肝が美味しい魚8選!あん肝だけじゃない絶品の味と食べ方
魚の肝といえば、濃厚でクリーミーな「あん肝」が有名ですよね。でも、実はアンコウ以外にも、肝が美味しい魚はたくさんあります。
「ほかにどんな魚の肝が美味しいの?」と気になっていませんか?
例えば、こんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
- 肝が美味しい魚には、どんな種類があるの?
- あん肝以外にも濃厚で美味しい魚の肝はある?
- 魚の肝はなぜクリーミーで美味しいの?
- 肝が一番美味しくなる時期はいつ?
- 魚の肝は家庭でどう料理すれば美味しく食べられる?
実は、カワハギやウマヅラハギ、マダラなどにも、肝を楽しむ食べ方があります。魚によって味わいやおすすめの料理が違うのも面白いところです。
この記事では、肝が美味しい魚8種類を中心に、味の特徴や旬、選び方、おすすめ料理、安全に食べるための注意点まで、わかりやすく紹介します。
肝の魅力を知れば、スーパーや鮮魚店で魚を選ぶ楽しみも増えるはずです。
肝が美味しい魚8選!定番から知る人ぞ知る絶品魚まで

魚の肝というと、まず思い浮かぶのはアンコウの「あん肝」ではないでしょうか。実は、濃厚な肝を楽しめる魚はほかにもあります。
カワハギやウマヅラハギは白身と肝の組み合わせが魅力で、マダラの肝は郷土料理の味を支える大切な存在。さらに、ヒラメやマトウダイなど、肝まで料理に取り入れられる魚もあります。
今回は、定番から少し珍しい魚まで、8種類の肝の特徴と家庭での楽しみ方を紹介します。普段は魚の身だけを買っている方も、肝の美味しさを知れば、魚料理の楽しみが広がるかもしれません。
なお、魚の肝は内臓の一部です。厚生労働省の「アニサキス食中毒に関するQ&A」では魚の内臓を生で食べないよう注意しているため、家庭では十分に加熱して楽しみましょう。
| 魚の種類 | おすすめの食べ方 |
|---|---|
| アンコウ | あん肝蒸し・肝入り鍋 |
| カワハギ | 肝醤油・肝和え |
| ウマヅラハギ | 肝醤油・肝の煮付け |
| マダラ | 肝入り鍋 |
| カサゴ | 煮付け・汁物 |
| ヒラメ | 肝醤油・肝の煮付け |
| マダイ | 肝の煮付け |
| マトウダイ | 肝の煮付け |
アンコウ|冬の味覚「あん肝」はなぜ珍重されるのか

アンコウの肝を使った「あん肝」は、濃厚でなめらかな口当たりが魅力の珍味です。蒸したあん肝は、ねっとりとした食感と豊かなコクを楽しめるため、アンコウ料理のなかでも特に人気があります。
アンコウの肝が昔から珍重されてきたことは、農林水産省の「うちの郷土料理・あんこうの共酢」でも紹介されています。江戸時代には五大珍味の一つに数えられていたほどです。
例えば、茨城県の郷土料理「どぶ汁」では、アンコウの肝を汁に溶かし込んで使います。一方、あん肝蒸しなら、肝そのものの濃厚な味わいを楽しめます。
初めて食べるなら、十分に加熱調理された市販のあん肝をポン酢で味わってみるのもおすすめです。
カワハギ|「海のフォアグラ」と呼ばれる濃厚でクリーミーな肝

カワハギは、あっさりした白身と濃厚な肝を一緒に楽しめる魚です。肝は脂がのってクリーミーな味わいになることから、「海のフォアグラ」とも呼ばれています。
大阪府の「カワハギ」でも、肝が海のフォアグラと賞されることや、刺身・煮付け・鍋物などで食べられることが紹介されています。
なるほどポイント: カワハギは身だけでなく、肝まで楽しむことを考えて選びたい魚です。
京都府の「丹後の海の生き物(カワハギ)」によると、丹後地方の鮮魚店では、肝だけを残してほかの内臓を取り除いたカワハギが販売されることもあるそうです。
スーパーや鮮魚店でカワハギを丸ごと購入するなら、肝を食べたいことを伝え、取り分けてもらえるか確認してみましょう。
ウマヅラハギ|カワハギにも負けない肝のコクと上品な甘み

