小麦粉と片栗粉の違いを簡単解説!料理初心者でも失敗しない使い分け
「唐揚げをサクサクにしたいけれど、どっちを使えばいいの?」「レシピに片栗粉とあるけれど、小麦粉で代用しても大丈夫?」
台所で目の前にある小麦粉と片栗粉を前にして、どちらを使うべきか立ち止まってしまった経験はありませんか?
見た目はそっくりな小麦粉と片栗粉ですが、その中身は驚くほど個性が違います。この違いを正しく知るだけで、いつものお料理がお店のような本格的な仕上がりに変わります。
毎日お料理を頑張るあなたのこんなお悩みや疑問に寄り添います。
- 唐揚げは小麦粉と片栗粉のどちらがカリッと仕上がるのか知りたい
- とろみを付けようとして、鍋の中にダマの塊を作ってしまった
- 小麦粉と片栗粉は代用できるのか知りたい
料理初心者の頃は、この「小麦粉と片栗粉の迷宮」に迷い込むものです。しかし、性質の違いを理解すれば、もう迷うことはありません。
ここでは、難しい専門用語を使わずに、明日からすぐに実践できる「使い分けの正解」を優しく丁寧に解説します。
小麦粉と片栗粉の大きな違い

小麦粉と片栗粉の最も大きな違いは、「料理を固める仕組み」と「仕上がりの質感」にあります。小麦粉は粘り気を出して全体をまとめ上げる力に優れ、片栗粉は透明感のあるとろみを出す力に長けています。
どちらも白い粉末で見分けがつきにくいですが、性質は真逆と言っても過言ではありません。この性質を理解すると、揚げ物の衣をサクサクにしたり、スープに綺麗なとろみをつけたりと、料理の仕上がりが向上します。
小麦粉と片栗粉の原料の違い

小麦粉は「麦」から作られ、片栗粉は主に「じゃがいも」から作られています。
小麦粉は、その名の通り「小麦」を細か挽いて作られたものです。一方で、現代のスーパーで一般的に売られている片栗粉の多くは「じゃがいも(馬鈴薯)」から抽出されたデンプンを精製して作られています。

小麦粉は「小麦」を丸ごと粉にしたもので、片栗粉は「じゃがいものデンプン」だけを取り出したものです
小麦粉と片栗粉の成分の違い

小麦粉には「タンパク質」が含まれていますが、片栗粉はほぼ「デンプン」のみで構成されています。
小麦粉には「グルテン」の元になるタンパク質が豊富に含まれています。この成分が水分と混ざることで、生地に弾力や粘り気を与えます。対して、片栗粉は精製の過程で不純物を取り除いているため、純度の高いデンプンになっています。
小麦粉は「タンパク質による弾力」を生み出し、片栗粉は「デンプンによる凝固」を促します。
| 成分の比較 | 小麦粉 | 片栗粉 |
|---|---|---|
| 主な成分 | 炭水化物、タンパク質 | 炭水化物(デンプン) |
| 特徴的な成分 | グルテン(粘り成分) | なし(ほぼ純粋なデンプン) |
| 性質 | 粘りを作る力が強い | 固める力が強い |
小麦粉と片栗粉の見た目・質感・色の違い

小麦粉はふんわりして少ししっとり感もあり、黄色みがある粉です。片栗粉はさらさらで粒感があり、キュッキュッとした手触りで真っ白な粉です。
小麦粉は粒子が非常に細かく、わずかに油分や水分を含んでいるため、触ると指に吸い付くようなしっとり感があります。片栗粉は粒子同士の摩擦が強く、指で押すと「ギュッ」という独特の抵抗感(きしみ)があるのが特徴です。
| 項目 | 小麦粉 | 片栗粉 |
|---|---|---|
| 色 | やや白色〜クリーム色 | 透明感のある白 |
| 触った感触 | ふんわり、粉っぽい | さらさら、きゅっとする |
| 粒の印象 | きめ細かい | やや粒を感じやすい |
小麦粉と片栗粉の加熱後の仕上がりの違い

小麦粉は加熱すると「しっとり」「ふんわり」「まとまり」を作りやすいです。片栗粉は加熱すると「とろみ」「透明感」「カリッとした衣」を作りやすいです。
小麦粉は加熱でたんぱく質が固まり、生地としてまとまりやすく、ソースの土台にもなります。また、焼き色がつきやすく、香ばしさが出るのも小麦粉の特徴です。
片栗粉のでんぷんは加熱と水分でとろみを作ります。片栗粉はとろみが強く出やすく、加熱後に透明感が出やすいです。揚げ物の衣では、表面が固まりやすくカリッとしやすい傾向があります。
小麦粉と片栗粉の違いを原料から深掘り

