回転寿司のマグロは何を使っている?知っておきたい味の違いを解説
回転寿司に行くと、必ずといっていいほどマグロを選びたくなります。赤身は定番で安心感があり、中トロや大トロを見ると少しぜいたくしたくなる人も多いはずです。
ただ、いざ注文しようとすると「このマグロって何の種類だろう」「同じ赤身でも味が違うのはなぜだろう」と迷う場面が出てきます。
ここでは、回転寿司でよく使われるマグロの種類と特徴、本マグロやミナミマグロが登場する場面、赤身・中トロ・大トロの違いをわかりやすく解説します。
さらに、マグロが安い理由や冷凍の仕組み、注文のコツや食べる順番までまとめます。知識が増えると、同じ一皿でも「なんとなく」ではなく「納得して」選べるようになります。
回転寿司で使われるマグロの種類トップ3

回転寿司で提供されるマグロの多くは、「メバチマグロ」「キハダマグロ」「ビンチョウマグロ」の3種類が中心です。高級な本マグロ(クロマグロ)に比べて、これらの3種は安定した量を確保しやすく、手頃な価格でおいしさを提供できるため、日本の回転寿司を支えるマグロと言えます。
| マグロの種類 | 味の特徴 | 見た目の色 |
|---|---|---|
| メバチマグロ | 濃厚な旨味と適度な酸味 | 鮮やかな赤色 |
| キハダマグロ | あっさりしてクセがない | 淡いピンク色 |
| ビンチョウマグロ | とろける甘みと柔らかさ | 白っぽい桃色 |
メバチマグロが主流な理由

回転寿司の「赤身」として最も一般的な存在がメバチマグロです。色鮮やかで適度な酸味があり、多くの人がイメージする「マグロらしい味」を最も手頃に楽しめるため、主流となっています。
メバチマグロは、世界中の温かい海に広く生息しており、漁獲量が非常に安定しています。身の色が濃い赤色で、時間が経っても色が変わりにくいため、回転寿司のスタイルに非常に適しています。
赤身の質がもっちりとしていて、シャリ(酢飯)との相性が抜群に良い点も、主役に選ばれる大きな理由です。
見た目の鮮やかさと味のバランス、そして供給の安定感という3拍子が揃っているため、メバチマグロは回転寿司の王道として親しまれています。
キハダマグロが使われるケース

キハダマグロは、脂が少なくさっぱりとした味わいが特徴で、特に関西地方や、創作寿司のベースとして重宝されます。
キハダマグロの身は、メバチマグロよりも少し薄いピンク色をしており、身質がしっかりとしています。脂が控えめでクセがないため、カルパッチョ風の味付けや、マヨネーズを使ったトッピングなど、アレンジを加えるメニューに非常に使いやすいです。
また、西日本では伝統的にこのあっさりした味が好まれる傾向があり、地域によって主力として扱われます。
素材の味を邪魔しない軽やかさを持っているため、キハダマグロは様々なアレンジ寿司や、さっぱりした味を求める場面で欠かせない存在です。
ビンチョウマグロ(びんとろ)が人気の理由

ビンチョウマグロは、「びんとろ」という名前でお馴染みの、とろけるような柔らかい食感と甘みが最大の魅力です。
ビンチョウマグロは他のマグロに比べて体が小さく、身が白っぽい桃色をしています。特に脂が乗った個体は、口の中に入れると体温でスッと溶けるような独特の食感を生み出します。
高級な「大トロ」に似た満足感をリーズナブルに味わえるため、特に若い世代や家族連れの間で絶大な人気を誇っています。
「お手頃価格でトロを堪能したい」という消費者の願いを叶えてくれるビンチョウマグロは、回転寿司における満足度ナンバーワンのアイドル的存在です。
回転寿司で本マグロとミナミマグロは使わていない?

