鶏肉を選ぶ際に、「地鶏、銘柄鶏、ブロイラーの違いって何だろう?」と悩んだことはありませんか?
「地鶏」「銘柄鶏」「ブロイラー」の違いが分からず、結局いつも「ブロイラー」を買ってしまう…そんな経験はありませんか?
この記事では、「地鶏」「銘柄鶏」「ブロイラー」それぞれの違いを分かりやすく解説します。
飼育期間、肉質、価格、希少性など、様々なポイントを徹底比較することで、あなたにぴったりの鶏肉を見つけるためのヒントを提供します。
この記事を読むことで、地鶏、銘柄鶏、ブロイラーの違いを理解し、自分に合った鶏肉を選ぶための知識を得ることができます。
地鶏・銘柄鶏・ブロイラーのそれぞれの定義

鶏肉は大きく「地鶏」「銘柄鶏」「ブロイラー」の3種類に分けられ、それぞれに育て方や品種、味の特徴、価格帯が異なります。
地鶏は、厳しいJAS規格を満たした在来種ベースの鶏で、飼育期間が長く、旨味と歯ごたえが強い高級品。
銘柄鶏は、明確な規格はないが、企業や産地がこだわって育てたブランド鶏。地鶏より基準は緩いが、品質には工夫があり中価格帯。
ブロイラーは、安価で大量生産に向いた一般的な鶏で、柔らかくクセの少ない味が特徴。最も多く流通している。
項目 | 地鶏 | 銘柄鶏 | ブロイラー |
---|---|---|---|
品種 | 在来種または交配種 | ブロイラー系が多い | ブロイラー専用の交配種 |
飼育期間 | 75日以上 | 約50〜80日 | 約50日 |
飼育方法 | 平飼い | 放し飼いや広めの飼育 | 密閉型鶏舎(集約飼育) |
味の特徴 | 旨味が強く、歯ごたえあり | ブランドごとの違いあり | 柔らかくクセが少ない |
流通価格帯 | 高価格帯 | 中価格帯 | 安価 |
「地鶏」は品質・伝統重視、「銘柄鶏」はブランド・こだわり重視、「ブロイラー」は価格・流通重視という違いがあります。
地鶏の特徴と条件

地鶏とは、特定の飼育条件を満たした鶏のことで、一般的な鶏肉とは異なる独特の風味と歯ごたえを持つのが特徴です。
その定義は、日本農林規格(通称:JAS規格)によって厳密に定められており、いくつかの重要な条件を満たす必要があります。
まず、“地鶏”と認められるためには、日本の在来種の血を50%以上受け継いでいることが求められます。ここでいう在来種とは、明治時代までに日本国内で成立、または導入され定着した38種の鶏を指します。
また、飼育方法にも基準があります。たとえば、飼育日数は原則75日以上、運動ができる平飼い環境での飼育が求められます。これにより、地鶏はしっかりとした肉質と深い旨味を育むことができます。
このように、地鶏は品種・環境・育て方のすべてにおいて厳しい基準をクリアした、特別な鶏肉といえるのです。
- 日本在来種の血統を50%以上持っている
- 75日以上の飼育と平飼い環境が義務付けられている
- 肉質が引き締まり、風味が豊かで歯ごたえがある
飼育日数 | 75日以上 |
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飼育方法 | 平飼い(1平方メートルあたり10羽以下) |
引用元:農林水産省
- 在来種の血液百分率が50パーセント以上で、出生の証明が必要
- ふ化後75日以上飼育
- 28日齢以降平飼い
- 28日齢以降1平方メートル当たり10羽以下の飼育密度
地鶏について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
参考:地鶏とはどんな鶏?知っておきたい基礎知識と美味しい食べ方

