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鶏肉を洗う?洗わない?菌の飛び散りのリスクと食中毒を防ぐ基礎知識

鶏肉を洗う?洗わない?菌の飛び散りのリスクと食中毒を防ぐ基礎知識
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鶏肉を調理する前に「洗った方がいいのかな?」と迷ったことはありませんか?見た目のぬめりや赤い液体、独特の臭いが気になって「とりあえず洗っておこう」と思った経験がある方も多いはずです。

けれど最近では「鶏肉は洗わない方がいい」と書かれているのを見かけて、戸惑っている方もいるかもしれません。

この記事では、「鶏肉は洗うべきか、洗わないべきか」という素朴だけどとても大切な疑問に対して、家庭で実践できる安全な処理方法をわかりやすく解説します。料理初心者の方でも安心して読めるよう、難しい言葉は避けて丁寧にお伝えします。

こんな悩み、ありませんか?

  • 鶏肉のぬめりや赤い液体が気になって、とにかく洗いたくなる
  • 洗わないと生臭さや雑菌が残りそうで不安
  • レシピに「洗う」と書いてある場合、どうすればいいか迷う

こうしたモヤモヤをこの記事でスッキリ解消できます。結論から言えば、鶏肉は洗わなくても安全に調理できます。むしろ、洗うことで起こる「あるリスク」が家庭のキッチンを危険にしているかもしれません。

この記事を読んで、正しい知識を身につけ、安全でおいしい鶏肉料理を楽しみましょう。

鶏肉は洗わないでください

鶏肉は洗わないでください

鶏肉は基本的に洗わないでください。

実は、鶏肉を洗うことで食中毒のリスクが高くなることが分かっています。水で洗えばきれいになると思いがちですが、キッチンに菌が飛び散ってしまう危険性があります。

ここでは、「なぜ鶏肉を洗ってはいけないのか?」をわかりやすく解説します。

鶏肉を洗うことで食中毒のリスクが高くなる

鶏肉を洗うことで食中毒のリスクが高くなる

鶏肉の表面には、カンピロバクターなどの食中毒の原因となる菌が付着していることがあります。水で洗うと、菌が水しぶき(飛沫)と一緒に周囲へ飛び散るため、かえって危険です。この現象を「飛散」といいます。

飛び散った菌は、まな板や包丁、食器、ほかの食材、さらには手などにも付着し、「交差汚染」を引き起こします。とくに生で食べる野菜やサラダに菌が移ると、加熱せずに食べるため食中毒のリスクが一気に高まります。洗ったつもりが、結果的にキッチン全体を汚染してしまうおそれがあるのです。

農林水産省も、こうした飛散や交差汚染の危険性について強く注意を呼びかけています。

  • 鶏肉を洗うと、菌が水しぶきで広がる(飛散)
  • 飛び散った菌が調理器具や食材に付き、交差汚染を起こす
  • 農林水産省も洗わないよう注意喚起している
  • 交差汚染:食品に付着している菌が、他の場所や食品に移ることです。
  • カンピロバクター:カンピロバクターは少量でも食中毒を引き起こす細菌で、主に鶏肉を介して感染します。

鶏肉と食中毒の菌の関連性

鶏肉と食中毒の菌の関連性

鶏肉には、カンピロバクターやサルモネラ菌などの食中毒の原因となる菌が付着していることが多く、特に注意が必要です。中でもカンピロバクターは、日本で報告される食中毒の中でも最も多く発生している菌の一つとされています。

多くの鶏や家畜がこの菌を保有しており、処理過程で肉の表面に付着することがあります。わずかな量でも体内に入ると発症することがあり、「少量でも危険」という点がこの菌の厄介な特徴です。そのため、加熱調理や衛生管理など、徹底した予防が欠かせません。

厚生労働省は、カンピロバクターについてQ&Aで説明しています。

  • 鶏肉にはカンピロバクターが高い確率で付着している
  • 少量の菌でも食中毒を起こすため油断は禁物
  • 加熱と衛生管理の徹底が最も有効な予防策

筆者は、食品衛生責任者の資格を取得する際に受講した食品衛生責任者養成講習会の中で、鶏肉と食中毒の関係性について重点的に説明を受けた経験があります。その中でも特に、カンピロバクターやサルモネラの交差汚染のリスクについて強く注意喚起されていたことが印象に残っています。