小麦粉と片栗粉の決定的な違いは、「原料になる植物のどの部分を、どう加工したか」という点です。
小麦粉は小麦の実を挽いて作るため、でんぷんだけでなくたんぱく質も含みます。対して片栗粉は、じゃがいもをすり潰して「でんぷん」という成分だけを洗い出す「精製」という方法で作られます。
小麦粉の種類(薄力粉・中力粉・強力粉)の特徴

小麦粉は、原料となる小麦に含まれる「タンパク質の量」によって3つの種類に分けられます。
小麦粉は「たんぱく質の量」の違いで薄力粉・中力粉・強力粉に分かれます。薄力粉はやわらかい食感向きです。強力粉は弾力のある生地向きです。中力粉は両者の中間です。
小麦粉に含まれるたんぱく質は、水と混ざるとグルテンになり、生地の粘りや弾力を作ります。薄力粉はたんぱく質が少なめのため、グルテンが強く出にくいです。薄力粉はサクッと軽い仕上がりになりやすいです。
強力粉はたんぱく質が多めのため、グルテンがしっかりできます。強力粉はパンのようにふくらみやすく、噛みごたえが出やすいです。中力粉は両方の特徴をほどよく持ち、うどんやお好み焼きなどで扱いやすいです。
料理で迷いやすい点は「同じ小麦粉でも結果が変わる」ことです。薄力粉でパンを作ると膨らみにくく、強力粉でクッキーを作ると固くなりやすいです。原料が同じ小麦でも、小麦粉の性格が違うためです。
グルテン:小麦粉に含まれるタンパク質が、水と混ざって網目状に結びついたものです。「粘り」や「弾力」を生み出す源になります。
| 種類 | タンパク質含有量 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 薄力粉 | 少ない(6〜9) | ケーキ、クッキー、天ぷら |
| 中力粉 | 中間(8〜11%) | うどん、そうめん、お好み焼き |
| 強力粉 | 多い(11〜14%) | パン、ピザ、餃子の皮 |
片栗粉はジャガイモのでんぷんが主流

日本で売られている片栗粉は、ほとんどがジャガイモのでんぷんから作られています。
昔は野生の「カタクリ」の根っこ(球根)から粉を作っていました。しかし、カタクリは成長が遅く収穫量が極めて少ないため、非常に高価なものとなりました。
そこで、大量生産が可能で、性質が非常に似ている「じゃがいものデンプン」が代用されるようになり、名前だけが「片栗粉」として残ったのです。
現代の片栗粉はジャガイモでんぷんが主流です。ジャガイモのでんぷんは、とろみが強く、透明感が出やすいです。
片栗粉とコーンスターチとの違いは何?

片栗粉とコーンスターチはどちらも「でんぷん」ですが、「とろみの透明感」と「冷めた時の固まり方」に大きな差があります。
片栗粉はじゃがいも、コーンスターチは「トウモロコシ」が原料です。片栗粉は低温でもすぐにとろみが付き、透明感が非常に高いのが特徴です。
一方、コーンスターチは片栗粉よりも高い温度(沸騰近く)まで熱しないととろみが付きませんが、一度固まると冷めてもとろみが消えにくい性質を持っています。
| 項目 | 片栗粉 | コーンスターチ |
|---|---|---|
| 原料 | ジャガイモでんぷんが主流 | トウモロコシでんぷん |
| とろみ | 強め、しっかり | やさしめ、なめらか |
| とろみの持ち | 冷めると水に戻りやすい | 冷めてキープする |
| 見た目 | 透明感が出やすい | やや白く濁る |
片栗粉はジャガイモでんぷんで、とろみが強めです。コーンスターチはトウモロコシでんぷんで、なめらかな口当たりに向きます。
グルテンとでんぷんの働きの違い

グルテンは生地を「伸びる網目」で支える働きを持ちます。でんぷんは加熱で水分を抱え込み「とろみや粘り」を作る働きを持ちます。
小麦粉に含まれるたんぱく質は水と混ざるとグルテンになり、網目状の構造を作ります。グルテンは網目のような構造を作り、空気や水分を抱え込んで形を維持します。
これに対して、でんぷん(特に片栗粉)は加熱によって水分を吸って膨らみ糊化します。糊化が起きると液体にとろみが出ます。小麦粉にもでんぷんは含まれていますが、グルテンの「繋ぎ止める力」が強く働くため、片栗粉のような透明なとろみにはなりません。
糊化(こか):でんぷんが水分と一緒に加熱され、ふくらんでとろみが出る現象です。
唐揚げに小麦粉と片栗粉を使った時の違い