銘柄鶏の特徴と条件

銘柄鶏とは、特定の地域や生産者が独自に定めた基準に従って育てられた鶏のことを指します。法律で明確な定義があるわけではありませんが、飼育方法や期間、与える飼料、環境などに工夫が凝らされており、結果として一般的なブロイラーよりも風味や食感に優れた品質の鶏肉が生まれます。
銘柄鶏はブロイラーと比べて飼育日数がやや長く、使用する飼料にもこだわりがあるため、肉質が引き締まり、旨味が増す傾向にあります。そのため、「地鶏のような良さ」を持ちながら、コストや流通面では比較的扱いやすい存在として位置付けられています。
- 銘柄鶏は地域や生産者ごとの独自基準で育てられている
- 飼育期間や飼料にこだわることで、風味や食感に違いが出る
- 一般のブロイラーより品質が高く、地鶏に近い特徴を持つ
飼育日数 | 50〜80日 |
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飼育方法 | 全飼育期間の2分の1以上を放し飼い |
飼料や環境など工夫を加えて飼育されたことにより、一般的なブロイラーよりも味や風味など改良した鶏のことです。JASによる定義はなく、ブロイラーと同じ種類の「若どり系」と赤鶏の両親を持つ「赤系」に分類されます。
引用:一般社団法人 日本食鳥協会
ブロイラーの特徴と条件

ブロイラーは、肉用として短期間で効率的に育てられる鶏のことを指します。主に白色コーニッシュ系の品種を用い、出荷までおよそ50日前後という早さで成長するように改良されています。市場でよく見かける「若鶏」という表示の商品は、基本的にこのブロイラーです。
飼育は集約的に行われ、1平方メートルあたり約16羽という高密度で管理されます。この方式により、大量かつ安定的な供給が可能となり、価格を抑えた状態で市場に出回ります。味は淡白でクセが少なく、料理の汎用性が高いのも特徴のひとつです。
- 出荷までの期間が短く、大量生産と安価な供給が可能
- 高密度の飼育によって生産効率を最大化している
- 「若鶏」として販売されている鶏肉の多くはブロイラーです
飼育日数 | 35〜50日(ふ化後3ヶ月未満) |
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飼育方法 | 平飼い(過密飼) |
ブロイラーについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。


地鶏の魅力

地鶏の歴史
地鶏の歴史は古く、古代から日本の食文化に根付いてきました。地鶏は、伝統的な飼育方法と地域特有の飼料により、独特の風味と食感を持つ鶏肉として進化してきました。
地鶏は弥生時代には、朝鮮半島から鶏が渡来し、日本各地で飼育されるようになり、江戸時代には、藩ごとに様々な種類の地鶏が改良されました。
明治時代以降は、外国産の鶏が輸入されるようになり、地鶏は次第に減少しました。しかし、近年では、地鶏の希少価値と優れた品質が見直され、再び人気が高まっています。
弥生時代 | 鶏が各地で飼育される |
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江戸時代 | 藩ごとに様々な種類の地鶏が改良される |
明治時代 | 外国産の鶏が輸入される |
昭和時代 | 地鶏が減少 |
平成時代 | 地鶏の希少価値と優れた品質が見直され、人気が高まる |
令和時代 | 地鶏は高級食材として珍重される |
地鶏の肉質
味 | 深いコクと旨味 |
---|---|
香り | 鶏本来の香り |
弾力 | 弾力のある歯ごたえ |
地鶏の肉質は「弾力のある歯ごたえ」とよく表現されますが、これは決して「硬い」という意味ではありません。しかし、地鶏を初めて食べる人や普段からブロイラー(一般的な若鶏)に慣れている人にとっては、この弾力が「硬い」と感じられることがあります。
ブロイラーは短期間で育てられるため、肉質がやわらかくジューシーである一方、地鶏は長期間にわたって自然に近い環境で運動しながら育てられるため、筋肉が発達し、噛みごたえのある食感になります。この違いが、「弾力」と「硬さ」の感じ方に影響を与えます。
実際、地鶏の肉質を「硬い」と感じるか「歯ごたえがある」と感じるかは、食べ慣れているかどうかや、調理法によっても変わってきます。例えば、適切な火入れをした地鶏は、歯ごたえがありながらもジューシーで、噛むほどにうま味が広がります。
つまり、「弾力のある歯ごたえ」とは、しっかりとした肉質の中にうま味が詰まった地鶏ならではの魅力なのです。
地鶏の市場価値
地鶏は独特の風味と高品質から市場で高く評価され、一般的なブロイラーに比べて高価で取引されています。
特に健康志向やグルメ志向の強い消費者に人気があり、厳しい飼育基準を満たした希少価値の高い鶏肉です。
長い飼育期間、ストレスのない環境、こだわりの飼料がその理由で、深いコクと旨味のある肉質が特徴となっています。
主な地鶏10種を紹介
- 名古屋コーチン(愛知県)
- 比内地鶏(秋田県)
- 薩摩地鶏(鹿児島県)
- 地養鶏(群馬県)
- 阿波尾鶏(徳島県)
- 大和肉鶏(奈良県)
- ひむか地鶏(宮崎県)
- 赤鶏さつま(鹿児島県)
- 天草大王(熊本県)
- 讃岐コーチン(香川県)
とくに、秋田県の比内地鶏、愛知県の名古屋コーチン、鹿児島県エリアの薩摩地鶏は日本三大地鶏として有名です。
地鶏について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
参考:地鶏とはどんな鶏?知っておきたい基礎知識と美味しい食べ方