100円台中心の回転寿司でも、本マグロやミナミマグロは使われています。ただし、定番の安価な一皿ではなく、期間限定や目玉商品として登場することが多い存在です。価格を抑える必要があるため、日常的に並ぶケースは少なめです。
一方で、ネタの質と価格が連動するタイプの回転寿司店では、本マグロは通常メニューとして扱われることが珍しくありません。価格帯によって、本マグロの位置づけは大きく変わります。
100円台中心の回転寿司チェーンの場合

100円台中心の回転寿司で本マグロやミナミマグロは、「目玉商品」や「期間限定の豪華メニュー」として使われています。日常的に流れる安価な一皿(100円〜200円前後)には、原価の関係で頻繁に登場することはありませんが、お店の格をアピールするための特別な存在として欠かせないネタです。
| マグロの種類 | 回転寿司での役割 |
|---|---|
| 本マグロ(クロマグロ) | 期間限定の主役・最高級皿 |
| ミナミマグロ(インドマグロ) | 本マグロに次ぐ豪華ネタ |
回転寿司店は、手頃な価格のマグロで利益を確保しつつ、本マグロのような高級魚を「お値打ち価格」で提供することで、お客さんの満足度を高める戦略をとっています。そのため、常に全皿が本マグロになることはほとんどありません。
グルメ回転寿司(価格帯が高めの回転寿司)の店舗の場合

100円台を中心としたチェーン店とは異なり、「ネタの質と価格が連動するタイプの回転寿司店」(いわゆるグルメ回転寿司や、職人が目の前で握るタイプ)では、本マグロは欠かせない不動のレギュラーメニューです。
価格設定が柔軟な回転寿司店において、本マグロは「お店の顔」となる通常メニューです。一皿500円から1,000円を超えることもありますが、その分、解凍の手法や切り身の厚みにまでこだわり、専門店に近いクオリティで提供されています。
| 店舗のタイプ | 本マグロの扱い |
|---|---|
| 低価格均一店 | 期間限定・数量限定 |
| グルメ回転寿司店 | 常設の看板メニュー |
こうしたお店では、本マグロの「赤身」「中トロ」「大トロ」がそれぞれ独立したメニューとして存在し、さらには「カマトロ」や「中落ち」といった希少部位まで通常メニューに並ぶケースも珍しくありません。
グルメ回転寿司(ぐるめかいてんずし):100円台ではなく、ネタの品質に応じて一皿数百円から千円以上の価格設定を持つ、質を重視した回転寿司の形態。
それぞれのマグロの味の特徴

マグロの味は「マグロの種類」と「部位」で大きく変わります。マグロの種類で変わるのは、赤身の旨みの強さや香りの個性です。部位で変わるのは、脂の量と口どけです。
回転寿司でよく見かけるメバチマグロ、キハダマグロ、ビンチョウマグロは食べやすさが強みです。本マグロとミナミマグロは赤身の旨みと脂の質が魅力になります。
マグロは身の性質と脂の入り方が部位によって違います。赤身は筋肉が中心で、旨みが主役になりやすいです。中トロと大トロは脂が多く、甘みと口どけが目立ちます。
| 種類 | 赤身の味 | 中トロの味 | 大トロの味 |
|---|---|---|---|
| メバチマグロ | 食べやすい赤身らしい味 | 脂は控えめで、あっさり | 大トロは少なめ。あっても軽い口どけ |
| キハダマグロ | さっぱり。軽い後味 | 脂は少なく、すっきり | 大トロは少ない |
| ビンチョウマグロ | 赤身より「やわらかさ」が目立つ。淡い味 | びんとろは脂の甘みが出やすい | とろけるが、香りは穏やか |
| 本マグロ | 旨みが濃く、香りも上品 | 脂の甘みと旨みのバランスが良い | 口どけが良く、余韻が長い |
| ミナミマグロ | 赤身が濃く、しっかりした旨み | 脂の甘みが強く、コクが出やすい | 濃厚で贅沢感が強い |
メバチマグロはバランスが良く、回転寿司の定番として選びやすいです。キハダマグロはさっぱりして、軽い味が好きな人に向きます。ビンチョウマグロはやわらかさと脂の甘みで人気です。本マグロとミナミマグロは赤身の旨みと脂の質が強みになり、同じトロでも満足感が変わります。
マグロの身質ガイド|赤身・中トロ・大トロの違い

マグロの身質は、主に「脂の含まれる量」によって名前が変わります。背中側の「赤身」、お腹側の脂が程よく乗った「中トロ」、そして最も脂が集中する「大トロ」の3つが基本です。これらは一つの魚から取れますが、まるで別の食材かと思うほど異なる食感と風味を持っています。
| 部位 | 色 | 脂の含有量 | 食感 |
|---|---|---|---|
| 赤身 | 深い赤 | 低い | しっかり |
| 中トロ | 赤みがかったピンク | 中間 | 柔らかい |
| 大トロ | 淡いピンク | 高い | とろける |
赤身の特徴