カンピロバクター:カンピロバクターは少量でも食中毒を引き起こす細菌で、主に鶏肉を介して感染します。

鶏肉を洗いたくなる理由

鶏肉を洗いたくなる理由

鶏肉を水で洗いたくなる理由には、ぬめり・ドリップ・臭いといった感覚的な不快要素があります。特に料理初心者にとっては、これらが「汚れ」や「傷んでいる証拠」と見えてしまい、反射的に洗いたくなるのはごく自然な反応といえるでしょう。

「ぬめり」は、鶏肉の表面にあるたんぱく質や脂肪が水分と混ざってできるもので、見た目や手触りの印象から不衛生に感じられがちです。

「ドリップ」は、保存中に肉の細胞から染み出た赤い液体のことで、血液ではなく水分・たんぱく質・うま味成分などが混ざったものです。これもまた、濁った水のような見た目から「洗い流したほうがいい」と判断されやすくなります。

さらに、鶏肉特有の「臭い」も、洗えば消えると思い込んでしまう一因です。

しかし、ぬめりやドリップを取り除こうとして鶏肉を洗うと、菌がキッチン中に飛び散るリスクが生じます。洗えば安心という考えはかえって逆効果であり、衛生面で非常に危険です。

  • 鶏肉のぬめりやドリップは汚れではなく自然なもの
  • ドリップは血液ではなく、うま味成分を含む液体
  • 洗うことで菌が飛び散り、食中毒リスクが高まる

鶏肉を洗わない具体的な処理手順

鶏肉を洗わない具体的な処理手順

鶏肉は洗わなくても安全に扱うことができます。大切なのは、洗わない代わりにどう処理するかを正しく知って実践することです。ドリップやぬめり、臭いが気になるときも、水で洗うのではなく、他の方法で清潔に下処理できます。

ドリップ・ぬめり・臭いが気になるときの処理

ドリップ・ぬめり・臭いが気になるときの処理

鶏肉を水洗いすると、鶏肉に付着している食中毒菌(カンピロバクターなど)が水しぶきとなり、周囲のキッチンや調理器具に飛び散り、交差汚染を引きおこすリスクがあります。

ドリップ(赤い液体)やぬめり、臭いが気になる場合でも、水洗いせず、清潔なキッチンペーパーを使って拭き取ることで、菌の飛び散り(飛散・交差汚染)を防ぎます。

臭いについても、表面のドリップやぬめりを拭き取ることである程度は軽減されます。残った臭いは加熱調理によってほとんど抑えることができます。

ドリップ:保存中に鶏肉からにじみ出た赤い液体のことです。

手・まな板・包丁・シンクを清潔に保つための簡単習慣

手・まな板・包丁・シンクを清潔に保つための簡単習慣

鶏肉を扱う際、そして扱った直後には、「手」「まな板」「包丁」などを、他の食材に触れる前に徹底して洗い分け、消毒する習慣をつけましょう。

鶏肉に付着している菌は、触れた手、切ったまな板や包丁にすぐに移ります。これらの道具を洗わずに野菜や他の食材を切ると、二次汚染が発生し、食中毒の原因菌が他の食品に移ってしまいます。

菌を拡散させないためには、「鶏肉用(肉用)」と「それ以外(野菜など)」でまな板を使い分けることが最も安全です。

シンクも鶏肉が触れたりドリップが流れたりして汚染されているため、調理の最後に洗剤で洗い流すことが重要です。

手洗いは、石けんを使って指の間や爪の先までしっかりと洗うことで、菌を洗い落とせます。

  • 鶏肉を扱ったあとの手・まな板・包丁はすぐに洗って消毒する
  • 鶏肉用と野菜用で調理器具を使い分けることで二次汚染を防げる
  • シンクも最後に洗剤で洗い、手洗いは石けんで丁寧に行う

二次汚染:鶏肉などの汚染源から、調理器具や手を介して、最終的に口に入る食品が汚染されてしまうことです。交差汚染も二次汚染の一つです。

冷凍・解凍・調理前後の注意ポイントまとめ

冷凍・解凍・調理前後の注意ポイントまとめ

鶏肉の安全を確保するために、「購入から調理まで」の全工程で、他の食品と触れさせないよう、温度管理と区分けを徹底しましょう。

調理前【購入】

スーパーの買い物かごや冷蔵庫の中で、鶏肉のパックからドリップが漏れ、他の食材(特に生で食べる野菜など)に触れると交差汚染が起こります。そのため、鶏肉は必ずビニール袋に入れて、他の食材と分けて持ち帰りましょう。

解凍時

冷凍した鶏肉を解凍する際、ドリップが流れて冷蔵庫の中を汚染しないよう、必ず密閉容器や深い皿に入れて解凍します。室温での解凍は、菌が増えやすくなるため避けてください。