唐揚げの衣に小麦粉を使うか片栗粉を使うかによって、「噛んだ瞬間の食感」と「見た目の色彩」が変わります。小麦粉は鶏肉の水分を抱え込んで「しっとり・ジューシー」な仕上がりになります。片栗粉は表面の水分を飛ばして「サクサク・カリカリ」とした軽快な食感を生み出します。
| 食べたい仕上がり | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| ふんわり、やさしい衣 | 小麦粉 | 口当たりが柔らかい |
| カリッと軽い衣 | 片栗粉 | 凹凸が立ち、食感が出やすい |
| お弁当や作り置き | 小麦粉寄り | 冷めても硬くなりにくい |
| 揚げたてを楽しむ | 片栗粉寄り | 揚げたてのサクサクが強い |
小麦粉を使った唐揚げ

小麦粉を使った唐揚げは、ふんわりした口当たりと香ばしさが出やすいです。
小麦粉は、でんぷんに加えてたんぱく質を含みます。小麦粉のたんぱく質は加熱で固まり、衣に「まとまり」と「薄い膜」を作ります。小麦粉は粉が細かく、肉の表面に密着しやすく、油の中でじんわり固まり、やわらかい衣になりやすいです。
小麦粉の衣は水分をほどよく抱え込みやすいため、カリカリよりも「ふんわり」「しっとり寄り」になりやすいです。
小麦粉は「メイラード反応」という化学変化が起きやすいため、食欲をそそる濃いきつね色に揚がります。
メイラード反応:加熱によって香ばしい風味や茶褐色の色合いを生み出す現象です。
片栗粉を使った唐揚げ(竜田揚げ)

片栗粉を使った唐揚げ、いわゆる竜田揚げは、表面がカリッと仕上がりやすく、軽い歯ざわりが楽しめます。衣の粒が立ちやすいため、見た目はややゴツゴツとした立体感のある印象になります。
片栗粉の主な成分はでんぷんです。でんぷんは加熱されると水分を抱え込みながらふくらみ、固まる性質があります。加熱によって表面に薄い膜ができ、その膜がパリッとした食感を生み出します。
片栗粉を使った唐揚げは、揚げたての状態で特においしさが際立ちます。揚げた直後はサクサク感が強く感じられます。一方で、時間がたつと衣が空気中の水分を吸いやすく、食感がやや落ちやすい傾向があります。
とろみ付けに使う小麦粉と片栗粉の違い

料理に「とろみ」を加える際、小麦粉と片栗粉では「透明感」と「とろみの強さ」が異なります。
小麦粉にはタンパク質が含まれているため、加熱しても完全に透明にはならず、少し濁ったような質感になります。また、小麦粉がとろみを出すにはしっかりとした加熱が必要です。
一方で、片栗粉の主成分であるデンプンは、水分と一緒に加熱されると大きくふくらみ、強いとろみが出ます。また、冷めても光沢のある美しい透明感を保ち続けます。
片栗粉のとろみは冷めると固まりやすく、温め直すとゆるみやすい特徴があります。片栗粉は「とろみが急に付く」性質を持つため、混ぜ方を間違えるとダマになりやすいです。
小麦粉と片栗粉は代用できる?

小麦粉と片栗粉は一部の場面で代用できます。ただし小麦粉と片栗粉は得意な役割が違うため、代用すると仕上がりが変わります。小麦粉は白っぽくまろやかなとろみや生地作りが得意です。
片栗粉は透明感のある強いとろみやカリッとした衣作りが得意です。代用するときは「何を作りたいか」と「どんな仕上がりを許容できるか」を先に決めると失敗が減ります。
小麦粉を片栗粉の代わりに使う場合の注意点

小麦粉は片栗粉の代わりにとろみ付けへ使えます。ただし小麦粉のとろみは白っぽくなりやすく、とろみの立ち上がりがゆっくりになりやすいです。小麦粉は入れ方を間違えると粉っぽさが残りやすいです。
小麦粉は片栗粉に比べて、液体を固める力(デンプンの力)が半分程度しかありません。片栗粉と同じ分量でとろみを付けようとしても、さらさらとした状態のままになりがちです。また、小麦粉にはタンパク質が含まれているため、加熱しても透明にならず、シチューのような乳白色に仕上がります。
小麦粉を液体へ直接入れると、小麦粉の粒が表面だけ水を吸って固まり、内部が粉のまま残りやすいです。粉が固まるとダマになりやすいです。
片栗粉を小麦粉の代わりに使う場合の注意点