ウマヅラハギも、濃厚な肝を楽しめる魚の一つです。カワハギと同じ仲間ですが、顔が馬のように長いことから、ウマヅラハギという名前が付いています。
新潟県の「佐渡のお魚情報通信(ウマヅラハギ第2号)」では、ウマヅラハギの新鮮な肝は濃厚な風味で美味しいと紹介されています。
なるほどポイント: カワハギとウマヅラハギは別の魚ですが、どちらも肝の美味しさを楽しめます。魚売り場で名前が違っていても、肝に注目してみる価値があります。
福岡県ではウマヅラハギを「メンボ」と呼び、肝を醤油に溶かして刺身と合わせる食べ方が親しまれています。全国のプライドフィッシュ「メンボ(ウマヅラハギ)」でも、その濃厚な味わいが紹介されています。
家庭では、十分に加熱した肝を少量の醤油に混ぜ、刺身用として販売された白身に添えると、肝のコクを楽しめます。
マダラ|鍋で白子と一緒に味わう

マダラの肝は、鍋料理や汁物にコクを加える食材として親しまれています。
山形県の郷土料理「どんがら汁(寒鱈汁)」では、マダラの身や骨、内臓を使い、肝や白子が味の決め手になります。農林水産省の「うちの郷土料理・どんがら汁/寒鱈汁」によると、肝を味噌仕立ての汁に溶いたり、一口大にして煮込んだりするそうです。
なるほどポイント: マダラの肝と白子は別の部位です。肝は汁にコクを加え、白子はやわらかな食感を楽しむ具材として、それぞれ違った役割があります。
山形県などでは、どんがら汁用の材料をまとめたセットがスーパーで販売されることもあります。
マダラの肝を家庭で楽しみたいなら、肝入りの鍋用セットを探してみるとよいでしょう。身や白子と一緒に十分煮込めば、一つの鍋で異なる味わいを楽しめます。
白子(しらこ)は、雄の魚の精巣のことです。肝とは異なり、ふんわりとした食感が特徴です。
カサゴ|煮付けで楽しみたい魚の肝

カサゴは、煮付けで親しまれている白身魚ですが、肝も料理に利用できます。
三重県漁業協同組合連合会の「カサゴ/笠子」では、代表的な調理法として煮付けや鍋物が紹介されています。
また、水産総合研究センター(現・水産研究・教育機構)の広報誌「FRANEWS Vol.26」21ページには、新鮮なカサゴの肝や胃袋などを使った味噌汁が掲載されています。
なるほどポイント: カサゴは身を煮付けにするだけでなく、肝も取り分けて別の料理に利用できる魚です。
家庭で丸ごとのカサゴを煮付けにする場合も、鮮魚店に肝を加熱調理用として取り分けてもらえるか相談してみましょう。
肝を利用する場合は、身とは別に十分火を通してから煮付けに添える方法もあります。いつもの煮魚で、身とは違った部位の味を楽しむのもよいでしょう。
ヒラメ・マダイ|淡白な白身を引き立てる肝の味わい

ヒラメとマダイは、刺身や焼き魚などで親しまれる白身魚ですが、肝を使った料理もあります。
神奈川県漁業協同組合連合会の「ヒラメ」では、ヒラメの肝の煮付けが美味しいと紹介されています。
また、新潟県の釣り船「こうゆう丸」の「マダイの食べ方・料理法」には、マダイの肝や卵巣を煮付けにしたり、肝を味付けして焼いたりする利用例が掲載されています。
なるほどポイント: ヒラメやマダイは白身を食べるイメージが強いものの、肝にも別の楽しみ方があります。ただし、肝の味や食感が同じというわけではありません。
それぞれの使い方を簡単に整理すると、次のようになります。
- ヒラメ: 肝の煮付けとして楽しむ方法がある
- マダイ: 肝を煮付けや焼き物に利用した例がある
丸ごとのヒラメやマダイを購入する機会があれば、身だけでなく肝の利用方法も鮮魚店で聞いてみると、料理の選択肢が広がります。
マトウダイ|脂ののった肝が美味しい隠れた名魚

マトウダイは、淡白な白身だけでなく、濃厚な肝も楽しめる魚です。あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、島根県浜田市では「バトウ」と呼ばれ、地元で親しまれています。
島根県の広報誌「シマネスク・島根がウマイ」では、マトウダイの濃厚な肝を加えた鍋料理が紹介されています。
なるほどポイント: マトウダイは白身のフライが地元の定番料理ですが、肝を加えた鍋でも楽しまれています。同じ魚でも、身と肝で違った美味しさを味わえるのです。
また、島根県の「10月のおすすめ料理・マトウダイ」には、肝を添えた薄造りの料理例も掲載されています。
家庭で初めてマトウダイを調理するなら、肝まで利用できる状態か鮮魚店で確認し、十分に加熱した肝を鍋に加えて楽しむ方法がおすすめです。
魚の肝はなぜ美味しい?濃厚な旨みと味わいの秘密