加熱調理時

食中毒菌のほとんどは熱に弱いです。特にカンピロバクターは熱で死滅します。そのため、鶏肉の中心部の色が完全に変わり、透明な肉汁が出るまで、しっかりと加熱することが最も確実な予防策です。

鶏肉は、買い物から調理後の加熱まで、一貫して「他の食品と分ける」ことと、「中心部まで十分に火を通す」ことを忘れないでください。

おいしさの観点から見た「洗わない」意味

おいしさの観点から見た「洗わない」意味

鶏肉などの肉類を洗わないことは、うま味成分を肉の中に閉じ込め、料理の味を最高の状態に保つための、プロの料理人も実践する重要なポイントです。

飲食店やプロの料理人は、鶏肉をはじめとした肉類を水で洗うことはほとんどありません。特に一度カットされた肉を水につけることは、風味や食感を損なう原因になるため、避けられています。

肉を水で洗うと、表面のたんぱく質やうま味成分が水に溶け出してしまうことがあります。さらに、洗ったことで余分な水分が肉に残りやすくなり、加熱時に水分が出てしまうため、表面がパリッと焼き上がらず、ベチャッとした仕上がりになります。

これは、焼き物や炒め物など、香ばしさを楽しみたい料理には大きなマイナスです。

鶏肉は洗わず、必要であればキッチンペーパーでドリップやぬめりを拭き取るだけで十分です。これだけでも表面の水分をコントロールでき、うま味を保ったまま、香ばしく仕上げることができます。

「鶏肉を洗わない」という選択は、食中毒を防ぐだけでなく、肉本来のおいしさを守り、料理の完成度を高めることにもつながります。

  • 水で洗うと、うま味やたんぱく質が流れ出て風味が落ちる
  • 余計な水分が残ると、焼き色がつきにくく仕上がりが悪くなる
  • キッチンペーパーで拭くだけで十分、洗わない方がおいしく仕上がる

「洗う場合」の正しい方法と、その際に注意すべきこと

「洗う場合」の正しい方法と、その際に注意すべきこと

鶏肉は基本的に洗わないほうが安全ですが、どうしても洗いたい場合は正しい方法と衛生管理を徹底する必要があります。何気なく水道で流すだけでは、かえって菌をまき散らすリスクが高まります。ここでは、どうしても洗いたい場合に守るべきポイントを、具体的かつ丁寧に解説します。

どうしても洗うならここに注意!(飛び散り・消毒)

鶏肉を洗う場合は、菌の飛び散りを防ぐために、周囲の消毒と予防策が不可欠です。

鶏肉に付着したカンピロバクターなどの食中毒菌は、流水に触れることで、目に見えない細かい霧状のしぶき(飛沫)になってキッチンに広がります。これが飛散です。

この飛沫が、生で食べる野菜や調理済みの食品、食器、または調理器具に付着すると、交差汚染を引き起こします。

そのため、鶏肉を洗う際には、飛び散らないよう細心の注意を払うこと、そして、洗い終わった後に菌が付着した可能性のある場所すべてを消毒する作業が必須となります。

鶏肉を洗う際は、周りに食材や食器がないことを確認してください。洗い終わったら、水が跳ねた可能性のあるシンク周辺や壁、蛇口まで、すべてを消毒してください。

  • 鶏肉を洗うと菌が水しぶきになってキッチン全体に飛び散る可能性がある
  • 洗った後は、シンク周辺や壁、蛇口まで含めて徹底的な消毒が必要
  • 調理前に周囲に食材や食器を置かないことが交差汚染の予防につながる

もし鶏肉を洗うなら何をどうすべきか?

もし鶏肉を洗うなら何をどうすべきか?

鶏肉を洗う場合、「流水」を使うのは避け、ボウルに水を張って浸すようにやさしく洗ってください。また、温水(お湯)は菌を増殖させる可能性があるため、冷水を使ってください。

流水で勢いよく洗うと、水流が強いため菌を含んだ水が広範囲に飛び散り、飛散のリスクが極端に高まります。

ボウルに水を張る方法なら、水しぶきが立ちにくく、菌の飛び散りを大幅に抑えることができます。ただし、洗った後の汚染された水を流す際にも、シンクを汚染することになります。