銘柄鶏の魅力と人気の秘密

銘柄鶏の歴史
銘柄鶏は、地鶏ほど厳格な定義はありませんが、近年人気を集めている個性豊かな鶏肉です。地域や生産者によって様々な飼育方法や品種があり、それぞれ独特の味や香り、弾力を楽しむことができます。
銘柄鶏の歴史は、比較的新しいものです。従来のブロイラーに代わる、より高品質な鶏肉の需要が高まったことから、1980年代頃から各地で独自の飼育方法や品種の開発が始まりました。
1980年代 | 地域や生産者によって独自の飼育方法や品種の開発が始まる |
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1990年代 | 銘柄鶏の知名度が高まり、全国的に人気が広がる |
2000年代 | 多様な銘柄鶏が誕生し、消費者の選択肢が広がる |
2010年代 | 銘柄鶏の認知度が確立される |
2020年代 | 銘柄鶏の多様性がさらに進み、地域色豊かな食材として注目される |
銘柄鶏の肉質
味 | 飼料や飼育環境によって様々 |
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香り | 飼料によっては異なる |
弾力 | 放牧飼育された鶏肉は弾力のある歯ごたえ |
銘柄鶏の市場価値
銘柄鶏は、地域や生産者によってこだわりの飼育方法や品種で育てられた鶏肉であり、その個性豊かな味わいや希少価値から、ブロイラーよりも高価で取引されることが多いです。
近年では、食への関心の高まりとともに、食材の品質や安全性に対する意識が高まっています。銘柄鶏は、地域や生産者によって責任を持って飼育されているため、安心して味わうことができる食材として人気を集めています。
銘柄鶏は、日本の食文化の多様性を象徴する食材であり、今後もますます注目されることでしょう。
主な銘柄鶏5種を紹介
- 大山どり(鳥取県)(島根県)
- 桜姫(青森県)(北海道)
- 赤城どり(群馬県)
- 伊達鶏(福島県)
- ひろしまハーブ鶏(広島県)
ブロイラーの魅力

ブロイラーの歴史
ブロイラーの歴史は、第二次世界大戦後に遡ります。戦後の食糧不足を解消するために、アメリカで開発された短期間で出荷できる若鶏が、日本に導入されました。
安価で手軽に入手できることから、現代の食卓に欠かせない食材となりました。
1940年代 | アメリカでブロイラーが開発される |
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1950年代 | ブロイラーが日本に導入される |
1960年代 | ブロイラーの飼育技術が向上し、生産量が増加する |
1970年代 | ブロイラーが日本の食卓に普及する |
1980年代以 降 | ブロイラーの品種改良が進み、さらに成長速度が速くなる |
ブロイラーの肉質
味 | 淡白な味わい |
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香り | 産地によっては臭みを感じることがある |
弾力 | 柔らかい肉質 |
ブロイラーの市場価値
ブロイラーは、短期間で出荷できる若鶏であり、安価で手軽に入手できることから、市場価値の高い食材です。ブロイラーは地鶏や銘柄鶏と違い、大量生産と効率的な飼育方法により、安価で安定した供給が可能です。
近年では、食生活の欧米化や外食産業の発展により、ブロイラーの需要はますます高まっています。
ブロイラーについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。