赤身は、脂が少なく、さっぱりとした酸味と旨みをいちばん感じやすい部位です。「マグロそのものの味」を堪能したい時には、赤身が最適です。
赤身は筋肉が密集している部分であるため、脂肪が少ないのが特徴です。マグロが広大な海を泳ぎ続けるための酸素を蓄える成分が含まれており、これが特有の深い赤色と、かすかな酸味を生み出します。赤身は身が引き締まっているため、噛むほどに赤身の濃い味が口の中に広がります。
中トロの脂の入り方

中トロは赤身の旨味と脂の甘みが絶妙なバランスで混ざり合っており、誰にとっても「一番美味しい」と感じやすい部位です。
中トロは背中側とお腹側の両方に存在し、赤身と脂身が細かい層のように重なっています。全体に細かく脂が回っているため、赤身のようなしっかりとした食べ応えを残しつつ、口の中で優しくほどけるような柔らかさも同時に楽しめます。
赤身と脂の良いとこ取りをした中トロは、お寿司の中でも満足度が非常に高い部位です。口当たりが滑らかで、シャリ(酢飯)との相性も抜群です。
大トロが高価になる理由

大トロはマグロの体全体からごくわずかしか取れない「超希少部位」であり、その圧倒的な希少価値が価格を押し上げています。
大トロは主に頭に近いお腹側の限られた部分にしか存在しません。一匹の巨大なマグロから取れる割合はわずか数パーセントと言われており、手に入る量自体が非常に少ないです。
大トロが高価なのは、単に美味しいからだけではなく、一匹のマグロから取れる量が極めて少ないという「希少部位」としての貴重さが理由です。
マグロが子どもから大人まで人気がある理由

マグロが子どもから大人まで人気の理由は、味のクセが少なく食べやすいのに、赤身からトロまで選び方で満足感が変わるからです。家族で好みが違っても「同じマグロ」で選び分けができる点も、マグロの強さになっています。
マグロの人気は「食べやすさ」と「楽しみ方の幅広さ」の両方で説明できます。

まず、マグロは魚の中でも香りが強すぎないため、魚が苦手な子どもでも口に入れやすいです。赤身はさっぱりしていて、脂っこさが苦手な人にも向きます。中トロや大トロは脂の甘みがあるため、満足感を求める大人に選ばれやすいです。
さらに、マグロはにぎり寿司だけでなく、ねぎとろ軍艦、漬け、炙りなど、同じマグロでも表情が変わります。回転寿司は家族の好みがばらけやすい場面ですが、マグロは選択肢が多いので注文がまとまりやすいです。
回転寿司では冷凍マグロが主流?

回転寿司では冷凍マグロが主流です。冷凍マグロは「いつ行っても同じ味と価格で出せる」強みがあり、回転寿司の仕組みに合っています。冷凍だから質が低いという話ではありません。
回転寿司が冷凍マグロを使う理由は、大きく分けて三つあります。
一つ目は、安定供給です。マグロは世界中の海で獲れますが、天候や漁の状況で入荷が揺れます。冷凍マグロを確保しておくと、仕入れが乱れてもメニューを安定させやすいです。
二つ目は、品質の安定です。マグロは鮮度が落ちると色や食感が変わりやすい魚です。冷凍は鮮度の良い状態を止められます。上手に解凍すると、生に近い食感に仕上がります。
三つ目は、価格の安定です。回転寿司は一定の価格帯で出す必要があります。冷凍の在庫を持てると、相場が上がった日でも急に値上げしなくて済みます。
回転寿司のマグロが安い理由

回転寿司のマグロが安い理由は「大量にまとめて仕入れてコストを下げる仕組み」と「冷凍を上手に使ってロスを減らす仕組み」がそろっているからです。回転寿司チェーンは味を落とすために安くしているのではなく、仕組みで安くできる部分を増やしています。
大量仕入れによるコスト削減の仕組み

回転寿司チェーンは大量仕入れで単価を下げています。回転寿司チェーンは買う量が多いので、仕入れ先と価格交渉がしやすいです。
回転寿司チェーンは全国の店舗で同じネタを出す必要があります。回転寿司チェーンは一店舗ずつ少量で買うより、会社全体でまとめて買う方が安くなります。
大量仕入れは、値段だけではなく手間の面でも効果があります。仕入れ先は一度に大きな量を動かせるので、物流の手間が減ります。回転寿司チェーン側も発注や検品の回数が減り、管理コストを下げやすいです。
冷凍技術の進化が価格に与える影響