魚の肝が美味しいと感じられる理由の一つは、肝に含まれる脂質です。魚の身はあっさりしていても、肝には脂質が多く含まれる場合があり、同じ魚でも部位によって味わいが大きく変わります。
ただし、脂質が多ければ必ず美味しいというわけではありません。肝の味わいには、脂質だけでなく、香りや食感なども関係しています。
また、肝は白子や魚卵と混同されやすく、白身魚の肝が特に美味しいのか、肝が大きいほど味がよいのか、といった疑問もあります。
魚の肝をより深く知るために、まずは次の4つのポイントを見ていきましょう。
魚の肝とはどこの部位?白子や魚卵との違い

魚の「肝(きも)」とは、魚のお腹の中にある肝臓のことです。人間にも肝臓があるように、魚にも肝臓があり、食用として利用される魚種では珍味として楽しまれています。
一方、肝と混同されやすい白子や魚卵は、肝臓とはまったく異なる部位です。
それぞれの違いを簡単に整理すると、次のようになります。
- 肝(きも): 魚の肝臓。アンコウの「あん肝」などが代表的
- 白子(しらこ): 雄の魚の精巣。マダラの白子などが知られている
- 魚卵(ぎょらん): 雌の魚が持つ卵。イクラやタラコなどが代表的
白子が雄の魚の精巣であることは、大日本水産会の「白子(シラコ)のポン酢漬け!」でも説明されています。また、北海道の「スケトウダラ」では、雌の卵巣がタラコや明太子に利用されることが紹介されています。
なるほどポイント: 肝は雄にも雌にもある臓器ですが、白子は雄、魚卵は雌が持つものです。名前だけでなく、体の中での役割も違います。
例えば、魚売り場で「タラの白子」を見つけても、タラの肝が入っているわけではありません。
丸ごとの魚を購入して内臓も料理に使いたい場合は、肝と白子・魚卵を間違えないよう、鮮魚店で確認するとよいでしょう。
魚の肝がクリーミーで濃厚に感じられる理由

魚の肝が濃厚でクリーミーに感じられる理由の一つは、肝に含まれる脂質です。特にアンコウやカワハギでは、身と肝の脂質量に大きな違いが見られます。
例えば、文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」では、アンコウの脂質量が次のように示されています。
同じアンコウでも、身と肝では脂質量が大きく異なることがわかります。
また、日本脂質栄養学会誌に掲載された「食品のおいしさに寄与する脂質の役割」では、食品の脂質が味や香り、食感に影響し、コクを強める働きがあると説明されています。
なるほどポイント: 魚の肝の濃厚さは、脂質の量だけで決まるわけではありません。口当たりのなめらかさや、口の中に広がる香りなども、美味しさに関係しています。
身と肝の違いを楽しみたいなら、十分に加熱した肝を、あっさりした白身と少しずつ合わせて味わってみるのもおすすめです。
身だけを食べたときとは違う、肝ならではのコクを感じられるでしょう。
脂質とは、食品に含まれる脂肪や油などの成分の総称です。食品の味わいや食感にも関わっています。
魚の肝がおいしいのは白身魚が多い?

肝の美味しさで知られる魚には、白身魚が多く登場します。今回紹介したアンコウ、カワハギ、ウマヅラハギ、マダラ、カサゴ、ヒラメ、マダイ、マトウダイの8種類も、すべて白身魚です。
ただし、赤身魚にも肝を美味しく食べる例があります。
- カツオ: 茨城県の「カツオの肝煮&肝焼き」では、肝を生姜や醤油で煮たり、塩コショウで焼いたりする料理が紹介されている
- ワラサ(ブリ): 新潟県の釣り船「こうゆう丸」では、肝を料理に利用できる魚の一つとして紹介されている
なるほどポイント: 肝が美味しい魚として白身魚が目立ちますが、赤身魚の肝にも食べ方があります。白身魚か赤身魚かという分類だけで、肝の美味しさが決まるわけではありません。
なお、農林水産省の「サケは赤身の魚ですか、白身の魚ですか」によると、赤身魚と白身魚は、筋肉に含まれる色素タンパク質の量によって区別されています。肝の味や脂質量を基準にした分類ではありません。
魚の肝を楽しみたいなら、白身魚かどうかだけでなく、肝を使った料理が知られている魚種を選ぶとよいでしょう。
ただし、魚の肝には食用に適さないものもあるため、必ず食用であることを確認し、家庭では十分に加熱して食べることが大切です。
肝の大きさと美味しさは比例する?魚種や個体による違い

