「イワシの旬っていつなの?」「いつ買えば一番美味しいの?」
イワシは身近な魚でありながら、季節によって味や脂ののりが大きく変わる繊細な魚です。イワシの旬の時期を知ることで「脂がのっていてとろけるようなイワシ」「刺身で食べられるほど新鮮なイワシ」に出会える確率がぐっと上がります。
この記事では、イワシの旬、地域ごとの違い、そして選び方や保存方法まで、分かりやすく丁寧に解説します。
この記事を通して「旬のイワシってこんなに違うんだ!」と驚き、「今すぐ食べたくなる!」と感じていただけたら嬉しいです。
イワシの旬はいつ?

イワシは一年を通して流通していますが、「旬」の時期には脂がのって味が格段に良くなります。日本で食べられているイワシには数種類ありますが、ここでは最も一般的なマイワシを中心に解説します。
その他の種類のイワシについても触れながら、イワシの種類や産地、生態などを踏まえて、いつが本当に美味しい旬の時期なのかを詳しく解説します。
イワシ(マイワシ)旬は6〜8月
マイワシの旬は6月から8月にかけてで、この時期は最も脂がのっており、一年の中でも特に美味しい季節です。
マイワシは春から初夏にかけて栄養をたっぷり蓄え、産卵前の6月〜8月に最も脂がのります。この脂は、旨味や甘みを強く感じさせ、焼き魚や刺身にしたときに味の違いがはっきりわかります。また、「入梅イワシ」と呼ばれることもあり、梅雨の時期にとれるマイワシは特に高評価です。
6月〜8月のマイワシは、一年で最も美味しいタイミングです。この時期にスーパーや魚屋で見かけたら、ぜひ手に取って旬の味を楽しんでみてください。脂のりと旨味が違います。
千葉県銚子港の「入梅イワシ」が有名

千葉県銚子港で水揚げされる「入梅イワシ」は、品質と脂のりの良さから全国的にも知られています。
銚子港は黒潮と親潮が交わる好漁場に位置しており、プランクトンが豊富でイワシの餌環境が整っています。特に6月〜7月に水揚げされる「入梅イワシ」は、産卵前のマイワシが多く、脂がたっぷりのっていて身も厚く、全国の市場や飲食店からの評価も高いです。
銚子ではブランド化も進んでおり、地元の観光イベントやグルメフェアでも取り上げられることが多くなっています。
イワシの基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
漢字名 | 鰯 |
英名 | Sardine |
主な産地 | 茨城、千葉(銚子)、福島、宮城、鳥取など |
大きさ・見た目 | 10〜25cm程度。銀色の細長い体に、やや大きめの目と柔らかい鱗を持つ |
イワシの生態

イワシは回遊魚であり、群れで移動しながら成長・産卵を繰り返します。
イワシは水温や潮流に応じて日本列島を南北に移動します。産卵場所や餌の豊富な海域を求めて動くため、季節によって分布が大きく変わります。
回遊魚(かいゆうぎょ)とは、季節や成長に応じて、広い範囲の海を移動する魚のことです。
日本で食べられている主なイワシの種類
日本で一般的に流通しているイワシは「マイワシ(イワシ)」「カタクチイワシ」「ウルメイワシ」、それに加えて「シラス(イワシの稚魚)」の4種です。
水揚げ量や市場での流通、調理方法の多様さから、これらの種類が特に重宝されています。
イワシの種類によって旬の時期も味も異なります。
イワシの種類ごとの旬
種類 | 旬の時期 | 補足説明 |
---|---|---|
マイワシ | 6〜8月 | 入梅いわしとして知られる脂のり抜群の時期 |
カタクチイワシ | 10〜2月 | 秋から冬にかけて味が深まる |
シラス(稚魚) | 春(3〜5月)、秋(9〜11月) | 春と秋の二度の旬がある |
ウルメイワシ | 晩秋〜冬(10〜1月) | 干物に向いた甘みのある味わい |
種類ごとの旬を知れば、最もおいしい時期に食べることができます。
イワシの主な産地

