーキの仕上がりを理解しやすくなります。

  • 切ったときの赤みはどう変わる?断面写真で比べよう
  • 中心温度は何度?焼き加減ごとの目安を確認

切ったときの赤みはどう変わる?

切ったときの赤みはどう変わる?

ステーキの断面は、レアからウェルダンへと火の通り具合が進むにつれて、中心の赤みが少なくなるのが代表的な変化です。

次のポイントに注目してみましょう。

  • レア:中心に鮮やかな赤色が残っている
  • ミディアムレア:中心に赤みが残り、周囲には火が通っている
  • ミディアム:中心が薄いピンク色になっている
  • ウェルダン:赤みがほとんどなく、全体が褐色に近い

ステーキの色が変わる理由には、肉に含まれる「ミオグロビン」という成分が関係しています。肉の赤い色にはミオグロビンが関わっていて、加熱後も条件によってピンク色が残る場合があります。

なるほどポイント: ステーキの中心がピンク色だからといって、必ずしも加熱不足とは限りません。反対に、茶色く見えても十分に加熱されていない場合があり、肉の色と実際の火の通り具合は必ずしも一致しないのです。

例えば、家庭で焼いたステーキを切ったとき、中心にピンク色が残っていても、見た目だけで焼き加減や安全性を決めつけないことが大切です。

ミオグロビンとは、筋肉に含まれる、酸素を蓄える働きを持つたんぱく質です。牛肉の赤い色に関わっており、加熱や酸素との反応などによって色が変化します。

中心温度は何度?焼き加減ごとの目安を確認

中心温度は何度?焼き加減ごとの目安を確認

ステーキの焼き加減を温度で確認するときは、肉の表面ではなく、中心部分の温度を見ることがポイントです。

農林水産省の「誰かに話したくなる お肉の豆知識」では、厚さ約2cmの牛ヒレ肉を例に、焼き加減ごとの内部温度を紹介しています。

焼き加減中心温度の目安
レア55~65℃以下
ミディアムレア約65℃
ミディアム65~70℃
ウェルダン70~80℃

※数値は農林水産省の掲載資料に基づくもので、レアの温度も資料の表記に合わせています。焼き加減の温度区分は厳密に統一されておらず、上記は食品安全を保証する加熱基準ではありません。

例えば、同じ時間だけ焼いても、薄いステーキと厚いステーキでは、中心まで火が通る時間が異なります。

家庭で火の通り具合を確認したいときは、食品用温度計を使い、肉の一番厚い部分の中心を測る方法が役立ちます。

なるほどポイント: フライパンの温度が200℃でも、ステーキの中心温度が200℃になるわけではありません。フライパンの温度と肉の中心温度は別なので、焼き時間や表面の焼き色だけでは、中心の状態を正確に判断できないのです。

なお、焼き加減を表す温度と、安全に食べるために必要な加熱条件は別物です。

焼き加減ごとの温度は仕上がりを知るための参考にし、家庭で調理するときは食品安全上の加熱条件も確認しましょう。

中心温度とは、肉の中心部分の温度を指します。表面は直接熱を受けるため、中心部分とは温度が異なります。食品用温度計を使うことで、肉の内部がどのくらい加熱されているかを確認できます。

ステーキの焼き加減はどれがおすすめ?好みと肉の特徴から選ぼう

ステーキの焼き加減はどれがおすすめ?好みと肉の特徴から選ぼう

ステーキの焼き加減は、自分の好きな食感と、肉の脂の入り方を考えて選ぶのがおすすめです。やわらかさを重視するか、しっかりした噛みごたえを楽しみたいかによって、好みの仕上がりは変わります。

また、同じ焼き加減でも、赤身肉と霜降り肉では食べたときの印象が異なります。自分に合った焼き加減を選ぶために、次の2つのポイントを見ていきましょう。

  • やわらかさ派?しっかり食感派?焼き加減の好みが分かれる理由
  • 赤身肉と霜降り肉ではおすすめの焼き加減が違う?