魚の肝は、大きいほど美味しいとは限りません。肝の大きさは食べられる量を考える目安になりますが、味の良し悪しを大きさだけで決めることはできないためです。
カワハギの場合、肝の大きさや脂質量には、育った環境や餌の影響が見られます。
東海大学の研究「地下海水を用いた陸上養殖で異なる飼料がカワハギの成長に与える影響」では、油脂を添加した餌を与えたカワハギの肝で脂質が増加し、脂質の組成も餌の影響を受けることが確認されています。
また、徳島県の研究「ブリと混養された徳島産カワハギとウマヅラハギの肝臓と筋肉の品質評価」では、調査したカワハギ類の肝について、脂質量や大きさに個体差があることが示されています。
なるほどポイント: 肝が大きいことと、肝の味が美味しいことは同じ意味ではありません。肝の脂質量や成分にも注目する必要があります。
そのため、魚を購入するときは、大きさだけでなく、次の点も意識するとよいでしょう。
- 肝を食用にすることが知られている魚種か
- 肝付きで購入できるか
- 鮮魚店で肝の状態や調理方法を確認できるか
肝が大きい魚を選ぶことだけにこだわらず、魚種や販売状態も確認して、自分が料理しやすいものを選ぶのがおすすめです。
肝が一番美味しい時期はいつ?

魚の肝を美味しく味わうなら、まず注目したいのが旬の時期です。アンコウやカワハギのように、特定の季節になると肝が大きくなり、美味しさが増すとされる魚があります。
ただし、魚の身が美味しい時期と、肝が美味しい時期が必ず一致するわけではありません。魚によっては、身を楽しむ時期と肝を楽しむ時期が異なるため、何を食べたいかによって選び方も変わります。
旬を知っておけば、スーパーや鮮魚店で魚を選ぶときの参考になります。肝を目当てに購入するなら、魚の名前だけでなく、肝が美味しくなる季節にも注目してみましょう。
旬の時期が肝が美味しい時期になりやすい

魚の肝は、旬の時期に美味しくなる場合があります。ただし、魚の旬と肝の旬は必ずしも同じではないため、魚種ごとの違いを知っておくことが大切です。
例えば、船橋市の「今月の旬の素材(カワハギ)」では、カワハギの旬として6~8月と、肝が大きくなる11~2月が紹介されています。
また、農林水産省の「うちの郷土料理・あんこうの共酢」によると、茨城県のアンコウは12~2月に肝が特に大きくなり、味がよいとされています。
肝が美味しくなる時期の目安を整理すると、次のようになります。
- カワハギ: 11~2月頃に肝が大きくなる
- アンコウ: 12~2月頃に肝が特に大きくなり、味がよいとされる
なるほどポイント: 魚の旬は一つとは限りません。カワハギのように、身を楽しむ時期と肝を楽しむ時期が異なる魚もあります。
そのため、スーパーで肝付きの魚を探すなら、肝が美味しくなる季節を目安にするとよいでしょう。
ただし、旬の時期でも肝の大きさや状態には個体差があります。季節だけで判断せず、鮮魚店で肝の状態を確認して購入するのがおすすめです。
美味しい魚の肝を選ぶには?購入時に確認したいポイント

美味しい魚の肝を選ぶには、肝の大きさだけでなく、魚の鮮度や販売されている状態を確認することが大切です。
特に、丸ごとの魚を購入するときは、目の輝きや体の張り、においなどが鮮度を判断する手がかりになります。ただし、魚の外見がよくても、肝の状態まで正確にわかるとは限りません。
また、魚の肝はスーパーでも購入できる場合がありますが、肝が取り除かれていたり、加工済みの商品として販売されていたりすることもあります。
肝を目当てに魚を買うなら、どこを確認すればよいのでしょうか。料理初心者でも迷わないように、購入時に役立つ3つのポイントを紹介します。
鮮度のよい魚を見分けるには?目・身・においのチェックポイント

新鮮な魚を選ぶときは、目の輝き、体の張り、においなどを確認しましょう(パックされている魚はにおいは確認できません)。一つの特徴だけで判断せず、魚全体の状態を見ることが大切です。
千葉県の「鮮度の見分け方」では、鮮度のよい魚を見分けるポイントが紹介されています。
主なチェックポイントを整理すると、次のようになります。
- 目: 澄んでいて、ふっくらとした光沢がある
- 身・体表: 全体にツヤと張りがあり、身に弾力がある
- におい: 不快な魚臭が少ない
- 切り身: 変色や身割れがなく、パックに血汁がたまっていない
特に肝を目当てにカワハギを購入する場合は、においにも注目したいところです。
大阪市中央卸売市場本場市場協会の「11月の旬の食材」では、カワハギは内臓が傷みやすく、傷むと独特のにおいが出るため、丸ごとの魚はにおいに注意して選ぶよう紹介されています。
なるほどポイント: 魚の鮮度は、目がきれいかどうかだけでは判断できません。目・体の張り・においを組み合わせて確認することが大切です。
スーパーで魚を選ぶときは、まず目と体全体を見て、気になる点があれば鮮魚担当者に確認してみましょう。
ただし、見た目やにおいだけで肝の安全性まで判断することはできません。鮮度のよさは購入時の目安として考えましょう。
肝が大きい魚の特徴は?お腹の張りだけで判断しない選び方