茨城、千葉(銚子)、福島、宮城、鳥取が主なイワシの産地です。
黒潮や親潮の影響でプランクトンが豊富な海域にイワシが集まりやすいため、これらの地域での水揚げが多いです。
地域差あり!関東・北海道・九州のイワシの旬はいつ?
地域によって旬の時期が1〜2か月ほど異なります。
イワシは回遊しながら移動するため、南から北へ、または北から南へと旬がずれていきます。これは、イワシが水温や餌の豊富さを求めて移動する習性があるためです。
たとえば春に九州沿岸で水揚げが始まり、徐々に東北や北海道へと移動しながら旬を迎えるような流れになります。このため、同じイワシでも地域ごとに最もおいしい時期が変わるのです。
旬の時期を正確に知りたいときは、地域の情報を確認するのが大切です。パックに記載された産地を参考にしたり、お店の人に直接聞いてみるのも有効な方法です。
美味しさそれぞれ「入梅イワシ」「下りいわし」「春イワシ」

イワシは、季節や漁獲時期によって呼び名や味わいが変わることがあります。特に「入梅イワシ」「下りいわし」「春イワシ」は、それぞれの時期にとれるイワシの特徴を表した呼び方で、美味しさにも個性があります。
「入梅イワシ」はなぜ最高?
「入梅イワシ」は、梅雨入り前後の6〜7月に水揚げされるマイワシで、1年の中でも特に脂がのって美味しいとされます。
産卵前のマイワシは体内に栄養を蓄えており、脂肪分が豊富で旨味が凝縮されます。この時期のイワシは太って丸々とした見た目で、焼いても煮ても旨味が溢れます。
入梅イワシは、まさに“イワシの旬の王様”。最も脂がのったタイミングで味わいたい逸品です。
冬至・初冬の“下りイワシ”の魅力

下りイワシは、冬に南下してくるイワシで、寒い海で身が締まり、脂の質が高いのが特徴です。イワシは回遊魚のため、寒くなると暖かい海を目指して南下します。体力を維持するために脂肪が厚くなり、身も締まって食感が良くなります。
寒い季節の“下りイワシ”は、脂の質と食感の両方を楽しめる、冬のごちそうです。
春にとれる“春イワシ”って何?
春イワシは、冬を越えて春先に北上してくるイワシで、さっぱりとした味わいが魅力です。
冬の間に脂を使い切ったイワシは、春になると少しスリムになりますが、そのぶん身が柔らかく、さっぱりとした風味が楽しめます。
春イワシは、春キャベツのようにやさしい味わい。こってり系が苦手な人にもぴったりです。
鮮度抜群のイワシの選び方

イワシは鮮度が落ちやすく足がはやい魚として知られています。だからこそ、買うときには新鮮なものをしっかりと見極めることが大切です。ここでは、すぐに使えるイワシの選び方のポイントを紹介します。スーパーで迷ったときに役立つチェックリスト形式でまとめています。
食材の鮮度が落ちやすく、日持ちしないことを意味する言葉です。鮮度が命の魚や生ものを扱うときによく使われる、日本らしい表現です。
イワシの選び方チェックリスト
新鮮なイワシを選ぶには、「目が澄んでいる」「体に張りがある」「鱗が多く残っている」などのポイントを見ることが大切です。
イワシは他の魚に比べて鮮度の低下が早く、時間が経つとすぐに劣化が進みます。目が濁っていたり、体が柔らかくなっていたり、鱗が剥がれているものは、すでに鮮度が落ちているサインです。
逆に、目が黒く澄んでいて、体表にツヤがあり、ピンとした張りがあるものは、水揚げされてから時間が経っていない証拠です。
- 目が黒く澄んでいる(白く濁っていない)
- 体にピンとした張りがある(ぐにゃっとしていない)
- 鱗が多く残っている(剥がれていない)
- 表面にツヤがあり、なめらか
イワシを選ぶときは、目・体の張り・鱗・ツヤをチェックすると、鮮度の良し悪しがわかります。
イワシの保存方法