やわらかさ派?しっかり食感派?焼き加減の好みが分かれる理由

やわらかさ派?しっかり食感派?焼き加減の好みが分かれる理由

ステーキの焼き加減を選ぶときは、やわらかな食感が好きなのか、しっかり噛んで食べたいのかを考えると、自分の好みを見つけやすくなります。

焼き加減によって食感が変わる理由の一つは、加熱によって肉の水分が失われるためです肉は加熱時間が長くなるほど水分が失われ、硬くなりやすくなります。

焼き加減を食感の好みから選ぶなら、次のような違いを参考にするとよいでしょう。

食感の好み焼き加減を選ぶ目安
やわらかさを重視したいレア・ミディアムレア
やわらかさと噛みごたえの両方がほしいミディアム
しっかりした噛みごたえが好きウェルダン

※食感による選び方の目安であり、安全な加熱状態を示すものではありません。

例えば、家族で同じステーキを食べても、「もっとやわらかいほうが好き」という人もいれば、「しっかり焼いた肉のほうが好み」という人もいるでしょう。

なるほどポイント: 焼き加減の好みが分かれるのは、単に味の好みだけではありません。噛んだときのやわらかさや弾力など、口の中で感じる食感も関係しているのです。

ただし、焼き加減を浅くすれば、どんな肉でもやわらかくなるわけではありません。肉そのものの硬さにも違いがあるため、焼き加減だけでなく肉質も考えることが大切です。

まずは自分が好きな食感を知り、ステーキを選ぶときの参考にしてみてください。

赤身肉と霜降り肉ではおすすめの焼き加減が違う?

赤身肉と霜降り肉ではおすすめの焼き加減が違う?

赤身肉と霜降り肉では、脂の入り方が異なるため、同じ焼き加減でも口当たりや味わいに違いが生まれます。

日本食肉消費総合センターの「さし(サシ)」では、肉の内部に分散した脂肪が、やわらかさや口当たりのよさ、脂特有のコクに関係すると説明しています。

赤身肉と霜降り肉の選び方を簡単に整理してみましょう。

肉のタイプ焼き加減を選ぶときのポイント
赤身肉加熱しすぎによる硬さや水分の減少に注意する
霜降り肉肉のやわらかさに加え、脂のコクや口当たりの好みで選ぶ

例えば、脂の少ない赤身肉は、長く焼きすぎると水分が抜けて硬く感じられる場合があります。一方、霜降り肉は、肉の中に含まれる脂肪も食感に関わるため、加熱による口当たりの違いを楽しめるでしょう。

なるほどポイント: 「赤身肉=硬い肉」ではありません。農林水産省の「牛、豚、鶏の部位を徹底解説!お肉丸わかり図鑑」では、脂の少ないヒレ肉の一部であるシャトーブリアンも、非常にやわらかい肉質として紹介されています。

そのため、赤身肉なら必ずレア、霜降り肉なら必ずウェルダンという決まりはありません。

スーパーでステーキ肉を選ぶときは、赤身と脂の入り方を見比べてみると、好みの肉を探しやすくなります。サーロインとヒレの肉質について詳しく知りたい方は、サーロインとヒレの違いも参考にしてください。

焼き加減は肉の特徴と好みに合わせて考えつつ、家庭では加熱不足にならないことも大切です。安全に食べるための注意点は、次の見出しで詳しく紹介します。

霜降り(サシ)とは、赤身の中に、白い脂肪が細かく入り込んだ状態のことです。霜が降りたように見えるため、「霜降り」と呼ばれています。

レアのステーキは安全?食べる前に知っておきたい注意点

レアのステーキは安全?食べる前に知っておきたい注意点

レアのステーキは、中心に赤みが残るからといって、必ず食中毒になるわけではありません。ただし、レアなら安全に食べられるという保証もなく、牛肉の加工状態や加熱の仕方によって注意点が異なります。

また、子どもや妊婦、高齢者などは、加熱不足の肉による食中毒に特に注意が必要です。

ステーキを安心して楽しむために、次の2つのポイントを確認しておきましょう。

  • 牛肉の塊肉と筋切り肉・ひき肉では加熱の注意点が違う
  • 子どもや妊婦、高齢者は加熱不足に注意しよう

牛肉の塊肉と筋切り肉・ひき肉では加熱の注意点が違う

牛肉の塊肉と筋切り肉・ひき肉では加熱の注意点が違う

ステーキを焼くときは、一枚の塊肉から切り出した牛肉なのか、筋切りなどの加工をした牛肉なのかを確認することが大切です。

なぜなら、肉の加工方法によって、食中毒の原因となる細菌が存在する場所が異なるためです。

食品安全委員会の「生活の中の食品安全-調理とリスクマネジメント-その2」では、牛肉の塊肉を使ったステーキは、食中毒の原因となる微生物が主に肉の表面に存在するため、表面を加熱することでリスクを減らせると説明しています。