肝が大きい魚を選びたいときは、お腹の膨らみだけで判断せず、魚種や肝の状態を確認することが大切です。
カワハギの場合、京都府の「丹後の海の生き物(カワハギ)」では、寒くなるにつれて肝が大きくなることが紹介されています。
ただし、お腹が膨らんでいるからといって、必ず肝が大きいとは限りません。魚のお腹には肝臓以外にもさまざまな臓器が入っているためです。
例えば、岩手県水産技術センターの「ミニ知識/サケの解剖」では、雌のサケのお腹に卵が詰まった卵巣がある様子を確認できます。
なるほどポイント: お腹が大きいことと、肝が大きいことは同じではありません。肝の量を知りたいなら、外見だけで判断するより、実際の肝の状態を確認する方が確実です。
スーパーや鮮魚店で肝付きの魚を探すときは、次のように聞いてみるとよいでしょう。
- 「肝が大きいカワハギはありますか?」
- 「肝は残っていますか?」
- 「肝の状態を確認してもらえますか?」
肝の大きさにこだわる場合は、魚をさばく前に鮮魚担当者へ相談してみるのがおすすめです。
魚の肝はスーパーでも買える?

魚の肝は、スーパーでも購入できる場合があります。ただし、肝だけで販売されているとは限らず、肝付きの丸魚や加工済みの商品を探す方法もあります。
例えば、京都府の「魚の下処理(カワハギ)」では、スーパーや魚屋で新鮮なカワハギを入手する方法が紹介されています。
また、京都府の「丹後の海の生き物(カワハギ)」によると、丹後地方では、肝だけを残してほかの内臓を取り除いたカワハギが魚屋に並ぶこともあるそうです。
なるほどポイント: スーパーで販売されている魚は、すでに内臓が取り除かれている場合があります。肝を食べたいなら、購入前に肝が残っているか確認することが大切です。
農林水産省の「魚を美味しくおうちごはん」では、スーパーや鮮魚店の魚をおろすサービスについても紹介されています。
魚をさばくのが苦手な方は、鮮魚担当者に「肝を料理に使いたいので、取り分けてもらえますか?」と相談してみましょう。店舗によって対応できる内容は異なります。
また、アンコウの肝なら、すでに蒸したり加熱加工したりした商品も販売されています。
初めて魚の肝を食べるなら、調理済みの商品から試してみるのもよいでしょう。購入するときは、加熱済みかどうかや保存方法、食べ方を商品表示で確認してください。
魚の肝を美味しく食べるおすすめ料理5選

魚の肝は、調理方法によってさまざまな味わいを楽しめる食材です。醤油に混ぜれば白身魚の刺身を引き立てる調味料になり、煮付けや鍋に加えれば、いつもの魚料理にコクをプラスできます。
特に、アンコウやカワハギなどの肝は、蒸したり、身と和えたりする料理でも親しまれています。肝そのものの味を楽しみたいのか、魚の身と一緒に味わいたいのかによって、料理を選ぶのもよいでしょう。
ただし、魚の肝は内臓なので、家庭では十分に加熱することが大切です。初めて調理する方にもわかりやすいように、代表的な5つの食べ方を紹介します。
肝醤油|肝の旨みで白身魚の刺身を楽しむ

肝醤油(きもじょうゆ)は、魚の肝を醤油に混ぜて作る、濃厚な味わいの醤油です。特にカワハギの刺身と合わせる食べ方が知られています。
長崎県の「長崎産カワハギの梅干煮」でも、カワハギの薄造りを肝醤油で食べる美味しさが紹介されています。
なるほどポイント: 肝醤油は、醤油に肝のコクを加えることで、あっさりした白身魚の刺身を違った味わいで楽しめるのが魅力です。
家庭で作るなら、食用にできることを確認した肝を中心まで十分に加熱し、なめらかにつぶしてから少量の醤油と混ぜる方法が考えられます。刺身は必ず生食用として販売されたものを使いましょう。
なお、厚生労働省の「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」では、魚の内臓を生で食べないよう注意しています。
肝を生のまま醤油に混ぜるのではなく、十分に加熱して使うことが大切です。
肝和え・共和え|魚の身と肝を合わせる伝統的な食べ方