イワシは買ってきたらできるだけ早く処理し、冷蔵または冷凍保存を適切に行うことで、美味しさと安全性を保つことができます。
イワシはとても鮮度が落ちやすい魚で、すぐに傷んでしまいます。保存方法を間違えると、身が崩れたり臭みが出たりしてしまいます。冷蔵保存なら1日以内、冷凍保存なら2〜3週間が目安です。
冷凍後の解凍にもコツがあり、冷蔵庫内でゆっくり時間をかけて解凍するとドリップ(旨味の流出)を防げます。
冷蔵保存
- 頭と内臓を取り除いて、水気をふき取り、ラップで包む
- 保存は1日以内が目安
冷凍保存
- できれば3枚おろしや開きにして冷凍用袋に入れる
- 空気をしっかり抜いて密閉する(酸化防止)
- 保存は2〜3週間が目安
解凍方法
- 冷蔵庫内で一晩かけてゆっくり解凍する
- 急ぐ場合は氷水に袋ごとつける方法も可
旬のイワシを使ったおすすめ料理

旬のイワシは脂がのっていてどんな調理法でも美味しく、シンプルな料理こそ素材の良さが引き立ちます。
6〜8月など旬の時期のイワシは、身がふっくらしていて脂がよくのっています。クセも少なく、煮ても焼いても揚げても味がしっかり決まるのが特徴です。料理の幅が広いので、家庭でも扱いやすく、和風から洋風まで対応できます。
旬のイワシを使ったおすすめ定番料理6選
脂ののった旬のイワシは、家庭料理にぴったりです。手軽で美味しい定番メニューを知っておくと、旬の時期に迷わず活用できます。
- 塩焼き
皮がパリッと香ばしく、シンプルながら旨味が引き立つ王道メニュー。 - 生姜煮
骨までやわらかくなる甘辛味。冷めても美味しく、お弁当にもおすすめ。 - イワシのつみれ汁
ふんわり食感で、だしの風味と相性抜群。ネギや味噌ともよく合います。 - イワシの梅煮
脂と酸味のバランスが絶妙で、食欲のない日にもぴったり。 - イワシの刺身
新鮮なイワシを生で味わう一品。脂の甘みと柔らかい食感が際立ち、わさび醤油やおろし生姜と好相性。 - イワシのフライ
サクサクの衣に包まれたジューシーな身。おかずにもおつまみにもぴったりで、子どもから大人まで人気の定番メニュー。
イワシの旬はいつ?美味しいのはこの時期:まとめ
この記事では、「イワシの旬はいつなのか?」という疑問に答えるために、イワシの種類ごとの旬の時期、地域ごとの違い、鮮度の見分け方や保存方法、さらにはおすすめの食べ方までを丁寧にご紹介しました。
イワシは身近で手に入りやすい魚ですが、旬のタイミングを知ることで、その美味しさを何倍にも引き出すことができます。脂がのった時期のイワシは、焼いても煮ても刺身でも絶品です。
特に注目していただきたいポイントを、以下にまとめます。
- マイワシの旬は6〜8月で、入梅イワシと呼ばれるほど脂がのります
- カタクチイワシは秋から冬、ウルメイワシは晩秋から冬が旬です
- 地域によって旬の時期は異なり、南から北へとずれていきます
- 目が澄んでいて体に張りがあり、鱗が多く残っているものが新鮮な証拠です
- 冷蔵保存は1日以内、冷凍保存なら2〜3週間が目安です
- 旬のイワシは塩焼き、生姜煮、刺身、フライなど様々な料理に合います
次に魚売り場でイワシを見かけたときは、ぜひその日の鮮度や時期を意識して選んでみてください。きっと食卓に「旬の贅沢」が加わるはずです。
千葉県銚子港で水揚げされる「入梅イワシ」は、品質と脂のりの良さから全国的にも知られています。