ブロイラーはなぜ安い

ブロイラーは、他の肉類(牛・豚)と比べて安価な食材として知られています。
その理由は、大きく分けて3つあります。
- 生産量が多い
- 飼育期間が短い
- 生産コストが安い
生産コストが安い
鶏肉の価格が安い主な理由は、鶏の成長が早く、飼育コストが低いことにあります。鶏は短期間で出荷できるサイズに成長し、その間の飼料費や管理費が他の家畜に比べて低いです。
飼育期間が短い
ブロイラーは、牛や豚と比べて飼育期間が短いです。
肉類 | 飼育期間 |
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鶏肉(ブロイラー) | 約50日 |
豚肉 | 約6ヶ月 |
牛肉(米国産) | 約18ヶ月 |
生産量が多い
肉類 | 生産量 |
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鶏肉 | 1億204万トン |
豚肉 | 1億2228万トン |
牛肉 | 7626万トン |
1羽の鶏から得られる肉の量は、牛や豚と比べて多いです。
外国産ブロイラーが安い理由

スーパーなどで目にする外国産ブロイラー。国産鶏肉と比べて安価なイメージがありますが、その理由はどこにあるのでしょうか?
外国産ブロイラーが安い理由は、大規模な飼育方法、安価な労働力、そしてコストを抑えるための飼料と生産環境にあります。
鶏肉輸入量のうち、約80%がブラジル産、約15%がタイ産です。これらの国々では、大規模養鶏と安価な労働力により、鶏肉の生産コストを大幅に抑えています。
大規模な飼育方法
外国産ブロイラーは、多くの国で大規模な養鶏場で生産されています。これにより、飼育効率が向上し、生産コストが大幅に削減されます。
ブラジルなどの主要輸出国では、広大な土地と気候を活かして大量の鶏肉を効率的に生産しています。
安価な労働力
多くの輸出国では、労働力のコストが低いことも、鶏肉の価格を抑える要因の一つです。労働賃金が低い国では、人件費が全体のコストに占める割合が少なくなり、その分価格に反映されやすくなります。
新鮮な鶏肉の見分け方

見分け方 | 新鮮な鶏肉の特徴 |
---|---|
肉の色 | 部位により異なるが、もも肉はやや赤みがかったピンク色、胸肉は淡いピンク色 |
肉のつや | 適度なつやがあり、光を反射して輝いている |
肉の弾力 | 弾力 指で軽く押してすぐに元の形に戻る |
鶏肉は鮮度が落ちやすい肉なので、購入する場合はなるべく新しいもの購入してください。
肉の色
新鮮な鶏肉は、部位によって色が異なりますが、基本的には鮮やかで自然な色をしています。もも肉はやや赤みがかったピンク色、胸肉は淡いピンク色が理想です。
肉の色が白っぽくなっていたり、くすんだ色をしている場合は避けた方が良いでしょう。空気に触れる時間が長くなると、肉の表面が白っぽくなり、鮮度が落ちます。
肉の表面
新鮮な鶏肉は、肉の表面がみずみずしく適度なつやがあります。肉の表面が光を反射して輝いている場合は、新鮮な証拠です。逆に、つやがなく乾燥して見える場合は、鮮度が落ちている可能性があります。
肉の弾力
新鮮な鶏肉は適度な弾力があります。指で軽く押してみて、すぐに元の形に戻る場合は新鮮です。押した部分がそのままへこんで戻らない場合は、鮮度が落ちている可能性があります。
地鶏・銘柄鶏・ブロイラーの正しい保存方法

保存する前の準備
鶏肉を新鮮な状態で保存するためには、適切な保存方法だけでなく、保存する前の準備が重要です。これらのひと手間を加えることで、鶏肉の品質をより長く保つことができます。
余分な水分を拭き取る
鶏肉の表面には、ドリップと呼ばれる余分な水分が付着しています。このドリップは、雑菌の繁殖を促進し、鮮度を落としてしまう原因になります。
そこで、保存前にキッチンペーパーなどで鶏肉の表面をしっかりと拭き取り、余分な水分を取り除きましょう。こうすることで、鶏肉の鮮度を保ち、臭いも抑えることができます。または、購入した鶏肉をパックから取り出し、冷水で軽く洗います。
この時、表面に残った汚れをしっかりと洗い流します。その後、キッチンペーパーで水分をしっかり拭き取ります。水分が残っていると、鶏肉の傷みが早まる原因となるので、しっかりと乾燥させることが重要です。
適切な冷蔵方法