温水(お湯)は、鶏肉の表面の温度を上げ、食中毒菌であるカンピロバクターの増殖を助けてしまう可能性があるため、絶対に避けるべきです。

また、洗うボウルは、洗い終わった後すぐに洗剤や漂白剤で徹底的に消毒し、他の用途に使用しないでください。

  • 流水ではなく、ボウルに冷水を張って静かに洗うことで菌の飛散を防げる
  • 温水は菌を増やすおそれがあるため使用せず、冷水を使う
  • 使用したボウルは必ず洗剤や漂白剤で消毒する

鶏肉を洗った後のキッチン周辺の消毒・対策手順

鶏肉を洗った後のキッチン周辺の消毒・対策手順

鶏肉を洗った後、調理に移る前に、水が飛び散った可能性のあるシンク、蛇口、調理台などすべての箇所を洗剤で拭き取り、必ず手を石けんで徹底的に洗い直すことが、食中毒予防のにつながります。

前述の通り、鶏肉を洗うことによって菌が周囲に飛散しています。目に見えなくても、シンクや蛇口、手を拭いたタオルなどには菌が付着している可能性があります。

もし消毒せずにそのまま調理を続けると、汚染された場所を触った手で他の食材や皿を触り、簡単に交差汚染を引き起こします。

消毒作業は、洗剤で汚れを落とした後、塩素系漂白剤(家庭用ハイターなど)を薄めた液や熱湯で拭き取り、菌を確実に死滅させることが目的です。

特に手洗いは、指の間や爪の先まで石けんを泡立てて洗い、清潔なタオルで拭くことが極めて重要です。

  • 鶏肉を洗った後は、シンクや蛇口など菌が飛び散った可能性のある場所を必ず消毒する
  • 手には菌が付着している可能性があるため、石けんで丁寧に洗い直すことが重要
  • 消毒は、洗剤で汚れを落とした後に漂白剤や熱湯で菌を死滅させることが目的

「洗えば安心」は本当?油断しがちな落とし穴

「洗えば安心」は本当?油断しがちな落とし穴

鶏肉を洗っても、菌がすべていなくなるわけではありません。「洗ったから大丈夫」と油断して加熱が不十分になったり、手洗いや消毒が不徹底になったりすることが、最も危険な落とし穴です。

鶏肉の表面を水で洗ったとしても、肉の内部や細かなくぼみに残った菌を完全に洗い流すことは不可能です。

水洗いでむしろ菌が広がるリスクを冒したにもかかわらず、「きれいになった」という安心感から、その後の加熱調理がおろそかになってしまうと、食中毒菌が生き残ってしまいます。

カンピロバクターによる食中毒の最も確実な予防法は、肉の中心部まで75℃で1分以上しっかりと加熱することです。水洗いよりも、この「加熱」こそが最も重要であるという意識が大切です。

鶏肉の安全は「水洗い」ではなく、「徹底した衛生管理」「中心部までの十分な加熱」によってのみ確保できます。洗っても菌は残ることを忘れず、油断せず調理してください。

  • 鶏肉を洗っても菌は完全に除去できず、洗った安心感が油断を生む
  • 安全に食べるためには、中心温度75℃で1分以上の加熱が最も重要
  • 水洗いではなく、衛生管理と加熱によって食中毒を防ぐ意識が必要

鶏肉の取り扱いで最低限守るべき安全基準

鶏肉の取り扱いで最低限守るべき安全基準

鶏肉は生の状態では食中毒のリスクが高いため、加熱と保存の基本ルールを守ることが重要です。どんなに新鮮な鶏肉でも、加熱不足や常温放置によって菌が増殖しやすくなります。安全に食べるためには、基本をしっかり押さえておくことが欠かせません。

食中毒の原因となるカンピロバクターなどの菌は、熱に弱いという性質を持っています。これらの菌を確実に死滅させるためには、肉の中心温度が75℃になり、その温度で1分以上加熱が続くことが必要です。この「十分な加熱」が、食中毒予防の最も確実で効果的な方法です。

また、菌は4℃から60℃くらいの温度帯で最も活発に増殖します。特に人肌程度の温度では急速に増えます。そのため、購入した鶏肉や調理前の肉は、菌の増殖を抑えるためにすぐに冷蔵庫や冷凍庫で保存することが重要です。これが「適切な保存」です。

調理後も、食べきれない分は、温かいまま放置せず、粗熱が取れたらすぐに冷蔵庫に戻してください。

  • 鶏肉は中心温度75℃で1分以上の加熱が必要
  • 4℃〜60℃の温度帯を避けてすぐに冷蔵・冷凍保存する
  • 調理後は常温放置せず、粗熱が取れたらすぐ冷蔵する

よくある疑問・誤解とQ&A形式で解説

よくある疑問・誤解とQ&A形式で解説

これまで、「鶏肉は洗ってはいけない」理由や、その正しい取り扱い方についてご説明してきました。この章では、料理をする方が抱きがちな「鶏肉を洗うこと」に関する疑問や誤解について、Q&A形式でわかりやすく解説します。

鶏肉の表面のぬめり・赤い液体(ドリップ)は洗うべき?