一方、筋切りした肉やひき肉は、表面に付いていた細菌が内部まで入り込む可能性があるため、中心まで十分な加熱が必要です。

肉の種類による注意点を整理すると、次のようになります。

牛肉の状態加熱するときの注意点
塊肉から切り出したステーキ肉表面の十分な加熱が重要。ただし、内部が必ず安全とは限らない
筋切りした肉細菌が内部に入る可能性があるため、中心まで十分に加熱する
ひき肉・成形肉内部にも細菌が存在する可能性があるため、中心まで十分に加熱する

農林水産省の「お肉はしっかり火を通してから食べましょう」でも、ひき肉や筋切りした肉などは、中心までしっかり火を通すよう呼びかけています。

なるほどポイント: スーパーで売られている牛肉でも、すべてのステーキ肉が同じ状態とは限りません。見た目が一枚の肉でも、やわらかくするために筋切り加工されている場合があります。

例えば、スーパーでステーキ肉を購入するときは、パッケージに「成形肉」などの表示がないか確認しましょう。加工状態がわからない場合は、中心まで十分に加熱するほうが安心です。

また、厚生労働省の「お肉はよく焼いて食べよう」では、ひき肉を使った食品について、中心温度75℃で1分間以上の加熱が重要だと説明しています。

家庭では、食品用温度計を使って中心の加熱状態を確認すると、焼き不足を防ぐのに役立ちます。

成形肉とは、小さな肉をつなぎ合わせたり、形を整えたりして作られた肉のことです。一枚のステーキ肉のように見えても、内部まで細菌が入り込んでいる可能性があるため、十分な加熱が必要になります。

子どもや妊婦、高齢者は加熱不足に注意しよう

子どもや妊婦、高齢者は加熱不足に注意しよう

小さな子どもや妊婦、高齢者がステーキを食べる場合は、レアなどの加熱が不十分な焼き加減を避け、中心まで十分に火を通しましょう。

食中毒は誰にでも起こる可能性がありますが、体の抵抗力が弱い人は、重い症状につながるおそれがあるためです。

農林水産省の「お肉はしっかり火を通してから食べましょう」でも、小さい子どもや妊婦、高齢者などは、生肉を食べたり、食べさせたりしないよう注意を呼びかけています。

家庭でステーキを用意するときは、次の点を意識するとよいでしょう。

  • 子ども:中心に生の部分が残らないよう、十分に加熱する
  • 妊婦:生や加熱不足の肉を避け、しっかり火を通す
  • 高齢者:焼き加減の名前だけで判断せず、十分な加熱を確認する

なるほどポイント: 「新鮮な牛肉なら、レアでも食中毒にならない」という考え方は正しくありません。食中毒の原因となる細菌が付いているかどうかは、肉の新鮮さや見た目だけでは判断できないためです。

例えば、家族でステーキを食べる日に、小さな子どもの分だけ焼き加減を変えようと考えることもあるでしょう。その場合は、子ども用の肉を中心まで十分に加熱し、安全な状態で食べることが大切です。

なお、肉の断面が茶色く見えても、安全に必要な加熱ができているとは限りません。食品安全委員会の「肉を低温で安全においしく調理するコツをお教えします!」でも、肉の見た目だけで安全な加熱状態を判断することはできないと説明しています。

ステーキは、好みの焼き加減を楽しむ料理ですが、食べる人に合わせた加熱も欠かせません。特に子どもや妊婦、高齢者には、やわらかさや見た目よりも、十分に火が通っていることを優先しましょう。

お店ではどう頼む?ステーキの焼き加減の上手な伝え方

お店ではどう頼む?ステーキの焼き加減の上手な伝え方

レストランでステーキを注文するときは、焼き加減の名前だけでなく、好みの仕上がりを具体的に伝えると、希望を理解してもらいやすくなります。

また、熱い鉄板で提供されるステーキは、運ばれてきた後も加熱が進む場合があります。注文時の伝え方と、料理が届いてからの注意点を確認しておきましょう。

  • 名前だけで伝わる?好みの仕上がりを伝えるコツ
  • 熱い鉄板で焼き加減が変わる?出てきた後の注意点

名前だけで伝わる?好みの仕上がりを伝えるコツ

名前だけで伝わる?好みの仕上がりを伝えるコツ

ステーキの焼き加減は、「ミディアムでお願いします」など、基本の名前で伝えるのがわかりやすい方法です。ただし、希望する仕上がりがある場合は、中心の赤みや火の通り具合も一緒に伝えるとよいでしょう。