鶏肉が直接空気に触れないようにする
鶏肉の表面が乾燥しないように、使用する分ずつラップでしっかり包みます。ラップで包むことで、空気との接触を減らし、酸化を防ぎます。また、ラップの代わりに密閉容器を使用しても良いでしょう。
密閉容器を使う場合は、鶏肉が直接空気に触れないように注意してください。可能であれば真空状態で保存することをおすすめします。
冷蔵庫のチルド室を利用する
冷蔵保存する際は、冷蔵庫のチルド室を利用するのがおすすめです。チルド室は通常の冷蔵庫よりも温度が低く、約0~2℃に保たれているため、鶏肉の鮮度をより長く保つことができます。鶏肉をラップで包んだ後、チルド室に入れて保存してください。
購入後2日以内に使用する
鶏肉を購入する場合はなるべく新鮮なものを購入してください。冷蔵保存した鶏肉は、できるだけ購入後2日以内に使用するようにしましょう。
冷蔵庫内でも時間が経つと鮮度が落ちるため、早めに調理することが大切です。もし2日以内に使用できない場合は、冷凍保存に切り替えることをおすすめします。
鶏肉の冷凍保存のコツ

鶏肉は、冷凍保存することで日持ちさせることができます。しかし、冷凍方法を間違えると、鮮度や旨味が損なわれてしまうことがあります。
また、鶏肉を解凍する際は、冷蔵庫でゆっくりと解凍するのがおすすめです。解凍した鶏肉は、再冷凍しないようにしましょう。
平らにして冷凍
ラップで包んだ鶏肉は、できるだけ平らにして冷凍します。平らにすることで、冷凍時間が短縮されるだけでなく、冷凍庫内での収納も効率的になります。また、平らに冷凍すると、解凍も均一に行われやすくなります。
ラベルを貼る
冷凍する際は、保存袋や容器に日付や内容物を記載したラベルを貼っておくと便利です。これにより、いつ冷凍したかを確認しやすくなり、古いものから順に使うことで鮮度を保つことができます。
長期間保存の注意点
鶏肉は冷凍保存で約1ヶ月程度鮮度を保つことができますが、それ以上の長期間保存は品質が低下する可能性があります。冷凍焼けや風味の劣化を防ぐためにも、できるだけ早めに使用することを心がけましょう。
鶏肉の部位と特徴

鶏肉にはいろんな部位があり、それぞれが異なる特徴と用途を持っています。
鶏肉の部位を詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
参考:鶏肉の部位ごとの特徴を知って鶏肉料理を美味しく!選び方から調理法まで

せせり

せせりは、鶏の首周りの筋肉で、地域によって「首肉」や「ネック」とも呼ばれます。特徴としては、弾力のある食感と濃厚な旨味が挙げられ、脂肪が多くジューシーな味わいが楽しめます。また、コラーゲンが豊富で、噛むごとに旨味が広がるのも魅力です。
せせりは細長い形状で繊維質が多く、調理法によってさまざまな味わいを楽しむことができます。
ササミ

ササミは、鶏肉の中でも特に低脂肪で高たんぱくな部位です。100グラムあたりのカロリーが非常に低く、ダイエット中や筋肉を増やしたい方に最適で、栄養価が高く健康的な食材として人気があります。
ササミは、非常に柔らかい肉質を持ち、調理時間が短くても噛みやすい食感が楽しめます。淡白な味わいでクセがないため、さまざまな料理に合わせやすく、シンプルな調理法でも他の食材ともよく合います。
低カロリーで高たんぱくなため、ヘルシーな食生活を心がける人々に非常に人気があり、フィットネスやボディビルディングに取り組む人々にとって重要な栄養源となっています。
ムネ肉