肝和え(きもあえ)は、魚の身と肝を混ぜ合わせて食べる料理です。肝醤油が刺身につけて食べる調味料なのに対し、肝和えは身に肝を絡めて仕上げるところが異なります。
例えば、福島県相馬市に伝わる「あんこうのとも和え」は、ゆでたアンコウの身を、肝・味噌・砂糖を炒め合わせたものと和える郷土料理です。
農林水産省の「うちの郷土料理・あんこうのとも和え」で、詳しい作り方が紹介されています。
なるほどポイント: 肝和えというと刺身を使うイメージがあるかもしれませんが、アンコウのとも和えのように、身も肝も加熱して作る料理があります。
家庭で試すなら、ゆでたアンコウの身に、十分に加熱した肝を味噌と合わせて絡める方法がよいでしょう。
肝の濃厚さに味噌の風味が加わり、ご飯のおかずにも取り入れやすい一品です。
「とも和え」とは、食材と同じ種類の食材や、その一部を使った和え衣で仕上げる料理のことです。
あん肝蒸し|ねっとり濃厚な味わいを楽しむ定番料理

あん肝蒸しは、アンコウの肝を蒸して仕上げる定番料理です。肝そのものの濃厚な味わいを楽しみたい方に向いています。
島根県の「1月のおすすめ料理・アンコウ」でも、あん肝を蒸し器で加熱してから料理に使う方法が紹介されています。
家庭で生のあん肝から作る場合は、次のような流れになります。
- 食用として販売されているあん肝を用意する。
- 血の塊や筋を取り除き、下処理をする。
- 形を整えて蒸し器に入れ、中心まで十分に加熱する。
- 粗熱を取ってから食べやすく切り、ポン酢などを添える。
なるほどポイント: あん肝蒸しは、調理したあとに冷ましてから切り分けると、きれいに盛り付けやすくなります。
なお、あん肝の大きさや厚みによって必要な加熱時間は変わります。蒸し時間だけに頼らず、中心まで火が通っていることを確認しましょう。
下処理が難しそうな場合は、加熱済みの市販品を選ぶと、手軽にあん肝の味を楽しめます。
肝の煮付け|煮魚と肝のコクを味わう

魚の肝は、甘辛い煮汁で煮付けにしても楽しめます。肝に醤油や砂糖の味が加わるため、蒸した肝とは違った味わいになるのが魅力です。
例えば、神奈川県漁業協同組合連合会の「ヒラメ」では、ヒラメの肝の煮付けが美味しいと紹介されています。
また、長崎県の「長崎産カワハギの梅干煮」には、カワハギの身と肝を一緒に煮込む調理法が掲載されています。
なるほどポイント: 肝は身と別々に料理するだけでなく、煮魚と一緒に調理する楽しみ方もあります。
家庭で作る場合は、食用に適した肝を用意し、醤油・酒・みりん・砂糖などを合わせた煮汁で十分に火を通しましょう。
煮崩れが気になるときは、肝を無理に動かさず、スプーンで煮汁をかけながら仕上げる方法もおすすめです。
肝入り鍋|アンコウやマダラの旨みを楽しむ冬のごちそう

肝入り鍋は、魚の身や野菜と一緒に肝を煮込む料理です。肝を汁に溶かし込めば、鍋全体にコクを加えられます。
代表的なのが、アンコウ鍋とマダラを使った鍋」です。
農林水産省の「うちの郷土料理・どんがら汁/寒鱈汁」では、マダラの肝を味噌仕立ての汁に溶いたり、一口大に切って煮込んだりする方法が紹介されています。
肝の使い方によって、鍋の仕上がりにも違いが生まれます。
- 肝を汁に溶かす: 鍋のスープ全体にコクを加えられる
- 肝を具材として入れる: 肝そのものの味や食感を楽しめる
なるほどポイント: 肝入り鍋は、肝を全部溶かす必要はありません。スープに使う分と、具材として食べる分に分ける方法もあります。
実際に、島根県の「1月のおすすめ料理・アンコウ」では、蒸したあん肝の一部を炒って味噌と合わせ、残りを鍋の具材として加えるレシピが紹介されています。
家庭で初めて作るなら、肝入りの鍋用セットを利用するのも一つの方法です。魚の身や野菜、肝を十分に加熱し、好みの味噌味に仕上げて楽しみましょう。
どんがら汁は、山形県庄内地方で親しまれるマダラの郷土料理です。「どんがら」は魚の頭や骨などの「あら」を指しています。
魚の肝を食べる前に知っておきたい下処理と注意点