マグロは鮮度が落ちると色がくすみ、食感も変わりやすい魚です。そのため、良い状態を保つ工夫がとても重要になります。冷凍技術を上手に活用すれば、鮮度の高い状態を保ったまま長距離輸送が可能になります。
マグロを冷凍することで、遠い海域で水揚げされたマグロも安定して仕入れやすくなり、仕入れ先の選択肢が広がります。仕入れ先が増えると、価格が高騰する時期でも別の産地を選びやすくなり、価格の安定につながります。
マグロが冷凍であることで、必要な分だけ解凍できるため、売れ残りが出にくくなります。売れ残りが減ると無駄なコストも抑えられ、結果として価格を安定させやすくなります。
回転寿司のマグロをもっと楽しむ食べ方

回転寿司の主役であるマグロは、少しの工夫でその美味しさが何倍にも膨らみます。素材の魅力を最大限に引き出すための、楽しみ方をご紹介します。
回転寿司のマグロは「食べる順番」「醤油とわさびの使い方」を少し工夫するだけで満足感が上がります。高いネタを増やさなくても、味の感じ方を整えるだけでおいしさが伸びます。
赤身からトロへ味わう順番

マグロは赤身から中トロ、最後に大トロの順番で食べると違いがわかりやすいです。赤身からトロへ進む順番は味の強さが自然に上がるため、満足感も出やすいです。
人間の舌は、一度強い脂の甘みを感じてしまうと、その後に食べる繊細な味を感じにくくなりやすいです。最初に脂の多い大トロを食べてしまうと、赤身特有の爽やかな酸味や旨味が物足りなく感じてしまいます。
段階的に脂のレベルを上げていくことで、それぞれの部位が持つ異なる魅力を最後まで新鮮な感覚で堪能できます。
醤油とわさびの使い方で変わる味

醤油は香りが強い調味料です。醤油を多くつけると醤油の味が主役になり、マグロの味がわかりにくくなります。赤身は特に繊細なので、醤油の量で印象が変わりやすいです。
マグロの脂には、わさびのツーンとした辛味を和らげる不思議な性質があります。大トロのような濃厚な部位に多めのわさびを乗せても、脂の甘みが辛さを包み込み、爽やかな香りだけが鼻に抜ける極上の味わいに変わります。
テイクアウトで失敗しない選び方

テイクアウトは赤身中心に組み立てると失敗しにくいです。トロを入れる場合は量を絞り、食べるタイミングも早めにすると満足度が上がります。
テイクアウトは店内より温度管理が難しいです。時間が経つとシャリが乾きやすく、ネタの表面も変化しやすいです。脂の多いトロは温度の影響を受けやすく、口どけの良さが落ちやすいです。赤身は脂が少なく、変化が目立ちにくいです。
また、トロは脂が酸化すると香りが変わりやすいです。買ってから時間が経つと、脂の甘みより香りの変化が気になりやすいです。
テイクアウトは選び方だけでなく、持ち帰り方も大切です。家に着いたら早めに食べると味が崩れにくいです。
回転寿司で使っているマグロの種類:まとめ
回転寿司で使われるマグロの種類や味の違い、冷凍が主流になる理由、おいしく楽しむ食べ方までを整理しました。
身近な存在である回転寿司のマグロには、私たちが想像する以上に多くの知恵と技術が詰まっています。100円台という驚きの安さを実現するための世界規模の仕入れ努力や、獲れたての鮮度をそのまま届けるためのマイナス60度の超低温冷凍技術。
回転寿司のマグロは「安いからそれなり」ではありません。仕組みを知ると、価格と品質のバランスが見えてきます。それらを知ることで、目の前の一皿がより輝いて見えてくるのではないでしょうか。
今回の内容で、特に覚えておきたい重要なポイントをまとめました。
- 回転寿司で多く使われるのはメバチマグロ、キハダマグロ、ビンチョウマグロ
- 本マグロやミナミマグロは価格帯によって通常メニューにも登場する
- 赤身は旨み重視、中トロはバランス型、大トロは脂の甘みが主役
- 冷凍マグロは品質を保ち、価格と供給を安定させる役割がある
- 赤身からトロへ食べ進めると違いがわかりやすい
回転寿司のマグロは、種類と部位、そして仕組みを少し理解するだけで、選び方が変わります。なんとなく選ぶ一皿と、理由を知って選ぶ一皿では満足感が違います。
次に回転寿司へ行くときは、マグロの種類や部位、価格の意味を思い出してみてください。マグロの一貫が、今までよりも深く楽しめるはずです。