胸肉は、鶏肉の中でも脂肪が非常に少なく、あっさりとした味わいで、ヘルシーな食材として人気があります。100gあたりの脂肪含有量は約2gで、もも肉の約5分の1です。
また、タンパク質含有量が高く、100gあたり約23gと、牛肉や豚肉よりも多く、ダイエットや筋力アップに適しています。
胸肉は、クセがなく調理しやすい部位で、炒め物、揚げ物、煮物など多様な料理に活用できます。胸肉は、パサつきやすいという弱点はありますが、低温調理やマリネすることでしっとりと仕上がります。
価格が安く、スーパーや精肉店で入手しやすいため、家計に優しい食材です。

モモ肉

モモ肉は、脂肪が多くジューシーでコクのある味わいが特徴です。脂肪が適度に含まれているため、調理してもしっとりとした食感が保たれます。筋肉の繊維が細かく柔らかいため、噛みやすく、焼き物や煮込み料理、揚げ物に適しています。
モモ肉は、さまざまな調理法に適し、家庭料理からレストランのメニューまで幅広く使われます。赤身が多く、焼き色もきれいに仕上がるため、見た目も美しい料理が作れます。
価格が手頃で入手しやすく、日常的に利用される食材です。皮付きで調理すると香ばしさがプラスされ、さらに美味しく楽しめます。

手羽先

手羽先は、皮が多くジューシーで柔らかい食感が特徴です。皮や骨の周りにはコラーゲンが豊富に含まれ、美容や健康にも良いとされています。
骨付きの部位で、食べ応えがあり、骨の周りの肉をかぶりつく楽しさがあります。細長い形状で手で持って食べやすく、グリルや揚げ物にすると外側がカリカリに、中がジューシーに仕上がります。
適度な脂肪分を含み、焼き物や揚げ物にすると脂が溶け出し、料理にコクと旨味を加えます。価格が安く、スーパーや精肉店で手軽に入手できるため、日常の食卓に取り入れやすい部位です。
手羽中

鶏肉の部位「手羽中」は、手羽先と手羽元の良いとこ取りをした万能部位で、近年人気が急上昇しています。手羽中は手羽先ほど脂肪が多くありませんが、適度な脂肪分があり、ジューシーな味わいが楽しめます。
手羽中は手羽先よりも大きく、手羽元よりも小さく食べやすいサイズで、骨離れも良いため簡単に食べることができます。そのため、焼き鳥、唐揚げ、煮物など様々な料理に活用でき、幅広い料理で美味しく味わえます。
適度な脂肪が含まれているため、調理しても乾燥せず、しっとりとした仕上がりになります。
手羽中には骨が2本入っており、手で持って食べやすい形状をしているため、子供から大人まで楽しめる部位です。
手羽元

手羽元は骨付きで販売されており、食べ応えがあります。骨周りの肉は特に美味しく、コラーゲンが豊富に含まれているため、肌のハリや弾力性を保つ効果があると言われています。
脂肪が多く、骨付きでコラーゲンが豊富な手羽元は、煮込み料理に最適です。じっくり煮込むことで脂肪が溶け出し、骨離れも良くなり、トロトロの食感と濃厚な旨味を楽しむことができます。
脂肪が適度に含まれているため、非常にジューシーで濃厚な味わいが特徴です。
また、手羽元は骨付きの部位で、骨の周りの肉をかぶりつく楽しさがあり、風味が濃く食べ応えがあります。
さらに、手羽元は多様な調理法に対応できる部位で、焼き物、揚げ物、スープなど、さまざまな料理に使うことができます。
比較的価格が安く、スーパーや精肉店で手軽に手に入れることができ、経済的でありながら美味しさと栄養価を兼ね備えているため、日常の食卓に取り入れやすい部位です。
砂肝

砂肝は他の鶏肉の部位と異なり、コリコリとした独特の食感が特徴で、この食感は多くの料理でアクセントとなり、噛み応えがあるため満足感を与えます。
砂肝は独特な風味を持ち、味付け次第で多様な風味を楽しむことができます。
調理も比較的簡単で、切り分けや下処理が容易な上、短時間で火が通るため忙しい時でも手軽に調理できます。
また、砂肝は他の鶏肉の部位に比べて価格が安く、スーパーや精肉店で手軽に手に入れることができます。
保存性が高く冷凍保存が可能で、必要な時に取り出して使えるため、使い勝手も良いです。
ハツ