魚の肝を美味しく食べるには、下処理と食の安全について知っておくことが大切です。肝に残った血や胆のうは、料理の生臭さや苦みにつながることがあり、丁寧に取り除くことで仕上がりが変わります。
また、魚の肝は新鮮であっても、生で食べることはおすすめできません。寄生虫による食中毒の危険があるほか、フグやソウシハギなど、肝に有害な成分を含む魚もいるためです。
家庭では、食用に適した魚の肝を選び、購入した当日に十分加熱して食べることを基本にしましょう。
魚の肝を安心して料理に取り入れるために、下処理・加熱・魚種・保存の4つのポイントを確認していきましょう。
肝の生臭さや苦みはなぜ出る?血合い・胆のうと下処理の関係

魚の肝を美味しく調理するには、血管や血の塊、胆のうを丁寧に取り除くことが大切です。血は生臭さの原因になり、胆のうを傷つけると苦みが肝や身に移ることがあります。
例えば、鮮魚専門店の魚力が紹介する「あん肝みぞれ酢和え」では、あん肝の血管を取り除き、塩と酒を加えた水に漬けて血抜きをしています。
また、大日本水産会の「魚の緑色部分は胆のう≒苦玉?」では、胆のうをつぶすと魚の身に苦みや色が移ることがあると説明されています。
なるほどポイント: 肝の苦みは、肝そのものの味とは限りません。胆のうに含まれる胆汁が付着して、苦く感じられる場合もあります。
肝を下処理するときは、次の点を意識しましょう。
- 血管・血の塊: 目立つ部分を丁寧に取り除く
- 胆のう: 破らないように肝から切り離す
- 水分: 下処理後は清潔なキッチンペーパーで拭き取る
特に胆のうは、肝と一緒に取り出してしまわないよう注意が必要です。胆のうを傷つけた場合は、胆汁が付着した部分をそのまま料理に使わず、状態を確認しましょう。
魚をさばくことに慣れていない方は、鮮魚店で肝の下処理をお願いする方法もあります。
胆のうは、肝臓で作られた胆汁をためる袋状の臓器で、「苦玉(にがだま)」とも呼ばれます。血合いは魚の身にある血の多い部分で、肝に残った血管や血の塊とは異なります。
魚の肝は生で食べられる?加熱を基本にした安全な楽しみ方

魚の肝は、家庭では生で食べず、十分に加熱して楽しむことをおすすめします。
理由の一つは、魚の内臓に寄生することがあるアニサキスです。アニサキスは寄生虫の一種で、生きた幼虫が付いた魚介類を食べると、食中毒を起こすことがあります。
厚生労働省の「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」では、魚の内臓を生で食べないよう注意を呼びかけています。
また、アニサキスは醤油や酢、わさびなどを付けても死滅しないため、調味料だけで安全に食べられるようになるわけではありません。
なるほどポイント: 新鮮な魚だからといって、寄生虫がいないとは限りません。肝を生で食べられるかどうかは、鮮度だけでは判断できないのです。
厚生労働省では、アニサキスへの対策として、70℃以上、または60℃なら1分の加熱を示しています。
家庭で肝を調理するときは、次の点に注意しましょう。
- 食用にできることが確認された肝を使う
- 蒸し物や煮付けなどで中心まで十分に加熱する
- 表面だけの湯通しで加熱を済ませない
なお、アニサキスに有効な加熱方法でも、魚の種類によっては有害な成分を取り除けない場合があります。
肝を食べる前には、十分な加熱に加えて、食用に適した魚種かどうかも確認することが大切です。
フグ・ソウシハギ・イシナギなど食べてはいけない肝に注意