鶏肉の表面のぬめり・赤い液体(ドリップ)は洗うべき?

水で洗う必要はありません。キッチンペーパーで軽く拭き取れば十分です。

ぬめりやドリップは腐っているわけではなく、鶏肉の表面にあるたんぱく質や脂肪、細胞から染み出た水分です。洗うことで菌が飛び散り、かえってリスクが高まります。

ぬめりやドリップが気になったら、キッチンペーパーでやさしく拭くのが一番安全です。

洗わないと味や仕上がりに影響が出る?

洗わないと味や仕上がりに影響が出る?

鶏肉を洗わなくても、味や仕上がりに悪影響が出ることはありません。むしろ、洗うことでうま味成分を逃してしまう可能性があります。

鶏肉を水洗いをすると、肉の表面の水溶性のうま味成分が水に溶け出してしまい、風味を損なうことにつながります。

また、水で濡れた鶏肉は、調理の際に油がはねやすくなったり、揚げ物の衣が剥がれやすくなったりと、かえって調理上の問題を引き起こすことがあります。

レシピで「鶏肉を洗ってから」と書いてあったらどうする?

レシピで「鶏肉を洗ってから」と書いてあったらどうする?

食中毒の予防という観点から、現代の食品衛生の知識に基づいて、レシピの指示であっても水洗いは避けるべきです。「洗わずに拭き取る」に置き換えて問題ありません。

「鶏肉を洗う」という記述は、過去の衛生観念に基づいて書かれたレシピに散見されることがあります。昔は、菌の飛散や交差汚染のリスクが広く知られていなかったためです。

しかし、現在ではカンピロバクターによる食中毒の危険性が科学的に明らかになっており、農林水産省などの公的機関も水洗いをしないよう注意喚起しています。

鶏肉を洗う?洗わない?菌の飛び散りのリスク:まとめ

この記事では、「鶏肉は洗うべきか、洗わないべきか?」という多くの家庭で悩まれるテーマについて、科学的根拠と実践的な対処法をもとに解説しました。

ぬめりや臭いが気になってつい洗いたくなる気持ちは自然ですが、実は洗うことでかえってリスクが高まるという事実があります。安全に鶏肉を調理するためには、「洗わずに扱う」ための正しい知識と習慣が必要です。

特に大切なポイントを以下にまとめます。

  • 鶏肉は水で洗わないでください。
    水洗いはカンピロバクターなどの菌を水しぶき(飛沫)として広範囲に飛散させ、他の食材や調理器具を汚染する交差汚染のリスクを極めて高めます。
  • ぬめりやドリップはキッチンペーパーで拭き取ってください。
    気になる赤い液体(ドリップ)やぬめりは、清潔なキッチンペーパーでそっと拭き取り、すぐにビニール袋に入れてゴミ箱へ捨てることで、菌の拡散を防げます。
  • 調理器具と手の洗浄・消毒を徹底してください。
    鶏肉に触れた手、使ったまな板や包丁は、他の食材(特に生野菜)に触れる前に必ず石けんで洗い、熱湯などで消毒してください。
  • 中心部まで十分な加熱を行ってください。
    食中毒菌を確実に死滅させる唯一の方法は、肉の中心温度が75℃で1分以上になるよう、しっかりと火を通すことです。加熱が最も重要な予防策です。
  • 他の食材と分けて保存・管理してください。
    冷蔵庫内でも、鶏肉のドリップが漏れて他の食品に触れないよう、必ずビニール袋や密閉容器に入れて保管し、交差汚染を防ぎましょう。

「鶏肉を洗わない」という行為は、単なる手抜きや面倒なことの省略ではありません。それは、あなたのキッチンで実行できる、最も効果的で現代的な食中毒予防策なのです。

水洗いによって菌を広げるリスクを冒すよりも、「拭き取る」「分ける」「加熱する」というシンプルなステップに集中することが、食中毒を防ぐ確実な道です。

今日からあなたのキッチンで、この新しい安全基準をぜひ実践してください。小さな習慣の変更が、大きな安心につながります。