ハツは独特のコリコリとした食感が特徴で、噛み応えがありながらも適度に柔らかく、楽しみながら食べることができます。
濃厚な風味も持ち合わせており、他の鶏肉の部位と比べて旨味とコクが強く、一度食べるとその風味に魅了されること間違いありません。
シンプルな調味料でも美味しく仕上がるため、料理のバリエーションも広がります。
ハツは高たんぱくで低脂肪な部位であり、、ヘルシーな食生活をサポートします。
ハツの下処理は比較的簡単で、脂肪や血管を取り除くだけで調理に取りかかることができるため、初心者でも扱いやすい部位です。
リーズナブルで手に入りやすく、スーパーや精肉店で手軽に購入できるため、日常の食卓に取り入れやすいのも魅力です。
レバー

鶏のレバーは独特の濃厚な風味があり、コクがあってしっかりとした味わいが楽しめるため、特にレバー好きにはたまらない味です。
また、レバーは非常に柔らかい食感を持ち、調理すると滑らかな舌触りになり、口の中でとろけるような食感を楽しむことができます。
適切に調理すれば、パサつくことなくしっとりと仕上がります。
鶏のレバーは低脂肪で高たんぱくな部位で、脂肪分が少ないためカロリーが抑えられており、健康志向の方にも適しています。
鶏のレバーはスーパーや精肉店で手軽に手に入る部位で、比較的価格も安いため、経済的です。栄養価が高く、手頃な価格で購入できるため、日常の食卓に取り入れやすいのも魅力です。
ぼんじり

ぼんじりは、鶏一羽から少量しか取れないため、希少価値が高い部位です。脂肪が非常に多く含まれているため、非常にジューシーで濃厚な味わいが楽しめる部位です。
脂肪の多さから口の中でとろけるような食感が特徴で、他の部位に比べて濃厚な旨味を持ち、一口食べるだけで満足感が得られます。
柔らかい食感を持ち、噛むと脂がじゅわっと出てきて、非常に食べやすい部位です。
また、ぼんじりは三角形の独特な形状をしており、見た目でも他の部位と区別しやすく、均一に火が通りやすいという調理の利点があります。
地鶏・銘柄鶏・ブロイラーの違い:まとめ
この記事では、地鶏、銘柄鶏、ブロイラーの違いについて詳しく解説しました。
それぞれの鶏肉には独自の特徴があり、消費者が選ぶ際のポイントとなる要素がいくつかあります。
以下に、それぞれの鶏肉の特徴をまとめました。
地鶏
- 飼育期間: 地鶏は約75日以上飼育され、広い環境でのびのびと育ちます。
- 飼育条件:自由に動けるスペースが確保され、自然に近い環境で育てられます。
- 肉質: しっかりとした弾力と深い旨味が特徴です。
- 価格: 高品質であるため、一般的に価格は高めです。
銘柄鶏
- ブランド特性:各ブランドごとに独自の飼育方法や飼料が使用されています。
- 品質管理:銘柄鶏は独自の品質管理基準のもとで生産され、一定の品質が保証されています。
- 味わい:ブランドごとに異なる特徴があり、消費者の好みに合わせた選択が可能です。
- 価格::地鶏よりは手頃な価格で購入できますが、ブロイラーよりは高めです。
ブロイラー
- 飼育期間:約35~50日と短期間で出荷されます。
- 飼育環境:集中的な管理が行われ、効率的に生産されます。
- 肉質:柔らかく、あっさりとした味わいが特徴です。
- 価格:大量生産が可能なため、最も手頃な価格で購入できます。
鶏肉を選ぶ際は、味や価格だけでなく、飼育方法や希少性なども考慮して選ぶと良いでしょう。
地鶏は、厳しい基準を満たした鶏肉で、最も希少価値が高く、濃厚な味わいを楽しめます。
銘柄鶏は、地鶏ほど厳格な基準ではありませんが、ブロイラーよりも長い期間飼育され、独自に配合された飼料を与えられているため、風味豊かでジューシーな味わいが特徴です。
ブロイラーは、最も安価で入手しやすい鶏肉ですが、飼育期間が短く、飼料も効率的に成長するために配合されているため、淡白な味わいとなります。