魚の肝には、食用にできないものがあります。特に、フグ・ソウシハギ・イシナギの肝は、家庭で調理して食べてはいけません。
魚によって危険の原因が異なり、加熱しても安全に食べられるようになるとは限らないためです。
それぞれの注意点を整理すると、次のようになります。
- フグ: 肝臓は有毒部位で、種類や天然・養殖を問わず販売・提供が禁止されている
- ソウシハギ: 肝臓などの内臓にパリトキシンという有害な成分を蓄積することがある
- イシナギ: 肝臓に非常に多くのビタミンAが含まれ、過剰摂取による食中毒を起こすおそれがある
フグについては、厚生労働省の「安全なフグを提供しましょう」で、肝臓が食用禁止であることや、加熱してもフグ毒を無毒化できないことが説明されています。
また、大阪府の「有毒魚ソウシハギは食べないでください!!」では、ソウシハギの内臓にパリトキシンが蓄積されることがあるため、食べないよう注意を呼びかけています。
イシナギについても、厚生労働省の「自然毒のリスクプロファイル:魚類:ビタミンA」で、肝臓が食用禁止とされていることを確認できます。
なるほどポイント: 魚の肝は、加熱すれば何でも食べられるわけではありません。肝に含まれる有害な成分の種類によっては、調理しても危険が残ります。
例えば、釣りで見慣れない魚が釣れた場合、カワハギに似ているからといって、肝を食べるのは危険です。
魚の種類を正確に判断できない場合は、肝だけでなく、その魚自体を食べないようにしましょう。
パリトキシンは、非常に強い毒性を持つ物質です。また、ビタミンAは通常の食事では必要な栄養素ですが、イシナギの肝臓のように極端に多く含まれるものを食べると、健康被害につながる場合があります。
魚の肝を保存するときは?冷蔵・冷凍と鮮度管理

魚の肝は、購入した当日に調理して食べることを基本にし、生のまま翌日以降に持ち越すことはおすすめしません。
魚の内臓は取り扱いに注意が必要な部位です。また、冷蔵庫に入れておけば、いつまでも鮮度が保たれるわけではありません。
農林水産省の「冷蔵庫のかしこい使い方」では、冷蔵庫内でも増える食中毒菌がいることや、食品のにおいや色だけでは安全性を判断できないことが説明されています。
なるほどポイント: 冷蔵庫は食品の傷みを遅らせるためのもので、保存中の食品の安全性を保証するものではありません。
家庭で生の肝を購入した場合は、次のように扱うとよいでしょう。
- 購入後: 保冷しながら持ち帰り、速やかに冷蔵庫へ入れる
- 調理まで: 清潔な容器に入れ、ほかの食品に汁が付かないようにする
- 調理する日: できるだけ購入当日に下処理と加熱を済ませる
- 翌日以降: 生の肝を長期間保存して使うことは避ける
また、家庭での生の肝の冷凍保存も、積極的にはおすすめしません。
冷凍は保存方法の一つですが、冷凍したからといって、もともと傷んでいた肝が新鮮な状態に戻るわけではありません。また、魚種によっては自然毒の問題もあるため、冷凍を安全性の判断材料にしないことが大切です。
一方、市販の加熱済みあん肝や冷凍加工品は、商品に表示された保存方法や消費期限・賞味期限に従って扱いましょう。
家庭で生の肝を楽しむなら、「食べる日に購入して、十分に加熱する」というシンプルな方法を基本にすると、保存で迷う場面を減らせます。
まとめ|肝が美味しい魚を知れば、いつもの魚料理がもっと楽しくなる

この記事では、肝が美味しい魚8種類をはじめ、肝の味わいの秘密や美味しい時期、選び方、おすすめ料理、食べる際の注意点まで紹介しました。
魚の肝といえばアンコウの「あん肝」が有名ですが、カワハギやウマヅラハギ、マダラ、マトウダイなどにも、肝を楽しむ食文化があります。
今回の重要なポイントを振り返ってみましょう。
- 肝が美味しい魚はアンコウだけではない: カワハギやウマヅラハギなど、さまざまな魚の肝が料理に利用されている
- 肝の濃厚な味わいには脂質が関係している: 同じ魚でも、あっさりした身とコクのある肝では味わいが異なる
- 肝が美味しい時期は魚によって違う: カワハギやアンコウなどは、寒い時期に肝が大きくなりやすい
- 肝の大きさだけで美味しさは判断できない: 魚の鮮度や肝の状態を確認することが大切
- 肝の食べ方はさまざま: 肝醤油や肝和え、蒸し物、煮付け、鍋料理などで楽しめる
- 魚の肝は安全性の確認が欠かせない: 食用に適した魚種を選び、家庭では十分に加熱する。フグやソウシハギ、イシナギの肝は食べない
魚の肝を初めて料理するなら、加熱済みのあん肝を使ったり、鮮魚店で下処理をお願いしたりすると、無理なく楽しめるでしょう。
普段は身だけを食べている魚にも、肝を使った美味しい料理があるかもしれません。
魚売り場でカワハギやアンコウなどを見かけたら、ぜひ肝にも注目してみてください。魚の種類や食べ方を知ることで、いつもの魚料理に新しい楽しみが増えるでしょう。


なるほどポイント: アンコウの肝は、そのまま味わうだけでなく、料理全体にコクを加える食材としても大切にされてきました。