日本食肉消費総合センターの「肉を焼く/焼き加減と内部温度」では、レア・ミディアム・ウェルダンを基本とし、その中間にミディアムレアがあると説明しています。

焼き加減の希望を伝えるときは、次のような言い方が参考になります。

希望する仕上がり注文するときの伝え方の例
中心に赤みを残したい「中心に赤みを残した仕上がりが好みです」
中心の赤みを少なくしたい「ミディアムより少ししっかり焼いてもらえますか?」
中まで十分に火を通したい「中心までしっかり加熱してください」

※焼き加減の指定に対応していないメニューもあります。

なるほどポイント: ステーキの焼き加減は、どのお店でも必ず自由に選べるわけではありません。希望する焼き加減に対応できるかどうか、注文するときに確認しておくと安心です。

初めて訪れるお店で迷ったら、「中心までしっかり焼いてもらえますか?」など、自分の希望をそのまま伝えてみましょう。

焼き加減の名前をすべて覚えていなくても、希望する仕上がりを店員さんに相談すれば、注文しやすくなります。

熱い鉄板で焼き加減が変わる?出てきた後の注意点

熱い鉄板で焼き加減が変わる?出てきた後の注意点

ステーキが熱い鉄板にのって運ばれてきた場合は、食べ始めるまでの間にも、鉄板の熱で肉への加熱が進むことがあります。

特に、テーブルで肉を焼き上げるスタイルのお店では、提供された時点で調理が完了しているとは限りません。

熱い鉄板で提供されたときは、次の点を意識するとよいでしょう。

  • 提供時の状態を確認する:そのまま食べられる状態なのか、鉄板で焼き上げる必要があるのかを店員さんに確認する
  • 鉄板の熱に注意する:肉を返すときは、備え付けのトングなどを使い、熱い鉄板に手を触れない
  • 焼き加減を確認する:お店の案内に従って十分に加熱し、必要以上に焼き続けない

なるほどポイント: ステーキは、厨房で焼き上げてから提供される場合と、テーブルの鉄板で仕上げる場合があります。同じ「ステーキ」という料理でも、食べ始めるまでの手順が違うのです。

例えば、熱い鉄板にのったステーキを注文したときは、「もう食べられますか?」「自分で焼いたほうがよいですか?」と確認すると、焼き加減を調整しやすくなります。

なお、肉の表面の焼き色だけでは、安全な加熱状態を判断できません。十分に火が通っていることを優先しながら、お店の提供方法に合わせてステーキを楽しみましょう。

まとめ|焼き加減の違いを知って好みのステーキを選ぼう

まとめ|焼き加減の違いを知って好みのステーキを選ぼう

この記事では、ステーキの焼き加減の種類やそれぞれの特徴、好みに合わせた選び方、食べるときの注意点について解説しました。

ステーキの焼き加減は、レア・ミディアムレア・ミディアム・ウェルダンの4種類を基本として覚えるとわかりやすいでしょう。さらに細かく分けると10種類として紹介されることもありますが、種類の数え方に統一された決まりがあるわけではありません。

今回の重要なポイントをまとめると、次のとおりです。

  • レア:中心に赤みが強く残り、やわらかな食感が特徴
  • ミディアムレア:赤みを残しながら、適度な弾力も楽しめる
  • ミディアム:ほどよい噛みごたえがあり、中心には薄いピンク色が残る
  • ウェルダン:中心までしっかり火を通し、赤みがほとんどない
  • 焼き加減の選び方:好みの食感や、赤身肉・霜降り肉といった肉の特徴を参考にする
  • 食品安全の注意点:肉の色や焼き加減の名前だけで安全性を判断せず、十分な加熱を確認する

また、レストランでは焼き加減の名前に加えて、中心の赤みや希望する仕上がりを伝えると、好みに合ったステーキを注文しやすくなります。

ステーキの焼き加減に、誰にとっても一番おいしいという正解はありません。 大切なのは、それぞれの違いを知り、食べる人や肉の状態に合わせて、安全面にも配慮しながら選ぶことです。

次にステーキを食べるときは、ぜひ今回紹介した焼き加減の違いを思い出して、自分好みの一皿を楽しんでください。