片栗粉は純粋なデンプンの塊であるため、お菓子作りなどで小麦粉の代わりに使うと、ふんわりとした柔らかさが出ず、岩のように硬くなることがあります。
また、とろみ付けに使用した場合、一度は固まっても冷める過程で水分を放出しやすいため、翌日にはスープがシャバシャバに戻ってしまう現象が起きやすいです。
ムニエルや唐揚げの衣として使う分には「カリッ」として美味しいですが、「パンやケーキのようなふっくらさせたい料理」には適していません。
ダマにならないとろみの付け方

どちらの粉を使う場合も、「あらかじめ水や油で溶いてから、少しずつ加える」ことが成功の秘訣です。
粉を直接熱い液体に振り入れると、外側だけが先に固まって「壁」を作り、内側に生粉が残る「ダマ」が発生します。特に片栗粉は反応が早いため、同量の水で溶いてから加える必要があります。
小麦粉の場合は、バターなどの油で炒めて「ルー」の状態にするか、茶こしで非常に細かく振り入れることで失敗を防げます。
「水溶き片栗粉は火を止めてから回し入れる」、「小麦粉は油と混ぜてから溶かす」という手順を守れば、プロのような滑らかなとろみが完成します。
ダマ:粉が液体の中で均一に混ざらず、小さな塊になってしまった状態です。
小麦粉と片栗粉の保存方法

小麦粉と片栗粉を長持ちさせる秘訣は、「温度・湿度の変化が少ない場所」で「密閉して」保管することにあります。どちらの粉も周囲の環境に影響を受けやすく、特に湿気やニオイを吸収しやすい性質を持っています。
小麦粉と片栗粉は、開封後は密閉容器へ移し、湿気の少ない冷暗所か冷蔵庫で保存すると品質が保ちやすいです。賞味期限は未開封と開封後で考え方が変わり、開封後は風味が落ちる前に使い切る意識が大切です。
小麦粉にはわずかに油分やタンパク質が含まれているため、片栗粉よりも酸化して味が落ちやすい傾向にあります。対して片栗粉は純度の高いデンプンであるため、小麦粉よりは長期保存に向いています。
開封後の袋は隙間ができやすく、目に見えないほど小さな虫(コナダニ)が侵入するリスクがあるため、袋のままではなくタッパーなどの密閉容器に移し替える必要があります。
| 項目 | 小麦粉 | 片栗粉 |
|---|---|---|
| すすめる容器 | 密閉できる容器 | 密閉できる容器 |
| すすめる場所 | 冷暗所または冷蔵庫 | 冷暗所または冷蔵庫 |
| 注意点 | におい移り、虫 | 湿気で固まりやすい |
| 賞味期限の考え方 | 表示期限は未開封が前提 | 表示期限は未開封が前提 |
| 開封後の目安 | 風味が落ちる前に早めに使う | 早めに使う |
小麦粉と片栗粉の違いを簡単解説:まとめ

小麦粉と片栗粉の違いについて、原料や成分、そしてお料理での使い分け方を詳しくお伝えしてきました。
見た目はどちらも似たような白い粉ですが、その中身を知れば知るほど、お互いに全く異なる個性を持った「名脇役」であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
ここで、重要なポイントを振り返ってみましょう。
- 原料と成分の違い
小麦粉は「小麦」から作られ、弾力を生むタンパク質を含みます。片栗粉は「じゃがいも」のでんぷんが主役で、固める力が非常に強力です。 - とろみの質
シチューのように白く濁らせてコクを出したい時は小麦粉、あんかけのように透明でツヤを出したい時は片栗粉を選びます。 - 揚げ物の食感
肉汁を閉じ込めてしっとりジューシーに仕上げるなら小麦粉、カリッと軽快なサクサク感を楽しみたいなら片栗粉が最適です。 - 保存のコツ
どちらも湿気とニオイに弱いため、必ず密閉容器に入れて涼しい場所で保管してください。 - 代用の考え方
お互いに代用は可能ですが、とろみの強さや見た目が変わるため、分量や加熱時間を調整する工夫が必要です。
小麦粉と片栗粉の違いを理解すると、小麦粉と片栗粉の迷いから解放されます。小麦粉と片栗粉の役割を知ることは、味付け以上に仕上がりを左右する大切な知識です。
次に唐揚げやあんかけを作るときは、今回のポイントを思い出しながら、目的に合った粉を選んでみてください。

